アプサラス計画
テンプレート:Pathnav アプサラス (APSALUS) は、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場する架空の兵器。
ジオン公国軍の試作型モビルアーマー (MA) で、I・II・IIIの計3機が存在したとされる。
アプサラス計画
アプサラス計画(アプサラスけいかく、Apsalus Project)は、ジオン公国軍の技術士官ギニアス・サハリン技術少将の主導による、MA・アプサラスの開発・運用計画である。プロジェクトはジオン公国公王デギン・ソド・ザビによって裁可された[1]。
ジオン公国に不利な戦況を覆すべく、地上基地からミノフスキークラフトを用いて(防空ミサイル等の攻撃の及ばない)成層圏まで上昇し、その後地球連邦軍の本部ジャブロー上空に降下、強力なメガ粒子砲で奇襲攻撃を掛けるという、ギニアス・サハリンの妄想ともとれる壮大な計画であった[2]。
このことは地球連邦軍も、中破したアプサラスIIを回収してそのデータを元にしたシミュレーションの結果から把握しており、もしこれが実行された場合、地球連邦軍は宇宙や地球上では止めることが出来ずジャブローは火の海になるであろうという結論が出された。
テストパイロットを務めたアイナ・サハリンには『鉄の子宮』と揶揄された。
- バリエーション
- アプサラスI
- アプサラスII
- アプサラスIII
- アプサラスIIIブースターユニット装備型(パーフェクトアプサラス)
- アプサラス0
アプサラスI及びアプサラスII
アプサラスI(アプサラスワン、APSALUS I, APSALUS ONE)及びアプサラスII(アプサラスツー、APSALUS II, APSALUS TWO)は、アプサラス型の実験機で、テストパイロットはアイナ・サハリン。半球状の胴体の上部にザクIIの頭部を設置している。中央にメガ粒子砲口、前後4箇所に降着脚が収納され、球体下部に一回り小さい半球部分がある。1号機アプサラスIは主にミノフスキークラフトの実験機で、その後、メガ粒子砲をとりつけた2号機をアプサラスIIと呼ぶ。
アプサラスIは、機体中央に取り付けられる予定のメガ粒子砲口に赤いカバーがかけられ、武装が存在しない。劇中で予期せず戦闘を行った際には、ミノフスキークラフトの出力を瞬間的に上げ、その際に生じる衝撃波を攻撃手段としていた。アプサラスIIは、強大な威力を持つメガ粒子砲が装備された。
- 劇中での活躍
- アプサラスIは第4話に登場する。ドップ2機と共に試験飛行中、シロー・アマダの指揮する第08MS小隊と遭遇した。テストパイロットのアイナは、被弾したノリス大佐のドップを掩護すべく戦闘に介入。ミノフスキークラフトの衝撃波攻撃で08小隊を圧倒し、ノリスが離脱する時間を稼いだ。陸戦型ガンダムの180㎜キャノン砲2発が直撃しても何の影響もなかったが、ビーム・サーベルと100㎜マシンガンの攻撃で損傷している。
- アプサラスIIは第6話に登場する。テスト飛行中、第08MS小隊の仕掛けた罠に落ちる。メガ粒子砲の絶大な破壊力で罠をうちやぶるが、シローの操縦する陸戦型ガンダムに取り付かれ、至近距離からバルカン砲で攻撃された。この時に受けたダメージにより推進器系が暴走、アプサラスに取り付いたシローの搭乗する陸戦型ガンダムと共に雪山へ遭難してしまう。その後に機密保持のため自爆している。
アプサラスIII
アプサラスIII(アプサラススリー、APSALUS III, APSALUS THREE)は、アプサラス型の完成型として製作され、パイロットは引き続きアイナが務めた(ただしギニアスも同乗している)。戦局の悪化、および実験機であるアプサラスIIが失われたせいもあり、完成時期が遅れ正式な量産は認可されていない。
実験機であったアプサラスI及びIIでは、ミノフスキークラフトに大電力が必要であったが、ジェネレータの発電能力が足らず、出力が不安定であった。それに加えて、アプサラスIIIではミノフスキークラフトを2基装備させる予定であったため、より多量の電力を供給するためにリック・ドムのジェネレータ3基分を本機に搭載、解決を見る事となる[3]。
横長の巨大な楕円型の機体に、下部には球状の構造物(ミノフスキークラフト)が左右に2基、中心に実験機と同じようにメガ粒子砲と、その上にザクIIの頭部がある。通常は浮遊して移動するが、位置を固定する際には球状の構造物を途中に付けた、細長い足のような降着脚を2本、補助として後方にもう1本伸ばし、先端を接地させる。
なお、アプサラスIII下部にブースターユニットを装着し、成層圏まで上昇させる案も存在していた(パーフェクトアプサラス)。また、アプサラスIIIを構成するモジュールには、ALI AladdinIV、AMD-K6+、BSD、Cyrix6x86MX、DirectX SDKなどの名称が付けられている[4]。
- 劇中での活躍
- ギニアス率いる部隊がアプサラス開発に用いた極秘工場の所在が地球連邦軍側に発覚。基地防衛のためグフフライトタイプ2機を護衛に伴い山頂から飛び立つ。強大な破壊力のメガ粒子砲を放ち、基地周辺に展開していた連邦軍地上兵器群を一瞬で一掃した他、山ひとつを吹き飛ばしている。しかしこの攻撃はジオン側(アイナ)が申し込んだ休戦協定をジオン側(ギニアス)が破って行ったものであり、密かに連邦軍が展開させていたジム・スナイパーの即座の報復攻撃により降着脚とミノフスキークラフトを撃ち抜かれて航行不能となり、ジャブロー攻略の夢はあっけなく断たれた。その後、ジム・スナイパーを撃墜。最大出力でメガ粒子砲を発射して、後方にいた本隊のビッグ・トレーを粉砕しようと試みた。だが発射する直前にシローとアイナが乗るガンダムEz8に頭部下のコックピットを叩き潰されて撃破されるも、僅かな差でメガ粒子砲の発射スイッチを押していたらしく、コクピット破壊と同時にメガ粒子砲を発射した。最後の攻撃で、巨大な山の向こう側に位置していたビッグ・トレーのブリッジを山ごと破壊している(山は中央部を完全に消滅させていた)。
アプサラス0
アプサラス0(アプサラスゼロ、APSALUS 0, APSALUS ZERO)は、漫画『機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α』に登場する実験機で、大気圏突入のデータ収集用の機体である。
胴体の上部にザクIIの上半身(デザインはアニメ版のMS-06RD-4 宇宙用高機動試験型ザクと同一)があり、胴体下部にミノフスキークラフトを搭載した半球部分がある。ザクIIの上半身部分はミノフスキークラフト部のトラブルがあっても運用データを回収する為の脱出装置として働く。
- 劇中での活躍
- アニメ原作における宇宙用高機動試験型ザクに近い役回りとなっている。HLVで大気圏離脱後に再突入しデータ収集する予定だったが、連邦軍のコバイユ部隊と遭遇しミノフスキークラフト部にダメージを受けたため、再突入できないままザクIIの上半身部分で脱出。コバイユ部隊のジムやシロー・アマダのボールと交戦したが、大破し爆砕した。
脚注
関連項目
テンプレート:宇宙世紀- ↑ 『第08MS小隊』第4話。パーティー中のギニアスの発言より。
- ↑ 小説版では、ギニアスの最終目標をジャブロー攻略ではなく「メガ粒子砲の拡散射撃」としている。ギニアスは少年時代に大量の宇宙放射線を被曝し、病身となった。この時ギニアスの網膜に宇宙放射線が「光のシャワー」として焼きつき、ギニアスはこの光景を現実空間に再現するために、拡散メガ粒子砲のプラットフォームとしてアプサラスを開発したという。ジャブロー攻撃計画は、予算と資材を確保するための方便であった。
- ↑ 機動戦士ガンダム第08MS小隊WEB、「MS-ジオン軍編-アプサラスIII」
- ↑ ギニアスの背後に写るディスプレイには、ALI Aladdin IV+、AMD-K6 3D+(AMD K6-2シリーズをもじったもの)、BSD/863(BSD/386をもじったもの)、Cyrix 6x86MX、DDC-1、DDC-2AB、DirectX SDK、Enhanced 46D4、Fast ATA-2、GMSK、?PIB(恐らくGPIB)などが表示されている。