オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド
テンプレート:Infobox 『オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド』 (All That You Can't Leave Behind ) は、アイルランドのロックバンド、U2のアルバムである。
概要
ダンスビートの導入など1990年代に大胆な実験を重ねたU2が、21世紀の到来と共にまた新たな方向性を示した作品である。タイトルの"All That You Can't Leave Behind"(置いて行けないものすべて)が示唆する様に、バンドの本質を見つめ直し、シンプルで肯定的な大人のロックを響かせる。フランスのシャルル・ド・ゴール国際空港で撮影されたジャケット写真が新たな音楽の旅に出るU2をイメージさせ、スーツケースにハート(LOVE)を入れたマークがあしらわれている。
この原点回帰路線はファンや音楽評論筋で高評価され、グラミー賞において多数の賞を獲得した。最優秀レコード部門では、同一アルバムから2年連続で受賞曲を出した唯一の例である。
- 最優秀楽曲賞 - Beautiful Day(2001年)
- 最優秀レコード賞 - Beautiful Day(2001年)
- 最優秀レコード賞 - Walk On(2002年)
- 最優秀ロック・アルバム賞(2002年)
- 最優秀ロック・グループ賞 - Beautiful Day(2001)
- 最優秀ロック・グループ賞 - Elevation(2002)
- 最優秀ポップ・グループ賞 - Stuck in a Moment You Can't Get Out Of(2002年)
「エレヴェイション」はライブツアーのタイトルとなり、映画『トゥームレイダー』の主題歌としても知られる。「ウォーク・オン」は自宅軟禁中のアウンサンスーチーを励ます曲、「スタック・イン・ア・モーメント」はボノが自殺した親友マイケル・ハッチェンス(INXSのヴォーカル)へ捧げた曲である。日本盤ボーナストラック「ザ・グラウンド・ビニース・ハー・フィート」は、ボノが原案・プロデュースを手がけた映画『ミリオンダラー・ホテル』の主題歌。作家サルマン・ラシュディの同名小説中の詩をもとに作曲したものである。
『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、280位にランクイン[1]。
ミャンマーでの放送禁止
ミャンマーでは、このアルバムが放送禁止にされている。収録曲「ウォーク・オン」が同国民主化運動指導者であるアウンサンスーチーに捧げた曲であるため、同アルバムや同曲シングルなど関連作品をミャンマーで所持していた事が判明した場合は10年から20年間刑務所に送られる。[2]
収録曲
- ビューティフル・デイ - Beautiful Day
- スタック・イン・ア・モーメント - Stuck in a Moment You Can't Get Out Of
- エレヴェイション - Elevation
- ウォーク・オン - Walk On
- カイト - Kite
- イン・ア・リトル・ワイル - In a Little While
- ワイルド・ハニー - Wild Honey
- ピース・オン・アース - Peace on Earth
- ホエン・アイ・ルック・アット・ザ・ワールド - When I Look at the World
- ニューヨーク - New York
- グレイス - Grace
- ザ・グラウンド・ビニース・ハー・フィート - The Ground Beneath Her Feet(日本盤ボーナストラック)
使用された曲
- 「エレヴェイション」- 映画『トゥームレイダー』のテーマ。
- 「ウォーク・オン」 - フジテレビ系『F1 グランプリ 2010』エンディング曲。
脚注
- ↑ 500 Greatest Albums of All Time: U2, 'All That You Can't Leave Behind' | Rolling Stone
- ↑ U2の最新アルバムがミャンマーで放送禁止に