オオハマボウ
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オオハマボウ(大浜朴、学名:Hibiscus tiliaceus)は、アオイ科の常緑高木。別名はユウナ(右納、沖縄や奄美地方の呼び名)、ヤマアサ。また、ハワイでは「ハウ」と呼ばれる。
和名の由来は、ハマボウに似て、花も葉も一回り大きいことから。
特徴
高さ4-12mになる常緑の小高木。枝はよく分岐して、樹皮は繊維質になる。
葉は円心形、心脚で先端はわずかに尖る。葉の長さは10-15cm、表面は緑色で無毛、光沢があり、裏面は短い星状毛を密生して灰白色。
丸っこい花をつけ、花色は黄色、オレンジ色などがある。葉はハート形で、基部の両側が重なって、ほとんど円形に近くなる。
自生状態では、海岸に多く、砂浜の後ろ側やマングローブの後縁に群落を作る。その足下にはイボタクサギなどを伴うことが多い。朝と昼で花の色が変わる。街路樹や公園に植えられることも多い。密に葉をつけたこんもりした樹形になる。
分布と生育環境
日本では、種子島、屋久島以南、琉球列島各島に分布、国外では、それ以南の亜熱帯~熱帯地域に分布する。
利用
葉が大きく、香りもよいため、中国福建省、広東省、台湾などで餡入り団子を蒸す時の敷物として用いられる。また、咳止めや腫れ止めの民間薬としても利用された。古くは包装用や皿としても用いられた。
樹皮は繊維に富むため、これを加工してロープや魚網などの原料とした。また、材からは水中めがねも作られた。
根は煎じて解熱剤とする。
参考文献
- 初島住彦『琉球植物誌(追加・訂正版)』,(1975),沖縄生物教育研究会
- 天野鉄夫、『琉球列島有用樹木誌』、(1982)、琉球列島有用樹木誌刊行会