カワサキ・GPZ1100

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テンプレート:Infobox オートバイのスペック表 カワサキ・GPZ1100(ジーピーゼットせんひゃく)とは、川崎重工業が製造していた大型自動二輪車オートバイ)。

解説

GPZ1100には空冷エンジンのZX1100A、水冷エンジンのZX1100E/ZX1100F(F型はE型のABS仕様)の2つがあり、厳密には前者の表記はGPz1100、後者は表記をGPZ1100とする。両者は時代を異にしており、直接のシリーズ車ではない。 中古車雑誌やパーツメーカーなどでは、一般的に空冷モデルをGPZ1100FもしくはGPz1100F,水冷モデルをGPZ1100と表記することが多い。しかし、GPz1100Fというモデルは正式には存在しない。GPz750及び400のシリーズ後期型において車名に排気量を示す数字の後に“F”が付け加えられたが、1100は全シリーズを通して“F”の付くモデルは存在しない。(同時代のホンダCB-Fシリーズの影響も考えられる) また水冷モデルをGPZ1100、GPZ1100-2と表記される場合もあるが、表示上の区分けとして-2を付けているだけである。

発売された背景とモデルの運命

GPz1100(A型)は、Z1000Hに量産市販バイクとして初めて搭載したインジェクションシステムKEFIを進化させたDFIを装着。120馬力までパワーアップしたモデルとして登場。しかし、エンジンの放熱対策は限界に達しており、翌年1984年に発売された新世代の水冷エンジンを搭載するGPZ900Rが発売。これが大ヒットしたことにより、後にゼファー1100の発売が在るものの、GPz1100がZ1から続いたカワサキの大型空冷スポーツバイクの事実上最後となった。スタイリングは、発売前年にモーターショーに出品された750ターボカウルデザインを踏襲したものである。当時同デザインを250、400、750、1100とGPzシリーズを展開し、輸出車/大型車の雰囲気を中型車で味わえることで人気を博した。そのエッジの効いたフロントカウルのデザイン処理は、その後のGPZ900Rにも踏襲されて長い間親しまれることとなった。

GPZ1100(E型)は、1994年ケルンショーでデビュー。フラッグシップモデルであるZZR1100より安価に、ツーリングを主体とする使用を目的とするために開発された。ZZR1100のエンジンを低中速向けにし、長距離走行向けの性格が与えられている。オプションとして最初からGIVI社製のパニアケースを設定されていたことからも、その車両コンセプトが伺える。その一端として、サイドスタンドを掛けて停車させた場合、一般的なバイクより角度がついた状態になっており、荷物の積載性を考慮した作りとなっている。また、ABSモデル(ZX1100F)も発売された。スタイリングは、GPZ900の流れを組む印象を与えているが、同一排気量でよりスポーツ性の高いZZRが存在するため、“Ninja”の称号は与えられていない。水冷GPZ1100は、ツアラーというカテゴリーの中にありながらも、鋼管ダブルクレードルとしては市販車中最高速を誇ったモデルであり、現在も鋼管ダブルクレードル車としては最高速である。

テンプレート:Kawasaki