カオジロオタテガモ
カオジロオタテガモ(Oxyura leucocephala)は、動物界脊索動物門鳥綱カモ目カモ科オタテガモ属に分類される鳥類。
分布
アゼルバイジャン、アフガニスタン、アルジェリア、アルメニア、イスラエル、ウクライナ、ウズベキスタン、イラク、イラン、インド、カザフスタン、キプロス、ギリシャ、グルジア、シリア、スペイン、タジキスタン、チュニジア、トルクメニスタン、トルコ、パキスタン、ブルガリア、モンゴル、ルーマニア[a 1]
夏季にアフガニスタン、アルジェリア、イラン、ウズベキスタン、カザフスタン、スペイン、チュニジアで繁殖し、冬季になるとイスラエル、イラン北部、インド、エジプト、シリア、トルクメニスタン、パキスタンへ移動し越冬する[1][2][3]。
形態
全長43-48センチメートル[3]。翼長オス15.5-17.2センチメートル、メス15-16.7センチメートル[2]。翼開張62-70センチメートル[3]。体重オス0.7-0.9キログラム、メス0.6-0.8キログラム[3]。
オスは頭部の羽衣が白く、頭頂に黒い斑紋が入る[1][3]。種小名leucocephalaは「白い頭」の意。全身の羽衣は黒褐色で、腹部中央の羽衣は灰白色[1]。嘴の色彩は青い[1][3]。眼先や後頭にかけての羽衣は暗褐色、頬の羽衣は白く暗褐色の筋模様が入る[1]。嘴の色彩は灰色[1]。
生態
水生植物が繁茂した淡水湖、アルカリ湖、塩湖などに生息する[1]。
食性は雑食で、水面に浮かぶ植物、昆虫、軟体動物、環形動物、魚類などを食べる[1][2][3]。
繁殖形態は卵生。頭部と尾を垂直に立てながら泳ぎ、求愛する[2]。開けた水辺の近くにある茂みに巣を作り、オオバンなどの古巣を利用することもある[2][3]。4-7月に4-9個の卵を産む[3]。抱卵期間は3週間[3]。
人間との関係
干拓による生息地の破壊、水質汚染、漁業による混獲、狩猟などにより生息数は激減している[1][3]。また人為的に移入されたアカオタテガモとの競合や、交雑による遺伝子汚染が懸念されている[3]。カスピ海での1930年代における越冬個体数は50,000羽、1960年代における越冬個体数は1,000羽と推定されている[1]。ブルドゥル湖での1991年における越冬個体数は10,900羽、1996年における越冬個体数は1,270羽と推定されている[3]。
画像
- Female white headed duck.JPG
メス
参考文献
関連項目
外部リンク
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タグがありません- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社、2000年、76、185頁。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育 (ガンカモ目)』、財団法人東京動物園協会、1980年、86頁。
- ↑ 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 3.12 3.13 『絶滅危惧動物百科4 カザリキヌバネドリ―クジラ(シロナガスクジラ)』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店、2008年、34-35頁。