ISO 9660
テンプレート:Infobox filesystem ISO 9660:1988は、1988年に ISO で標準化された CD-ROM のファイルシステムである。テンプレート:仮リンク(High Sierra Format, HSF) が元になっている。Ecma International の ECMA-119 に対応する。JIS では JIS X 0606 に対応する。ISO 9660 に準拠することで、様々なオペレーティングシステムで同じ CD-ROM を読み込むことができる。
ファイル名に制限が多かったため、後に様々な拡張フォーマットが登場した。
もともとは CD-ROM 用であるが、DVD や BD でも用いられることがある。
目次
水準
- ISO 9660 Level 1:
- ISO 9660 Level 2:
- ファイル名は拡張子の前の “.” を含めて31文字(拡張子は必須)+ “;” + 1から32767までのバージョン番号
- ディレクトリ名は31文字まで
- ISO 9660 Level 3:
- フラグメントの許可
ISO/IEC 9660:1999
ISO/IEC 9660:1999 は、ISO 9660の最新規格である。JIS では、ISOより先に JIS X 0606:1998 として取り入れられている。
次のような特徴がある。
- ファイル名、ディレクトリ名は207文字まで
- 拡張子の必要性が無い(ファイル名に “.” を含める必要が無い)
- バージョン番号の必要性が無い
- 8階層までというディレクトリの階層の制限を取り払って無制限になった
拡張規格
El Torito
El Torito は、1995年に IBM とテンプレート:仮リンクが提唱した規格である。CD-ROM 上からのブートがサポートされている。
El Toritoの名は、日本でもつくば市・東京都などで展開しているココス系列のメキシカンレストランテンプレート:仮リンクから取られている。
Rock Ridge
Rock Ridge (ロックリッジ)は、IEEE によって IEEE P1282 として制定された ISO 9660 の拡張規格である。おもに UNIX 系 オペレーティングシステム で利用される。
次の機能をサポートしている。
- UNIX 式のアクセス権の設定(ISO 9660でも拡張属性レコードにPOSIXパーミッションがあるが、レコードは列挙に対し非効率的に配置される)
- シンボリックリンク
- デバイスファイル
- 大文字・小文字の区別
- 最大255文字のファイル名
- 8階層以上(ISO 9660 の仕様)のディレクトリの作成(ISO 9660上ではルート直下にRR_MOVEDまたは.rr_movedディレクトリとして配置される)
ISO 9660 と上位互換であり、Rock Ridge を利用できないシステムでも ISO 9660 Level 1 として読み込めるようになっている。
Joliet
Joliet (ジョリエット)は、マイクロソフトが設計した ISO 9660 の拡張規格である。
次の機能をサポートしている。
- UCS-2 の利用
- 最大64文字までのファイル名
- 8階層以上(ISO 9660 の仕様)のディレクトリの作成
ISO 9660 と上位互換であり、Joliet を利用できないシステムでも ISO 9660 Level 1 として読み込めるようになっている。Windows 95 から現在に至るまでの Microsoft Windows やその他のオペレーティングシステムでもサポートされている。UCS-2 の利用により、仮名や漢字、アラビア文字なども使用することができる。
Apple ISO9660 Extensions
Apple ISO9660 Extensions は、アップルが ISO 9660 を拡張するために設計されたいくつかの規格である。CD-ROM 上でのHFS (HFS+) を利用出来るように設計されてあるものもあり、HFS のメリットを利用することができる。
ほぼ Mac OS および Mac OS X 専用の拡張規格であり、利用できないシステムでは ISO 9660 Level 2 として読み込めるようになっている。
Romeo
Romeo は、Adaptecが設計した ISO 9660 の拡張規格である。
次の機能をサポートしている。
- 最大128文字までのファイル名
ISO 9660 のディスクフォーマットを拡張しており、ISO 9660 との互換性は無い。
規格の逸脱
他の拡張規格のように規格化されたものではないが、多くのOSの実装において多少の規格違反は許容されており、それを逆手に取った意図的な規格違反をすることでISO 9660の厳しい制限を回避することができる。しかし互換性は下がることになる。
以下のようなものが存在する。
- ファイル名にd1文字以外の使用
- ファイル名に複数の“.”の使用
- ファイル名に“.”の非使用
- 9660:1999では規格合致。
- 8階層を超えるディレクトリ
- 9660:1999では規格合致。
- “;”およびバージョン番号の省略
- 9660:1999では規格合致。多くのOSでは“;”とバージョン番号はユーザーから見えないようになっているが、それらを隠してくれない環境では有用となる。
- ファイル名に37文字までの使用
- “;”とバージョン番号用の領域をファイル名に使用する。必然的にバージョン番号は省略される。
- (Joliet拡張)110文字までのファイル名の使用。
- ディスクフォーマット上はファイル名に使用できる領域は64文字分より大きく確保可能である。[1]
OS の ISO 9660 サポート
関連項目
脚注
外部リンク
- Joliet Specification (Joliet の仕様)
- Information technology - Volume and file structure of CD-ROM for information interchange (ISO/IEC 9660:1999の仕様)