自主憲法論

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自主憲法論じしゅけんぽうろん)とは、日本国憲法を無効もしくは、成立過程において不備があったために、日本独自で新しく憲法論議をし、新憲法を制定(前憲法破棄)しようとする考え方。

復古的改憲論と同様のものであることがほとんどである。日本国憲法第9条にある戦力交戦権否定条項の廃止または修正が主眼とされ、また人権絶対保障の否定と非常時の人権制限である国家緊急権の制定、国民の義務に関する条項の追加(具体的には勤労、納税、子弟への普通教育に加えて国防への参加)、天皇元首性の明記、伝統尊重条項の追加などを盛り込んだ内容であることが多い。

憲法無効論に立ち、自主憲法論を避けると八月革命説を用いなくてはならなくなるとも言われる(記事八月革命説参照)。

政治運動

講和後まもなく自由党鳩山一郎岸信介らによって主張され、自由民主党結党時に綱領として掲げられた。自民党による自主憲法制定論は日本国憲法の改正手続きに則った憲法改正論であり、護憲勢力が衆議院の1/3以上を確保したことにより挫折した。なお、当時の参議院は政党に属さない保守系議員が多くを占めていた。鳩山は衆議院の2/3を確保することを目的の一つとして小選挙区制導入を図るが、これも失敗する。

2010年代に入ってからはたちあがれ日本(のち「日本維新の会」が吸収)や「新しい憲法をつくる国民大会」「『21世紀の日本と憲法』有識者懇談会」など保守系・復古派の政党・政治団体などによっても主張される。また生長の家など保守系宗教団体による支持もある。

関連項目