ガンピ
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テンプレート:出典の明記 ガンピ(雁皮)はジンチョウゲ科ガンピ属の落葉低木で、学名はDiplomorpha sikokiana。奈良時代から製紙原料として用いられている。別名はカミノキ。
特徴
生育する東限は静岡の伊豆、北限は石川の加賀市付近までである。四国、九州、静岡、兵庫などに多く、暖地を好む。
高さ1-3m、枝は褐色、葉は卵型で互生し、初夏に枝端に黄色の小花を頭状に密生する。花には花弁がなく、先端が四裂して黄色、下部が筒状で白色のガクを持ち、花後はガクを伴ったそう果を結ぶ。
繊維は楮の3分の1程度と短く、その質は優美で光沢があり、平滑にして半透明でしかも粘性があり緊縮した紙質となる。
人工栽培
栽培が困難で野生品を使う事が多いが、人工的な繁殖は実生、根分け、挿し木などによる。苗を植え付けて3年目に第一回の収穫を行うが、4月 - 11月が適当。生皮を剥ぎ、乾燥して出荷する。製紙の過程は三椏和紙などと同様。
歴史
遣唐使と共に唐に渡った最澄が、わざわざ土産として筑紫の斐紙(雁皮紙)を200張り持参している。 紙の先輩国である中国に、土産として持参できるほどに高い評価を得ていたことになる。
平安期の公家の女流詩人たちに、かな文字を書くのにもっともふさわしい紙として愛用され、中世から近世にかけて、鳥の子紙の名で紙の王としてその名を知られている。
ガンピの名の由来は、カニヒ(伽尼斐)という植物の古名から転化したという説と、カミヒ(紙斐)が訛ったともいわれている。