ウィンナ・ワルツ
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テンプレート:Portal クラシック音楽 ウィンナ・ワルツ (テンプレート:Lang-de、テンプレート:Lang-en) は、19世紀のウィーンで流行し、ウィーン会議を通してヨーロッパ中に広まっていった3拍子のワルツである。
ダンス音楽団の団長であったヨーゼフ・ランナーと「ワルツの父」と呼ばれるヨハン・シュトラウス1世の2人がウィンナ・ワルツの創始者と言われている。
ヨハン・シュトラウス2世は、父の後を継ぎウィンナ・ワルツの様式を完成させ、黄金時代を築き「ワルツ王」と称される。ワルツの他には、2拍子のポルカ、行進曲などの小品や、ウィーン風オペレッタの基礎も手がけた。
ウィンナ・ワルツにおける3拍子は、3拍が均等な長さを持たず、2拍目をやや早めにずらすように演奏され、独特の流動感を生んでいる。
日本にも衛星生中継されているウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートでは、シュトラウス一家たちの作曲した多くのウィンナ・ワルツが演奏されることで有名である。
主な作曲家
- ヨーゼフ・ランナー(1801年 - 1843年)
- ヨハン・シュトラウス1世(1804年 - 1849年)
- ヨーゼフ・グングル(1810年 - 1889年)
- フィリップ・ファールバッハ1世(1815年 - 1885年)
- カレル(カール)・コムツァーク1世(1823年 - 1893年)
- ヨハン・シュトラウス2世(1825年 - 1899年)
- ヨーゼフ・シュトラウス(1827年 - 1870年)
- エドゥアルト・シュトラウス(1835年 - 1916年)
- フィリップ・ファールバッハ2世(1843年 - 1894年)
- カレル(カール)・コムツァーク2世(1850年 - 1905年)
主な作品
(曲名,作品番号,作曲者,作曲年または初演年)
- 別離のワルツ,作品19(ヨーゼフ・ランナー、1825年)
- 小鳩のワルツ,作品1(ヨハン・シュトラウス1世,1831年以前)
- ウィーンのカーニバル,作品3(ヨハン・シュトラウス1世,1831年以前)
- 人生は踊り,作品49(ヨハン・シュトラウス1世、1831年)
- バーデン舞曲,作品64(ヨーゼフ・ランナー,1840年以前)
- ベスト・ワルツ,作品93(ヨーゼフ・ランナー,1840年以前)
- 求婚者,作品103(ヨーゼフ・ランナー,1840年以前)
- 愛の語らい,作品128(ヨーゼフ・ランナー,1840年以前)
- 宮廷舞踏会,作品161(ヨーゼフ・ランナー,1840年以前)
- ロマンティックな人々,作品167(ヨーゼフ・ランナー、1840年)
- 宵の明星,作品180(ヨーゼフ・ランナー、1841年)
- エリザベート・ワルツ,作品71(ヨハン・シュトラウス1世,1841年以前)
- うぐいすのワルツ,作品82(ヨハン・シュトラウス1世,1841年以前)
- パリのワルツ,作品101(ヨハン・シュトラウス1世,1841年以前)
- ウィーン情緒,作品116(ヨハン・シュトラウス1世,1841年以前)
- ドナウの歌,作品127(ヨハン・シュトラウス1世、1841年)
- シェーンブルーンの人々,作品200(ヨーゼフ・ランナー,1842年)
- 記念の詩,作品1(ヨハン・シュトラウス2世、1844年)
- ローレライ・ラインの歌,作品154(ヨハン・シュトラウス1世,1849年以前)
- 酒神,作品230(ヨハン・シュトラウス1世1849年以前)
- 大海原の夢,作品80(ヨーゼフ・グングル、1855年頃)
- 調子のいい男,作品62(ヨーゼフ・シュトラウス、1858年)
- メフィスト地獄の叫び,作品101(ヨハン・シュトラウス2世,1864年以前)
- 愛の歌,作品114(ヨハン・シュトラウス2世,1864年以前)
- 加速度円舞曲,作品234(ヨハン・シュトラウス2世,1864年以前)
- 朝の新聞,作品279(ヨハン・シュトラウス2世、1864年)
- オーストリアの村つばめ,作品164(ヨーゼフ・シュトラウス、1864年)
- ウィーンのボンボン,作品307(ヨハン・シュトラウス2世、1866年)
- 美しく青きドナウ,作品314(ヨハン・シュトラウス2世、1867年)
- 芸術家の生涯,作品316(ヨハン・シュトラウス2世、1867年)
- ウィーンの森の物語,作品325(ヨハン・シュトラウス2世、1867年)
- ディナミーデン,作品173(ヨーゼフ・シュトラウス,1868年以前)
- トランスアクツィオン,作品184(ヨーゼフ・シュトラウス,1868年以前)
- うわごと,作品212(ヨーゼフ・シュトラウス,1868年以前)
- マリアの思い出,作品214(ヨーゼフ・シュトラウス,1868年以前)
- 天体の音楽,作品235(ヨーゼフ・シュトラウス、1868年)
- 忘れじのライン,作品83(ケーレル・ベーラ、1868年)
- 酒・女・歌,作品333(ヨハン・シュトラウス2世、1869年)
- 水彩画,作品258(ヨーゼフ・シュトラウス、1869年)
- わが人生は愛と歓び,作品263(ヨーゼフ・シュトラウス、1869年)
- 人生の歓び,作品340(ヨハン・シュトラウス2世、1870年)
- 女性の真髄,作品277(ヨーゼフ・シュトラウス,1870年以前)
- 千夜一夜,作品346(ヨハン・シュトラウス2世、1871年)
- ウィーン気質,作品354(ヨハン・シュトラウス2世、1873年)
- わが家で,作品361(ヨハン・シュトラウス2世,1874年頃)
- シトロンの花咲く国,作品364(ヨハン・シュトラウス2世、1874年)
- 仲良しのワルツ,作品367(ヨハン・シュトラウス2世,1877年以前)
- カリオストロ・ワルツ,作品370(ヨハン・シュトラウス2世,1877年以前)
- 美しい五月,作品375(ヨハン・シュトラウス2世、1877年)
- 南国のバラ,作品388(ヨハン・シュトラウス2世、1880年)
- ファントム,作品160(カレル・コムツァーク2世,1871年 - 1881年)
- 春の声,作品410(ヨハン・シュトラウス2世、1883年)
- 熱中する人々(フィリップ・ファールバッハ1世,1885年以前)
- ドナウの精,作品427(ヨハン・シュトラウス2世、1888年)
- 謝肉祭の子供,作品382(カール・ミヒャエル・ツィーラー,1887年以前)
- ウィーン娘,作品388(カール・ミヒャエル・ツィーラー、1887年)
- 入江のワルツ,作品411(ヨハン・シュトラウス2世,1889年以前)
- 宝のワルツ,作品418(ヨハン・シュトラウス2世,1889年以前)
- ドナウの精,作品427(ヨハン・シュトラウス2世,1889年以前)
- 皇帝円舞曲,作品437(ヨハン・シュトラウス2世、1889年)
- ウィーンの市民,作品419(カール・ミヒャエル・ツィーラー、1890年)
- 小さなワルツ,作品173(カレル・コムツァーク2世,1890年)
- 波をこえて,番号なし(ユヴェンティーノ・ローザス、1891年)
- モルダウの小波,番号なし(カレル・コムツァーク1世,1893年以前)
- 新生活,作品210(カレル・コムツァーク2世,1893年)
- ウィーンの森のツノメドリ(フィリップ・ファールバッハ1世または2世,1894年以前)
- ヨーゼフ・シュトラウスの想い出(フィリップ・ファールバッハ2世,1870年~1894年)
- ウィーンの情景(フィリップ・ファールバッハ2世,1894年以前)
- もろ人手をとり,作品443(ヨハン・シュトラウス2世,1895年以前)
- 東洋物語,作品444(ヨハン・シュトラウス2世,1895年以前)
- 人を信ずるには,作品463(ヨハン・シュトラウス2世、1895年)
- バーデン娘,作品257(カレル・コムツァーク2世,1898年)
- オペラ舞踏会(リヒャルト・ホイベルガー、1898年)
- ライムント時代の想い出,作品479(ヨハン・シュトラスス2世,1899年以前)
- 金と銀(フランツ・レハール、1899年)
- 君を思いて,番号なし(カレル・コムツァーク2世,1901年)
- ビロードとシルク(カール・ミヒャエル・ツィーラー、1902年)
- ブロンド娘,番号なし(カレル・コムツァーク2世,1903年)
- ワルシャワ娘,番号なし(カレル・コムツァーク2世,1903年)
- ヘラインシュッパツィールト(カール・ミヒャエル・ツィーラー、1904年)
- 五月の魔術,番号なし(カレル・コムツァーク2世,1904年)
- メリー・ウィドウのワルツ,番号なし(フランツ・レハール,1905年)
- ルクセンブルグのワルツ,番号なし(フランツ・レハール,1909年)
- ジプシーの恋のワルツ,番号なし(フランツ・レハール,1910年)
- エーファのワルツ,番号なし(フランツ・レハール,1911年)
- ひばりの鳴く所のワルツ,番号なし(フランツ・レハール,1918年)
- ジュディッタのワルツ,番号なし(フランツ・レハール,1934年)
関連項目
外部リンク
- オーストリア・舞踏会と社交ダンスの専門サイト(日本語)(ウィンナ・ワルツの歴史について紹介あり) cs:Valčík