東京高等裁判所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
概説
東京高等裁判所は、下級裁判所のひとつであり、主に管轄区域に属する各地方裁判所、家庭裁判所からの上訴事件を取扱う。地方裁判所が第一審の場合には、東京高等裁判所での審理は控訴審となり、簡易裁判所が第一審の場合で、地方裁判所が控訴審を行った場合には、それに続く上告審となる。その他特殊な類型においては、第一審の裁判所としての管轄権も有する。
東京高等裁判所の特別な支部として、知的財産高等裁判所が設置されているが、それ以外に支部は存在しない。
東京高等裁判所の長は、東京高等裁判所長官であり、同職は認証官である(補職は、最高裁判所)。
東京高等裁判所は現在、24の民事部と、12の刑事部を擁している。
所在地
庁舎
庁舎は東京地方裁判所・東京簡易裁判所(刑事)との地上19階・地下3階建ての合同庁舎になっており、本庁だけでなく知的財産高等裁判所も入っている。
北側に法務省旧本館(中央合同庁舎第6号館赤レンガ棟)が、東側(裏側)に東京地方検察庁交通部・東京区検察庁・公正取引委員会が入っている中央合同庁舎第6号館B棟と、東京家庭裁判所・東京簡易裁判所(民事)が入っている中央合同庁舎第6号館C棟、弁護士会館が、それぞれ隣接している。また、道路を挟んで、西側に国家公安委員会・警察庁・総務省・国土交通省などが入っている中央合同庁舎第2号館・第3号館がある。
国内の裁判所庁舎で、常時玄関に金属探知機が設置されているのは、当高裁と札幌高裁のみである。裁判所職員・検察庁職員・法務省職員・弁護士以外の一般人は、そこで手荷物検査を受けないと中に入れない。
歴史
- 1875年 - 東京上等裁判所が設置される。
- 1882年 - 東京控訴裁判所に改称。
- 1886年 - 東京控訴院に改称。
- 1947年 - 裁判所法の施行により、東京高等裁判所に改称される。
- 2005年 - 特別の支部として、知的財産高等裁判所が設置される。
歴代長官
任期の後に記したものは後職。
- 矢口洪一(京大卒、1982年11月 - 1984年2月、最高裁判所判事、11代最高裁判所長官)
- 大内恒夫(東大卒、1984年2月 - 1985年11月、最高裁判所判事)
- 四ツ谷巖(東大卒、1985年11月 - 1987年1月、最高裁判所判事
- 杉山克彦(東大卒、1987年1月 - 1988年2月、定年退官)
- 草場良八(東大卒、1988年2月 - 1989年11月、最高裁判所判事、12代最高裁判所長官)
- 大西勝也(東大卒、1989年11月 - 1991年5月、最高裁判所判事)
- 三好達(東大卒、1991年5月 - 1992年3月、最高裁判所判事、13代最高裁判所長官)
- 石田穣一(東大卒、1992年3月 - 1993年3月、定年退官)
- 栗原平八郎(京大卒、1993年3月 - 1994年3月、定年退官)
- 川嵜義徳(京大卒、1994年3月 - 1996年11月、定年退官)
- 金谷利廣(京大卒、1996年11月 - 1997年10月、最高裁判所判事)
- 桜井文夫(東大卒、1997年10月 - 1999年4月、定年退官)
- 町田顕(東大卒、1999年4月 - 2000年3月、最高裁判所判事、15代最高裁判所長官)
- 泉徳治(京大卒、2000年3月 - 2002年11月、最高裁判所判事)
- 今井功(京大卒、2002年11月 - 2004年12月、最高裁判所判事)
- 仁田陸郎(東大卒、2004年12月 - 2007年2月、定年退官)
- 竹崎博允 (東大卒、2007年2月 - 2008年11月、17代最高裁判所長官)
- 白木勇(東大卒、2008年11月 - 2010年1月、最高裁判所判事)
- 安倍嘉人(東大卒、2010年1月 - 2011年4月27日、定年退官)
- 富越和厚(東大卒、2011年5月10日 - 2012年3月23日、公害等調整委員会委員長)
- 吉戒修一(九州大卒、2012年3月27日 - 2013年7月6日、定年退官)
- 山崎敏充(東大卒、2013年7月8日 - 2014年3月31日、最高裁判所判事)
- 小池裕(東大卒、2014年4月1日 - )