アニス
テンプレート:生物分類表 アニス (anise, Pimpinella anisum) はセリ科の一年草。原産地はギリシア、エジプトといった地中海東部地域である。開花期には花茎が伸びて高さ50cmほどの高さにまで成長する。種のように見える果実をアニス果(別名アニシード aniseed)と呼び、香辛料として用いる。トウシキミの実(八角・スターアニス)やフェンネルシード(ウイキョウ)と似た甘い香りがある。西洋茴香(セイヨウウイキョウ)と表示されることもある。
イギリスでは1305年に課税の対象となった。集まった税金はロンドン橋の修理のための資金となった。
イーストン聖書辞典(1897年)によると、新約聖書の「マタイによる福音書」23章23節に出てくる「アニス」は、現在ではイノンドと呼ばれる植物を指している。
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ケーキやクッキーなどの菓子類やパン、アブサンやウーゾやイエーガーマイスターなどのリキュールの他、カレーや魚介類、鶏などの料理、クリームスープ、ソースにも使用される。時には息の香りを良くするためや、消化剤としてや、咳や頭痛を鎮めるためにも用いられる。
果実は長さ5mm程度で2つに結合した心皮からなる双懸果であり、強い芳香を持つ。地上に出ている部分は若いうちは野菜として食用にされる。茎はセロリと食感が似ており、香りはアニシードよりもずっと弱い。
アニスは古代ギリシアの時代には主として薬草として扱われ、母乳の分泌を促進する、あるいは分泌期間を延ばすものと信じられてきた。また、魔よけとしての効能も持つと信じられてきた。ローマ人は胃のもたれを解消するため、アニスケーキを食した。他にも、健胃剤、駆虫剤、去痰剤、歯磨き粉の成分として使われてきた。
果実を水蒸気蒸留することで、揮発性のアニス油が得られ、香料として使うほか、少量を腹の張りや子供の疝痛(発作性の腹痛)の治療薬として使うことがある。アニス油は沸点210℃の黄色の液体で、成分は90%程度がアネトールである。他にカビコール、アニスアルデヒド、アニス酸、テルペンなどを含む。
シキミ科の八角(スターアニス)も同じアネトールを含むが、アニスと植物学上の類縁関係にはない。八角はアニスと似た味と香りを持ち、より安価であるため、アニスの代用品として使用されることがある。
ギャラリー
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果実、アニス果(アニシード)
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アニスの精油
- Anis-fleur.jpg
花
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アニス酒の一種、フランスのパスティス