オナモミ
テンプレート:出典の明記 テンプレート:生物分類表 オナモミ(葈耳、巻耳、学名:Xanthium strumarium)は、キク科オナモミ属の一年草。果実に多数の棘(とげ)があるのでよく知られている。また同属のオオオナモミやイガオナモミなども果実が同じような形をしており、一般に混同されている。
形態
草丈は50〜100cm。葉は広くて大きく、丸っぽい三角形に近く、周囲は不揃いなギザギザ(鋸歯)がある。茎はやや茶色みをおび、堅い。全体にざらざらしている。夏になると花を咲かせる。雌雄異花で、雄花は枝の先の方につき、白みをおびたふさふさを束ねたような感じ。雌花は緑色の塊のようなものの先端にわずかに顔を出す。
見かけ上の果実は楕円形で、たくさんの棘をもっている。その姿は、ちょうど魚類のハリセンボンをふぐ提灯にしたものとよく似ている。先端部には特に太い棘が2本ある。もともと、この2本の棘の間に雌花があったものである。
ひっつき虫
見かけ上の果実は最初は緑、熟すると灰褐色となり、棘も堅くなる。その前後に根本からはずれる。この棘は防御のためというよりは、動物の毛にからみついて運んでもらうためのものと考えられる。事実、オナモミは強力な”ひっつき虫”であり、その藪を通れば、たいていどんな服でもからみついてくる。特に毛糸などには何重にもからみついてしまう。皮膚に当たっても結構痛い。ただし、大きさがあるため、はずすのはそれほど難しくない。これらの特徴から、投げて遊ぶ目的で使用される場合もある。
類似種
オナモミはアジア大陸原産で、日本にはかなり古くに侵入した史前帰化植物と考えられている。ただし、現在ではオナモミを見ることは少なくなっている。多くの地域では近縁種のオオオナモミ X. canadenseやイガオナモミ X. italicumなどの新しい帰化種に取って代わられているからである。また、それら種の繁殖にも波があるようで、オナモミ類全体をさほど見かけない地域もあるようである。帰化植物には侵入して大繁殖しても、次第に廃れたり、種が入れ替わったりといった移ろいが見られるのが、その一つの例である。
精密な生物時計
8時間30分の暗黒時間を経てつぼみをつける性質があるが、8時間15分ではつぼみをつけない[1]。
Status
絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)2007年8月レッドリストに新規選定。引用
- ↑ 「編集手帳」読売新聞2013年6月18日。『つぼみたちの生涯』(田中修、中公新書)からの引用。
参考文献
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他『日本の野生植物 草本III 合弁花類』,(1981),平凡社
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外部リンク
- オナモミ(蒼耳,葈耳) 大植物図鑑(長野電波技術研究所)