かめはめ波
テンプレート:Pathnav かめはめ波(かめはめは)とは、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』に登場する架空の技である。
目次
概要
亀仙人(武天老師)が編み出した、体内の潜在エネルギーを凝縮させて一気に放出させる技。孫悟空の得意技であり、作品を代表する技のひとつである。亀仙人によれば、この技を会得するには50年の修行が必要とされるが、悟空は威力こそ大きく劣るものの見よう見まねで放った[1]。やがてヤムチャやクリリン、孫悟飯、孫悟天といった多くの戦士たちも使い手となった(その他の使い手は#主な使い手参照)。本編での初披露は、「亀仙人のかめはめ波!!」[2]にて亀仙人がフライパン山の火事を消すために放ったものであり、攻撃技としてではなかった。なお、この際にプライパン山火事は消したものの、亀仙人が張り切りすぎたため同時にフライパン山も吹き飛んでしまった。
名前の由来はハワイ王国のカメハメハ大王から。鳥山が技の名前を考えていたとき、鳥山の妻である、みかみなちが提案したものを、「ばかばかしくて亀仙人らしい」と採用した[3]。
構え
- か … 両手首を合わせて手を開いて、体の前方に構える(ここで「か」と発音)
- め … 腰付近に両手を持っていきながら(ここで「め」と発音)
- は … 体内の気を集中させ(このときに「は…め…」とゆっくり発音)
- め … 両手を完全に後ろにもっていて、溜めにより気が満ちた状態。
- 波 … 気功波として両手から対象に向けて放つ(「はー!」と叫びつつ一気に放つ)
掛け声は間違っていたり、発しなくても撃つことはできる。忙しい時は「波!!」だけの時も。後述の通り発射後の射角変更が可能だが、基本的には対象に向けて一直線に放つビームとしての性質を持つ。
足を大きく広げ腰を落とす型が基本だが、両手を使わず片手だけ、手の代わりに足からでも、かめはめ波を撃つことができ、第23回天下一武道会で孫悟空が足でかめはめ波を放った際には、技を編み出した亀仙人も驚いていた。また上記の構えでなくても、かめはめ波とされている技もある。熟練すると、発射した気功波を自分の意思で曲げることができるようになる。込める気の度合いにより段階的に威力の大きさが示されたり[4]、前述の足から放った場合のように応用技、変形技が多いのも特徴のひとつである。
鶴仙流のどどん波など、同様の原理の技は作中に多数登場。このことから、かめはめ波は亀仙流独自の型による、数ある気功波放出法のひとつといった位置づけにある。
主な使い手
亀仙流
その他の使い手
アニメ、ゲームなどで使用
- チチ(外伝作品とゲームで使用テンプレート:要出典)
- ベジータ「ギャリック砲」という、原理は同じ技を使う(かめはめ波という名称は原作では使用しないが、ゲームオリジナルストーリーなどで使用)
- セルジュニア(ゲームで使用)
- トランクス(現代)(アニメのオープニングや劇場版で使用)
- ゴテンクス
- ベジット
- パン
- ウーブ
- ゴジータ
ゲーム『超ドラゴンボールZ』では、通常はかめはめ波を使用できないキャラクターにも会得させることができる。
バリエーション・応用技
原作で名前が付いているのはかめはめ波最大出力、かめはめ波がえし、超かめはめ波のみ。
- かめはめ波最大出力(マックスパワー) / MAXパワーかめはめ波(亀仙人、ジャッキー・チュン)
- かめはめ波がえし[5](孫悟空)
- 逆かめはめ波[6] / ラッシュかめはめ波[7](孫悟空)
- 曲がるかめはめ波[8] / 誘導かめはめ波[9](孫悟空)
- ダブル気砲[10] / 追尾気功波[11] / ダブルかめはめ波[8](クリリン)[12]
- 超かめはめ波(孫悟空)
- 足でかめはめ波[13] / 足からかめはめ波[14] / 足かめはめ波[8](孫悟空)
- 拡散弾[15] / 拡散エネルギー波[16] / 拡散気功波[17] / 拡散かめはめ波[18] / 流星気功弾[19](クリリン)[12]
- 3倍界王拳かめはめ波(孫悟空)
- 4倍界王拳かめはめ波(孫悟空)
- 連続かめはめ波[14](孫悟空)
- フェイントかめはめ波[14] / 連気弾[20] / 配置かめはめ波[17](孫悟空)
- 20倍界王拳かめはめ波(孫悟空)
- 瞬間移動かめはめ波[14](孫悟空)
- 親子かめはめ波(孫悟空&悟飯)
アニメ、ゲームなどで登場
- 元祖かめはめ波(亀仙人)
- 10倍かめはめ波(孫悟空)
- 大きなかめはめ波[8](ニセ悟空)
- 大かめはめ波[7](孫悟空)
- 連撃波[7](孫悟空)
- スーパーかめはめ波[21](孫悟空)
- モーションキャンセル超かめはめ波(孫悟飯)(ゲームで使用)
- 超級かめはめ波[7](セル)
- 太陽系破壊かめはめ波(セル)(ゲームで使用)
- 親子かめはめ波(孫悟空&悟飯&バーダック)(ゲームで使用)
- 兄弟かめはめ波(孫悟飯&悟天)
- 親子三大かめはめ波(孫悟空&悟飯&悟天)
- ファイナルかめはめ波(ゴジータ、ベジット)(ゲームで使用)
- ビッグバンかめはめ波(ゴジータ)(超サイヤ人はゲームで使用)
- 100倍ビッグバンかめはめ波(超サイヤ人超4ゴジータ)(ゲームで使用、アニメでは融合が解けたため未使用)
- ブラフかめはめ波(超サイヤ人超4ゴジータ)(攻撃用ではない完全な遊び技。アニメでは5人に分身して使用、ゲームでは1人)
- どどはめ波(ヤム飯)(ゲームで登場し、使用)
- 師弟かめはめ波(孫悟空&クリリン&亀仙人)
- かめはめ乱舞(孫悟空、クリリン、ヤムチャ)(ゲームで使用。3人でいっせいにかめはめ波を放つ)
- 怒りのかめはめ波(孫悟空)(ゲームで使用)
- 本場のかめはめ波(孫悟空)(ゲームで使用)
- 爆裂ラッシュ(アルティメット悟飯)(連続攻撃の最後にとどめの超かめはめ波を放つ)
- 限界突破かめはめ波(超サイヤ人ゴッド孫悟空)
- んちゃはめ波[22](則巻アラレ&ゴテンクス)
その他
牛魔王は亀仙人の弟子の中で唯一かめはめ波が使えない。これについて鳥山は「牛魔王は技より力のタイプ。それに実力がちょっと伴わなかったためでしょう」と答えている[23]。
天津飯は気合いでかめはめ波を跳ね返すことができ、「大小に関わらずかめはめ波自体が通用しない」と亀仙人に語られている。作中ではヤムチャのかめはめ波を跳ね返している。
アニメ『ドラゴンボール』最初期の放送に挿まれたコマーシャル「ドラゴンボールソーセージ」では、悟空が短く「かめはめ波!」と叫んでポーズをとるとソーセージのおまけである小型キャラクター人形が数多く放射状に飛び出すという演出があった。
日本国外での人気を受けて、ニュージーランドの首都ウェリントンのTSBバンク・アリーナで開催されている、SFとコミックの祭典「アルマゲドン・パルプ・カルチャー・エキスポ」では、2001年から「かめはめ波コンテスト」が毎年開催されている。参加者が実際にかめはめ波を出しているかのようなパフォーマンスをし、それを競う大会である[24]。
中国語版(香港、台湾、中国大陸の3つのバージョン)では「亀派気功」と訳されており、漫画版では文字数の違いからコマの中の文字の配列が困難となっていた(後は「神亀衝撃波」との訳もあるが)。韓国では「エネルギー波(「에네르기파)」となっており、「かめはめ波」と文字数が合っている。
写真撮影で、一人が「かめはめ波」を出すポーズをとり、他の人がジャンプをしながらその衝撃を受けてふっとぶようなポーズをし、その瞬間を撮るジョーク写真が2013年ごろからSNSなどを通じ流行し始めた。遠くの相手に衝撃波でダメージを与える架空の超能力技の名前を取っており、「かめはめ波(KAMEHAMEHA)」以外にも類似の「マカンコウサッポウ」「ハドウケン」などさまざまな呼び名で呼ばれる[25]。どれが最初であるかも判然としないし、ポーズもそれぞれの原作描写に完全に忠実であるとは限らない。技を出す人を中心にし、周囲が吹っ飛ぶ役を担当すれば変わった集合写真のやり方にもなることで人気が高まった。
脚注
関連項目
テンプレート:ドラゴンボール- ↑ その場にあったブルマの車を大破させた。
- ↑ 週刊少年ジャンプ 1985年14号
- ↑ 渡辺彰則編「鳥山明的超会見」『ドラゴンボール大全集 4巻』167頁、および「マンガDRAGOBALLの真実〜トリヤマはこう考えていたよスペシャル」 DRAGON BALL 超エキサイティングガイド ストーリー編 集英社、89頁。
- ↑ 超かめはめ波、MAXパワーかめはめ波などが該当。
- ↑ 渡辺彰則編「SPECIAL ATTACKS エスカレートする必殺技 その2 第21回天下一武道会編」『ドラゴンボール大全集 2巻』204頁。
- ↑ ファミリーコンピュータソフト『ドラゴンボール 大魔王復活』
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 PCエンジンソフト『ドラゴンボールZ 偉大なる孫悟空伝説』
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 ファミリーコンピュータソフト『ドラゴンボール3 悟空伝』
- ↑ スーパーファミコンソフト『ドラゴンボールZ 超悟空伝 -突激編-』
- ↑ 渡辺彰則編 「SPECIAL ATTACKS エスカレートする必殺技 その6 第23回天下一武道会編」『ドラゴンボール大全集 2巻』集英社、1995年8月9日、ISBN 4-08-782752-6、208頁。
- ↑ 渡辺彰則編「技事典」『ドラゴンボール大全集 7巻』集英社、1996年2月25日、ISBN 4-08-782757-7、133頁。
- ↑ 12.0 12.1 原作ではかめはめ波とは叫ばず、ゲームによってはかめはめ波の名称がつかないこともある。
- ↑ 渡辺彰則編「SPECIAL ATTACKS エスカレートする必殺技 その6 第23回天下一武道会編」『ドラゴンボール大全集 2巻』209頁。
- ↑ 14.0 14.1 14.2 14.3 渡辺彰則編「技事典」『ドラゴンボール大全集 7巻』131 - 132頁。
- ↑ 渡辺彰則編 「SPECIAL ATTACKS エスカレートする必殺技 その7 サイヤ人編」『ドラゴンボール大全集 2巻』210頁。
- ↑ ファミリーコンピュータソフト『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』
- ↑ 17.0 17.1 アーケードゲーム、PlayStation 2ソフト『超ドラゴンボールZ』
- ↑ PlayStation Portableソフト『ドラゴンボールZ 真武道会』
- ↑ ニンテンドーDS専用ソフト『ドラゴンボールZ 舞空烈戦』
- ↑ ファミリーコンピュータソフト『ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画』
- ↑ ファミリーコンピュータソフト『ドラゴンボールZIII 烈戦人造人間』
- ↑ ニンテンドーDSソフト『ジャンプスーパースターズ』
- ↑ 週刊少年ジャンプ特別編集「鳥山先生に完全密着取材Q&A!!なるほど!?ザ・ドラゴンボール」『DRAGON BALL 冒険SPECIAL』集英社、1987年12月1日、雑誌29939-12/1、138頁。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ マカンコウサッポウブーム、ついに公式へ カプコンUSAブログで波動拳コンテスト開催」 ITmedia 2013年4月