エトルリア語
エトルリア語(エトルリアご、Etruscan language)はイタリア半島の先住民族、エトルリア人が使用していた言語。現在は死語となっている。
インド・ヨーロッパ語族 に属さないこと、エトルリア・アルファベットの読み方などはわかっているが、現在残っているものは碑文などがほとんどのために詳しいことは知られていない。そのため孤立した言語に分類されている。しかし一部の学者たちはラエティア語(アルプス地方で話されていた。Raetian)やテンプレート:仮リンク(エーゲ海のレムノス島で話されていた。Lemnian)など、ヨーロッパにおける死語となった孤立言語との共通点を指摘し、テンプレート:仮リンク(ティルセニア語族、Tyrrhenian/Tyrsenian)を形成するとしている。
エトルリア語のアルファベット(エトルリア文字)は西方ギリシア文字を参考に作られ、古代ローマで使用されたラテン文字の元になったといわれている。
子音
エトルリア語は有声音を用いなかった。
従って有声破裂音/g/を用いなかったが、ギリシャ語アルファベットの第三字母ガンマΓ(の異体形のC)を/k/の音価のために使った。結果として/k/の音価に3つの字母を使い分けることになった(すなわち、aの前にはKを、eとiの前にはCを、uの前にはQを用いた)。 同じ使い分けシステムは、初期のラテン人にも採用された。
母音
エトルリア語の母音体系は単純で、ア、エ、イ、ウの4母音があるだけである。(Aはア、Eはエ、Iはイ、Uはウと発音された。オの音を写すときには常にUが使われた。) エトルリア語にはオがなかったため、Eは非常に狭いエであり、ほとんどイに近かったのでエとイはしばしば相互交換可能であった。(例.イアソン Iason → Easun) エトルリア語の母音は、スペイン語やルーマニア語のような近代語と同様にすべて短母音で、ギリシャ語のエータ (H) やオメガ (Ω) のような長母音はない。 ギリシャ語のように長いエを表すための字母Hが必要ではなかったので、それをh音のために使うことができた。それが今日の英語のhとなっているのである。
文法
エトルリア語は屈折語である。名詞、代名詞、動詞にそれぞれ異なった語尾、あるいは屈折がある(従来の文法用語を使用してよいのか不確実であるが)。