江國滋
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江國 滋(えくに しげる、1934年8月14日 - 1997年8月10日)は、東京出身の演芸評論家、エッセイスト、俳人。俳号は滋酔郎。
来歴・人物
慶應義塾大学法学部政治学科卒。新潮社に入社、『週刊新潮』の編集部にいたが、1966年に退社。安藤鶴夫が企画した雑誌『寄席fan』の編集にたずさわるが、3号で廃刊。以降、文筆業に専念。
初の単行本『落語手帖』以来、初期は演芸評論を主に行う。その後、随筆や紀行文を書くようになる。
1969年に小沢昭一、永六輔らと共に、東京やなぎ句会を発足。俳人としては、俳諧味に溢れた軽妙な作風で知られ、殊に挨拶句の名手として知られた。また長年日本経済新聞の投句欄「日経俳壇」の選者を務めた。俳句に関しては独学に近く特定の師を持たなかったが、鷹羽狩行とは親交が深く添削なども受けていた。
1989年の『日本語八つ当たり』で小林よしのりの漫画「おぼっちゃまくん」の「茶魔語」を批判的に書き、小林とテレビ番組で対決したことが「ゴーマニズム宣言」の前身「おこっちゃまくん」(第1巻に収録)に書かれている。
アマチュアのマジシャンとしても有名で、ナポレオンズに「江國さんのカードマジックは話術まで入れたら世界一だ」と誉められたことを大変喜んでいた。
FM東京(現 TOKYO FM)の番組『FM モーニング東京』の書評コーナー「江國滋の読書の散歩道」などでも知られる。将棋も趣味であり、「将棋ペンクラブ大賞」の選考委員を死去するまで務めていた。
1997年春に食道癌と診断され、手術を受けたが、この手術の合併症により、同年8月10日に死去。享年62。闘病中の句集『癌め』及び俳句日記『おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒』が没後に出版される。
著作リスト
- 落語手帖(1961年)普通社 のち旺文社文庫、ちくま文庫
- 落語美学(1965年)東京書房 同、同
- 落語無学(1969年)東京書房 同
- 絵本・落語風土記 (1970年)青蛙房 のち河出文庫
- 現代たれんと気質、三一書房、1970
- 人間山脈 藝術生活社、1972 「絵のない似顔絵」旺文社文庫
- 阿呆旅行、新潮社、1973 のち文庫
- 東京探検 (1973年)藝術生活社
- 語録・編集鬼たち 産業能率短期大出版部 1973 「鬼たちの勲章」旺文社文庫
- 遊び本位 北洋社 1974 のち旺文社文庫
- 男女驚学 徳間書店 1976 のち旺文社文庫
- にっちもさっちも 朝日新聞社 1978 のち文庫
- 落語への招待 朝日新聞社・選書 1978 のち文庫
- 読書日記 正続 朝日新聞社 1979-81
- 杖の夢 朝日新聞社 1981
- 江国滋の「話がご馳走」 講談社 1981
- 旅はプリズム (1982年)朝日新聞社
- アメリカ阿呆旅行わん・つう・すりー 文藝春秋 1983 のち文庫
- 俳句とあそぶ法 朝日新聞社 1984 のち文庫
- 旅はパレット 新潮社 1984
- トラキチ男泣き日記 (1985年)文藝春秋
- 神の御意 - 滋酔郎句集(1986年)永田書房
- 江国滋俳句館 朝日新聞社 1986 「滋酔郎俳句館」文庫
- スペイン絵日記 (1986年)新潮社
- 旅ゆけば俳句 日本交通公社出版事業局 1986 のち新潮文庫
- 俳句旅行のすすめ 朝日新聞社 1988 のち文庫
- にんげんスケッチブック 毎日新聞社 1988
- きまぐれ歳時記 朝日新聞社 1989
- 季のない季寄せ 富士見書房 1989
- 日本語八ツ当り (1989年)新潮社、のち文庫
- 旅券は俳句 新潮社 1990
- 伯林感傷旅行 旅券は俳句 新潮社 1991
- 慶弔俳句日録 新潮社 1992
- 英国こんなとき旅日記 新潮社 1992
- 寝るには早すぎる 実業之日本社 1992
- 書斎の寝椅子 正続 岩波書店 1993-96
- スイス吟行 新潮社 1993
- 名画とあそぶ法 朝日新聞社 1993
- 微苦笑俳句コレクション 正続 実業之日本社 1994-95
- 挨拶がいっぱい 慶弔俳句日録'92~'93 新潮社 1994
- ラプソディー・イン・アメリカ 新潮社 1994
- 慶弔俳句日録 1994~95 新潮社 1996
- イタリアよいとこ 新潮社 1996
- あそびましょ 新しい芸能研究室 1996
- きょうという日は 江國滋の絵ごよみ 春夏秋冬 美術年鑑社 1997
- 癌め (1997年)富士見書房、のち角川文庫
- おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒 江國滋闘病日記 新潮社(1997年)のち文庫