クンニリングス

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クンニリングステンプレート:Lang-en-shortテンプレート:Lang-fr-shortテンプレート:Lang-de-short)は、女性器クリトリス尿道口小陰唇大陰唇)を直接などで舐めて性的刺激を与える行為。オーラルセックスの一種。俗ラテン語cunnus外陰部)とlingere(舐める)が語源である。日本語では「クンニ」と略すことが多い。

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女性同士のクンニリングス

クンニリングスは口から性器への愛撫の一種であり、受け手に幅広い性感を引き起こし、中でもクリトリスの感覚が非常に重要である[1]唾液テンプレート:仮リンクがよく用いられ、優しくなめらかな刺激を可能にしている[2]。パートナーからの反応に耳を傾けながら、(指マンのような)他の愛撫や、体全体へのさまざまな刺激と組み合わせることでクンニリングスは双方に幅広い快楽を取り交すことを可能にする。前戯として行われることも多いが、オーガズムにまで至るか否かに関わらず、クンニリングスはそれ自体が性行為である。

歴史と文化的意味

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蛸によるクンニリングスを描いた葛飾北斎春画蛸と海女』(1820年頃)

クンニリングスは西洋社会では近年までタブーとされていたがテンプレート:要出典中国道教では重要な位置を占めていた。道教では体液は非常に重要な液体であり、よってその喪失は生命力の衰弱を引き起こし、逆に、それを飲むことでこの生命力()を回復することができると考えられていた。

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フィリップ・ローソンによれば、この半分詩的、半分医学的な暗喩は中国人の間でのクンニリングスの人気を説明するものであるという――「この営みは女性の貴重な液体を飲む優れた方法であった。」[3]

中国学者のクリストファー・シペールにとっては、「閨房術」に関する道教のテクストは「ある種の改良された吸血鬼行為」を記述しているのだという。しかしながら、理念的には、道教においては、この営みによって利益を得るのは男だけではなく、女もまた液体の交換によって恩恵を受ける。男と女の液体を混ぜ合わせることで、道教徒は対極にあるものを折り合わせ、性が分離する前に存在していた神話的な時代、言わば原始の「気」の時代を取り戻そうとするのである。

宗教史家のミルチャ・エリアーデは、これと同様にして、老いと死を超越し、涅槃の状態に達しようというヒンズー教におけるタントラヨーガの実践に触れている。

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ポンペイに遺されたクンニリングスの壁画

西洋では、ローマ帝国においては、クンニリングスは男性が女性に服従するものと見做されて軽蔑されていた[4]。この道徳的な非難の証拠として、ガイウス・スエトニウス・トランクィッルスが、ティベリウスへと帰している数々の性的な破廉恥行為の目録の中でクンニリングスもティベリウスのせいにしていることが挙げられる[5]

聖書雅歌7:3(ジェイムズ王訳では7:2)にはクンニリングスへの遠回しな言及が含まれているとも考えられるが、多くの翻訳者は鍵となる単語を「臍」と訳している。トレンパー・ロングマンは「女性の孔に葡萄酒が湛えられているという描写は、肉欲的な器から飲みたいという男性の欲望を暗示している。よって、これは情交への微妙かつ味わい深い仄めかしなのかもしれない。」という解釈を示している[6]。別の翻訳では次のようにも読める――「君のおまんこはまあるいコップ、カクテルの切れたことがない。」(雅歌7:2 שררך אגן הסהר אל יחסר המזג)

サンダルから始まって"vulva"(ヘブライ語shor――アラム語の「秘密の場所」という語から派生している)、腹、胸へと上がってゆくという文脈は、この語の意味をほぼ決定づけるものである[7] 。キリスト教とユダヤ教の諸伝統の多くでは、『雅歌』に描かれた花婿と花嫁のエロティックな親密さに霊的な意味付けを与えている。

民俗学

マルケサスの儀礼では「……彼の役割は女の乳を吸い、クンニリングスをすることで興奮させることであった。」[8]

トゥブアイ諸島のRa’ivavae島では、「伝説の時代では、神聖な寺院での祈りの後に……公開のセックスが続いた。……クンニリングスが行われた。」[9]

ニューギニアでは儀式的な公開の見世物としてのクンニリングスが行われる――男が「女を地面へと投げ出し、スカートを取り去る。……それから女は脚を開いて立つよう命じられる。男は両脚の間にしゃがませられ、女性器に口を宛てがうよう命じられる。それが済むと、サツマイモが女の膣に挿入され、男はこれを少しずつ齧って全部食べさせられる。最後に、男は仰向けに寝るよう命じられ、女は男に跨り、性器を男の口に宛てがわせられる。男は女の汁を吸い出し、呑み込むよう命じられる。」[10]

近現代の文化の中で

ナポレオン・ボナパルトが妻ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネに書いた手紙にはクンニリングスを仄めかしたくだりがある――テンプレート:Cquote

「儀式的な公開のクンニリングス……が現代(1966年)でも毎夜行われている――特に土曜日の夜に――カリフォルニア州サンディエゴから国境を越えたメキシコティフアナの、ブルー・フォックスとしてアメリカの学生や水兵に知られている、表通りから自由に入れるナイトクラブで……何百人もが……この儀式的な交わり――としか呼びようのない――に加わろうと駆り立てられ、かつ恥ずかしがり……ストリップ嬢たちが自分自身を捧げている舞台を囲むテーブルに集まっている。」[11]

「地獄の天使たち……は、アレイスター・クロウリーのように、生理中の女にクンニリングスすることで有名である。」[12]ヘルズ・エンジェルスのメンバーで、旗に赤い翼が含まれているのはそのメンバーが生理中の女にクンニリングスをしたことを、黒い翼は黒人の女にクンニリングスをしたことを示している[13]

起源

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ボノボの性行動は人間のそれに近いことで知られる

人間(およびチンパンジーボノボオランウータンなど)では、性行動はもはやテンプレート:仮リンクというよりもテンプレート:仮リンクとしての意味合いが強くなっている[14]進化の過程で、ホルモン [15]フェロモン [16][17]の性行動に対する重要性と影響は減少し、対照的に報酬系が重要となっていった[18]。人類では、性行動の目的はもはや膣による交尾ではなく、身体と性感帯の刺激によりもたらされる性的快感の追求となっている[19]

明らかにクンニリングスの起源は快感であるが、それはとりわけクンニリングスを受ける側の人間にとってである。事実、口と舌による刺激は熱的な感覚を引き起こし、クリトリスへの圧迫と激しい触覚は性的快感を最大化する。これらの生理学的理由のため、またクリトリスが性的快感とオーガズムの主要な源泉であるため[20]、クンニリングスされることは女性の好む性的行動の1つとなっているが、嫌がる人も少なくない。

クンニリングスする側の人間にとっては、モチベーションは少し違ったものとなる。外陰部を口と舌で刺激することは自然発生的には性的快感を引き起こさない。往々にして、初めてクンニリングスをする時には嫌悪感すら覚えることすらある。しかしながら、クンニリングスをすることは多くの人にとって好きな性的行為とはならない。

統計

INSERM(テンプレート:仮リンク)とINED(テンプレート:仮リンク)によるフランス人の性に関する第2回国家調査の15年後に行われた、高名な社会学者テンプレート:訳語疑問点範囲(INSERM)とミシェル・ボゾン(INED)の指揮による『フランスにおける性のコンテクスト』(CSF)と題された第3回調査の詳細な結果報告書は18-69歳のフランス人12000人の性的行動を分析している。CSF調査は、今日ではオーラルセックスを男女ともに全体の2/3が日常的に行うようになっていることを裏付けた。フェラチオは18-19歳女性の38%、20-24歳女性の53%が日常的に行っていた。クンニリングスは18-19歳男性の46%、20-24歳男性の59%が日常的に行っていた。フェラチオとクンニリングスの広がりのため、研究者たちはこの書籍の1章を「挿入なき性――性のレパートリーの忘れられた現実」という章に割いている。

技法

テンプレート:仮リンクが全てそうであるように、クンニリングスに用いられるテクニックも、それに対する反応も人それぞれである[21]クリトリスはほとんど全ての女性にとって身体で最も敏感な部分であるが、時として快適に直接刺激するには敏感すぎる場合もあり、性的興奮の初期段階では特にそうである。テンプレート:仮リンクは『ハイト・リポート』において、大部分の女性がクンニリングスの一環として行われるクリトリスへの刺激によって容易にオーガズムに達すると注記している[22]テンプレート:仮リンクの中には、陰唇や女性器全体を優しく分散的に刺激することから始めることを勧めているものもある。舌の尖端、上面、あるいは裏面、さらには唇、歯、鼻、顎などを刺激に用いることができる。女性の好みに応じて、動きは遅くも速くも、規則的にも不規則にも、力強くも優しくもしうる。舌はに挿入しても良く、これも硬直させても動き回らせても良い。ハミングすることで振動を生むこともできる。

クンニリングスと共に、指や性具を膣に挿入して同時にGスポットを刺激したり、または(さらに)肛門にも挿入したりする方法もある[23]。性教育者の中には、クンニリングスを女性が関与する性的活動の重要な要素として推奨している者もある[24]

バリエーション

テンプレート:See also

宣教師の体位正常位
女性は仰向けになって横たわる。女性は脚をパートナーの肩に乗せても、折り曲げても(まんぐり返し)、開いてもよい。パートナーも横になることが多いが、膝立ちでもよい。この古典的な体位はクリトリスを刺激しやすく、女性をオーガズムに導きやすい。
立位
女性は正面を向いて立ち、パートナーは座るか膝立ちになる。これはあくまで過渡的な体位であり、クリトリスには到達しづらく刺激もしにくい。また、この体位のまま女性がオーガズムに達した場合にはパートナーが支えるか、あるいはパートナーの肩(あるいは椅子やベッド、テーブルのような支持物や壁や柱などの設備でもよい)など女性の身体を支持するものがないと、膝から崩れ転倒する危険性が極めて大きい。また、下記の座位とともにその見下せる立ち位置を利用し、SMプレイでは罵倒とともにパートナーへ強制的・半屈辱的な体位をとらせることも出来るので調教プレイにも用いられることが多い。
座位
女性は椅子もしくは他の支持体に座る。パートナーは床に座る。外陰部に届きやすく、良い刺激ができる。この体位では舌を挿入することも可能である。
口による相互刺激
シックスナインを参照。
顔面騎乗
女性はパートナーの顔に跨がる。深く(舌を挿れる)、長時間に及ぶクンニリングスが可能である。この体位では、女性は自ら動いてパートナーを導いたり、顔を使って自分自身を刺激したりできる。ただし、女性側がオーガズムに達する前後に夢中になるなどして相手の呼吸口を配慮せず顔面に陰部を押し付ける・あるいは座り込んでしまうと、パートナーの気道を塞ぎ窒息させる危険性がある。
セルフクンニリングス
セルフフェラの女性版である。実現可能性が示せないほどの体の柔らかさが必要となる自己刺激法なので伝説の域に留まっている。これができるほど柔軟な女性もいるであろうが、無理にやってみようとも思わないかもしれない。
バター犬
女性器にバターなどを塗り、犬やその他の動物に舐め取らせることでクンニリングスをさせる。

健康

クンニリングスには、フェラチオと同様、危険性がないわけではない――陰部を清潔に保った健康体であれば性感染症に感染することはないが、そうでなければクラミジア淋病ヘルペス尖形コンジローム梅毒B型肝炎のような性感染症の大部分が、行為を通じ感染する可能性がある。ただしエイズ感染の可能性は低く、例えば両者が共に出血したような場合に偶発的に起こるのみである。また近くに位置する肛門を舐めれば(アニリングス)、便を媒介してA型肝炎アメーバ赤痢などに感染する可能性がある[25]

受け手の性器、もしくは施し手の口に傷や腫れ物(や歯茎の出血)があると性感染症の感染リスクが増大する。歯磨き、デンタルフロスの使用、歯科治療、ポテトチップのようなパリパリした食品の摂取などをクンニリングスの前後に行うことも、口内に小さな傷を作るのでリスクを増大させる。こうした傷は、顕微鏡でしか見えないレベルのものであっても口を介して感染する性感染症の感染リスクを高める。こうした接触はまた、性器内や性器周辺に存在しもしくは分泌されるよりありふれた真正細菌ウイルスによる感染症の原因ともなる。

2005年に、スウェーデンマルメ大学で行われた研究は、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した人間との、予防手段を用いないオーラルセックスは口腔癌のリスクを高めると示唆した。この研究によると、癌患者の36%がHPVに感染していたのに対し、健康な対照群では1%しか感染していなかった[26]

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌で発表された最近の別の研究は、オーラルセックスと咽喉癌には相関関係があることを示唆している。HPVは頸部癌の大半に関係しているので、この相関関係はHPVの感染によるものと考えられている。この研究は、生涯に1-5人のパートナーとオーラルセックスを行った者は全く行わなかった者に比べおよそ2倍、6人以上のパートナーと行った者は3.5倍の咽喉癌のリスクがあると結論付けている[27]

予防と衛生

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ラテックスのシート

性感染症の可能性があるパートナーとのオーラルセックスにおいて感染を予防する最良の方法は、テンプレート:仮リンクもしくは男性用コンドームから作った保護膜などの、ラテックスのシートを用いることである。現在ではクンニリングス専用の製品も市販されている。外陰部にシートを貼付する前に、水性の潤滑剤を塗布することが推奨される。ただしコンドームから手作りしたデンタルダムは鋏などで穴が開いてしまうことによるリスクがある[28]。また食品用ラップフィルムには電子レンジで使用する時の通気のために微細な穴が開けられていることが多いので、食品ラップから作ったデンタルダムでは病原体の感染を防ぐことが出来ない可能性がある。

口を用いる性行為である以上、クンニリングスには両者共にしっかりとした衛生が必要となる。申し分ない衛生状態であってもパートナーが外陰部のにおいに嫌悪感を覚える場合は、香りつきの潤滑剤の使用や、食餌療法の適用なども解決方法たりうる。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

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テンプレート:性交体位

テンプレート:性tr:Oral seks#Cunnilingus
  1. CLITORIS, CE CHER INCONNU
  2. http://www.pathol08.com/sexe/article.php?sid=87
  3. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「octaviopaz」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  4. france 5 : les maternelles - histoire (les premiers pas de la sexualité, de la préhistoire à l'antiquité)
  5. suétone, vie de tibère, 45
  6. Tremper Longman, Song of Songs, B. Eerdmans Publishing, 2001, p. 195. See also J S. Exum, "The Poetic Genius of the Song of Songs", in Hagedorn (ed), Perspectives on the Song of Songs, Walter de Gruyter, 2005, p. 90
  7. Cf. the brief discussion in Brown, Francis; Driver, S.R., and Briggs, Charles A. Hebrew & English Lexicon of the Old Testament. Oxford: The Clarendon Press, 1902; repr. 1978; p. 1057a. A more complete discussion is found in Frants Buhl's edition of Wilhelm Gesenius' Hebrãisches und Aramãisches Handwörterbuch über das Alte Testament.Göttingen: Springer-Verlag, 1915; repr. 1962; p. 863a.
  8. Abraham Kardiner & Ralph Linton : The Individual and His Society. New York : Columbia University Press, 1939. p. 173. cited in Legman 1968, p. 571
  9. Sexology -- French Polynesia C
  10. Ronald R. Berndt : Excess and Restraint : Social Control among a New Guinea Mountain People. University of Chicago Press, 1962. p. 340
  11. Legman 1966, p. 124
  12. Legman 1968, p. 781
  13. テンプレート:Cite book
  14. 性行動、生殖行動、性愛行動という表現はマーチン・ジョンソンとバリー・エヴェリットが『生殖』(De Boeck Université 2001)において種の間での行動学的および神経生物学的な性行動の違いを考慮するために提案したものである。この区別の実験による検証を最も良く示している仕事は神経生物学者アンダース・アグモのFunctional and dysfunctional sexual behaviorである。
  15. BUVAT J. : Hormones et comportement sexuel de l'Homme : données physiologiques et physiopathologiques, Contracept. Fertil. Sex., 24/10:767-778, 1996
  16. ZHANG J. , WEBB D. M. Evolutionary deterioration of the vomeronasal pheromone transduction pathway in catarrhine primates, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 100(14):8337-8341, 2003
  17. FOIDART A. , LEGROS J.J. , BALTHAZART J. : Les phéromones humaines : vestige animal ou réalité non reconnue, Revue médicale de Liè ge, 49/12:662-680, 1994
  18. Functional and dysfunctional sexual behavior
  19. テンプレート:Fr WUNSCH Serge, Thèse de doctorat sur le comportement sexuel(PDF) EPHE-Sorbonne, Paris, 2007.
  20. MASTERS William, JOHNSON Virginia. Human sexual response, Bantam Books 1980
  21. Oral Sex Etiquette
  22. テンプレート:Cite book
  23. テンプレート:Cite book
  24. テンプレート:Cite book
  25. 性行為別の性感染症リスク (ForSex)
  26. Oral Sex Linked To Mouth Cancer Risk
  27. Oral sex can cause throat cancer - 09 May 2007 - New Scientist
  28. instructions