ウー (ウルトラ怪獣)
テンプレート:Pathnav ウーは、円谷プロダクションが日本で制作した特撮テレビ番組シリーズ「ウルトラシリーズ」に登場する架空の怪獣。別名「伝説怪獣」。
目次
『ウルトラマン』に登場するウー
『ウルトラマン』第30話「まぼろしの雪山」(1967年2月5日放送)に登場。
全身長白毛の雪男的怪獣。飯田山の麓の村に住む、孤児のゆき(雪ん子)が村人から迫害を受け、助けを呼ぶ声と共に彼女を救うべく現れる。雪ん子の危機を救うために現れるので、行き倒れになった雪ん子の母親の化身ではないかといわれる。また、当地では伝承で知られる存在であった模様である。必ず吹雪と共に現れ、また怪獣出現の事実が観光客を遠ざけたため、スキー場による観光収入で経済を成り立たせている当地にとっては死活問題であり、ついに科学特捜隊およびウルトラマンの攻撃を受けることとなる。漁師らの子供たちが雪ん子を落とすために掘った穴をそのままにしていたため、酔った漁師仲間が落ちて凍死したを雪ん子の仕業と決めつけた村人に追われた際には、激怒してスキー場の施設を破壊しウルトラマンと戦う。身体にのしかかり首を絞めて苦しめるが、キックで投げ飛ばされグロッキー状態となりスペシウム光線のポーズを取る直前、雪ん子が力尽きたため、彼女のウーを呼ぶ声と共に飯田山に姿を消す。
- デザインは成田亨でイメージは仙人[1]。着ぐるみ造形はエキスプロによる[1]。
- ネーミングの由来は、糸芭蕉の繊維の事を沖縄方言で「ヲゥー(発音上の表記)」[1]、もしくは『2013年、大人のウルトラマン大図鑑』では『ウルトラマン』の製作前に企画された『生物彗星WOO』の元になった『WOO』という、同名の宇宙生物からと記述されている。
- 本作で雪んこに扱われている差別と迫害は沖縄出身の金城哲夫の沖縄と本土人との関係が指摘されている[2]。
- 本編班が着ぐるみをロケ先のスキー場に運んで人を入れて撮影したカラー写真が存在するテンプレート:Sfn。
『ウルトラマンA』に登場するウー
『ウルトラマンA』第42話「神秘! 怪獣ウーの復活」に登場。
- 身長:57メートル
- 体重:なし
『ウルトラマン』に登場するウーとの関係はないが、初代との区別のため二代目とつけられる。アイスロンに襲われて死んだ良平という男性の魂が娘を守るためにウーとなる。初代と違い魂がウー化する描写がある他、やや太目な体型で、男性の化身のため男性的な姿をしている。アイスロンと戦うも大したダメージを与えられず一方的に投げ飛ばされた挙句、崖下に蹴り落とされ雪崩に埋もれて行動不能になる。ウルトラマンAによってアイスロンが倒され、娘の無事を見届けると雪山の奥へと消える。
『ウルトラファイト』に登場するウー
『ウルトラファイト』「大峡谷の決闘!」「悪鬼ウーの狂乱!」「まぼろし怪獣ウー参上」他に登場。
- 身長:40メートル
- 体重:0
『ウルトラマン』に登場したウーとは異なり、喧嘩屋の異名を取るほど凶暴な性格。全登場キャラクターの中でも勝率は高い。しかし時には髪に花を飾る愛らしさを見せ、またある時はひたすらリンゴを貪るキーラーの姿を目の当たりにして言いしれぬ悲しみを覚え、自らもリンゴを齧る。ことキーラーとは何かと縁があるようで、互いに雪山でゴーゴーダンスを嗜むこともあれば、盲目の両者が土手の通行で揉める場面もある。「歯車くずし」という回転チョップの必殺技を持つ。
- 着ぐるみは『ウルトラマン』当時のものとは別物で、顔のほとんどが毛で隠れている。撮影が進むうちに土ぼこりを大量に吸い込み、中盤から後半にかけては身体に薄く靄がかかっていた。
『ウルトラスーパーファイト』に登場するウー
ビデオ『ウルトラスーパーファイト』第15話「怪獣の師弟愛」に登場。
『レッドマン』に登場するウー
『レッドマン』第19話、第20話、第21話、第22話、第24話、第64話、第72話、第76話に登場。19話でカネゴン、20、21話でゴモラ、22話でメフィラス星人、76話でガラモンと組み、レッドマンに挑むが敗れる。24話と64話と72話は単独で戦うが、これも敗れる。
着ぐるみは『ウルトラファイト』で使用されたものが流用された。
『チビラくん』に登場するウー
特撮テレビ番組『チビラくん』第74話に、チビラくんの住むカイジュウ町の住人としてバルタン星人、エレキング、イカルス星人と共に登場する。
過去の映像を流用しての登場
- 『ウルトラマン80』
- 第46話で魔法使いマアジンにレッドキングの他にウー(の玩具)を出してほしいという少年がおり、その際、回想シーンに登場する(鳴き声は少々アレンジされている)。
- 『甦れ!ウルトラマン』
- ゼットン星人が暴れさせた怪獣軍団の一体として登場。雪山を襲撃し分身したウルトラマンと戦うが、映像ではウルトラマンに伸し掛かったところで終わり、決着は描かれていない。
その他の作品に登場するウー
- サークロラマの映画『ウルトラマン・ウルトラセブン モーレツ大怪獣戦』にブースカとチャメゴンの前にバルタン星人やプロテ星人などと共に現れている。
- 『ウルトラセブン』の未発表作品『宇宙人15+怪獣35』では冒頭でセブンを襲って倒されるシナリオが予定されていた。『フィギュア王』に掲載された一峰大二の漫画『ゴードの巻』でもバルタン星人達によって蘇生された宇宙連合軍の怪獣軍団の一匹として冒頭でセブンを襲う。
- 『ザ☆ウルトラマン』第18話に怪獣に詳しい野島ユリ子(科学警備隊喫茶室のウェイトレス)の所有する怪獣の写真として、ウー、テロチルス、キングマイマイ、ステゴン、レオゴン、カメレキングなどが登場する。
- 漫画『ウルトラマンSTORY 0』第13話ではバルタン星人の実験の道具として登場。
- 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、百体怪獣ベリュドラの体を構成する怪獣の一体として初代ウーの姿が確認できる。
- 『大怪獣バトル』のEX第6弾に技カードとして登場。スキルは「まぼろしの吹雪」、効果は「ずっと、攻撃を受けた次のラウンドは、すごい冷気になる」。
補足
- ウルトラマンの製作前に『WOO』という、ウーと同名の宇宙生物を主役にする企画が存在したが、これについては、生物彗星WoO#概要及びウルトラマン#作品としてのウルトラマンの誕生過程を参照。
- テレビドラマ『コメットさん』第36話「雪のおばけが出たぞ」に、雪男としてウーの着ぐるみが使用されている[3]。
- 1981年11月、西武園ゆうえんちでのアトラクションの開催中、火薬用の導火線の火花がウーの着ぐるみに引火し火だるま状態となり、アクターの大学生が全身火傷で死亡する事故が発生した。
- ハヤタ役を演じた黒部進は、ウルトラマンの中で一番印象に残っている怪獣にピグモンと共にウーの名前を挙げている[4]。