コナダニ
コナダニ類は、節足動物門鋏角亜門クモ綱ダニ目コナダニ亜目(無気門亜目)コナダニ科とその近縁の科に属するダニの一群である。体長0.3 - 0.5mm程度の小型のダニで、体は白く柔らかで、短い足がある。さまざまな食品や、場合によっては畳に発生し、害をなすことがある。
最もよく出現するのはケナガコナダニである。背中には細長い毛が多数生えて、それを引きずるようにして歩く。小麦粉、パン粉、ふすま、砂糖やチョコレートなど、さまざまな食品に出現する。また、梅雨時など、湿度が高い場合に畳に発生する場合がある。秋から春にかけては、室内温度の下降による湿度上昇や、それに伴う窓ガラスの結露などによって大量発生することもある。食品以外には、野外においては動物の糞などに出現するのも見かけられ、菌類や細菌などを食べているらしい。
コナダニは条件が揃うとわずか1 - 2日の間に大量発生する。小麦粉などに発生した場合、外見上はダニの姿は認められず、ダニが発生するにつれて、粉とダニが入れ替わるような具合になる。やがて粉の様子がおかしいことに気づき、よく見れば、粉がすべてうごめいているような有り様。その頃には、ダニは粉からあふれて周囲を歩き回っていることもよくあり、気が付けば、壁や机の表面に粉が吹いたようで、しかもそれがうごめいているという、背筋が寒くなる光景になることも珍しくない。もっとも、食品の被害を別にすれば、ダニそのものが人間を害することはない。ただし、ダニアレルギーの原因になることはある。
他に似たような被害を起こす種としては、サトウダニが砂糖、小麦粉、味噌などに、コウノホシカダニやサヤアシニクダニが鰹節、煮干し、きな粉などに発生することがあるが、ケナガコナダニがもっとも広範囲で発生する。
発生を防ぐには、湿度をおよそ60%RH未満に保つことが重要である。