エル・ドラード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エル・ドラード(西:El Dorado)は、南アメリカのアンデス地方に伝わる黄金郷にまつわる伝説である。転じて、黄金郷自体を指す言葉としても使用される。
概要
エル・ドラードとはスペイン語で「金箔をかぶせた」、または「黄金の人」を意味し、16世紀頃までアンデス地方に存在したテンプレート:仮リンク(テンプレート:仮リンク)の儀式が基になっている。 この地方では金の採掘と装飾技術が発達し、コロンビアのグアタビータ湖では、その土地の首長が全身に金粉を塗り儀式を行う風習をもっていた。 大航海時代にスペインのコンキスタドール達がこの噂を聞き、話に尾ひれがついて、アマゾンの奥地に黄金郷があるという伝説となった。
最後に儀式が行われたのは16世紀初頭だったが、伝説は約300年間、ヨーロッパ人の間を彷徨った。18世紀後半まで世界地図にも描かれ、実在が信じられていた。しかし19世紀初頭、アレクサンダー・フォン・フンボルトによってアンデスやアマゾンは踏破され、地図上からは消し去られた。
ただし、ヨーロッパ人が想像したエル・ドラードではなかったが、コロンビアには前述のチブチャ文化以外にもかつてはテンプレート:仮リンク、タイロナ文化、シヌー文化が繁栄し、またペルーにはテンプレート:仮リンクを継承した北海岸のモチェ文化、シカン王国、チムー王国に見事な金製品を生み出した技術が存在していたことが明らかになっている。