明治国際医療大学

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox 明治国際医療大学(めいじこくさいいりょうだいがく、テンプレート:Lang-en)は、京都府南丹市日吉町保野田に本部を置く日本私立大学である。1983年に設置された。

2007年度まで校名を明治鍼灸大学(めいじしんきゅうだいがく、英称:Meiji University of Oriental Medicine)と称しており、2008年4月1日より現校名に改称した。姉妹校として明治東洋医学院専門学校が存在する。

概要

鍼灸を教育する日本初の4年制大学であり、大学院を設置したのも最初である。また、本格的な附属病院を併設する唯一の鍼灸大学でもある。現在は、はり師およびきゅう師の資格取得が可能な鍼灸学部に加えて、柔道整復師の取得が可能な保健医療学部(2004年設立)、および看護師の取得が可能な看護学部(2006年設立)が併設されており、多角化されつつある。

地元京都のKBS京都など各局では、「医療は嘘をつかない。あなたにも、私にも」と言うキャッチコピーの、同学のイメージCMが放映されている。

教育内容

鍼灸学部における教育内容は、主に基礎医学、現代医学東洋医学の3分野に大別される。基礎医学および現代医学は、時間数こそ少ないものの医学部教育に準じたカリキュラムが実施されている。学術提携を行っている京都府立医科大学から赴任した教員が多く、現代医学で得られた新しい科学的知見が網羅的に教育されている。

東洋医学に関しては、1)鍼灸の科学的な作用メカニズム仮説、2)伝統的な東洋医学理論、3)臨床で用いる多様な治療手法および理論について学ぶ。

1)鍼灸の科学的な作用メカニズムは完全に解明されたわけではなく、現在、多くの科学的研究に基づく仮説が提唱されている。70年代以降、針麻酔鍼鎮痛)として欧米で研究された神経生理学(ゲートコントロール仮説・中枢性の内因性鎮痛機構など)を土台に、鍼灸が作用する自由神経終末が侵襲的かつ複合的な入力を受け持つとするポリモーダル仮説、軸索反射あるいは体表内臓反射など神経の反射機構を介する作用仮説など、種々の仮説についての授業が行われている。さらに、分子生物学や脳機能イメージングによる鍼灸作用機序に関する最新の研究まで、幅広く研究成果が紹介されている。

2)伝統的な東洋医学理論では、陰陽五行思想に始まる中国の古典思想と代表的な古典文献、文化大革命後に中国で再編された現代中医学、日本発の流派である経絡治療などを網羅的に学習する(注:この網羅的学習については、教員および卒業生の間でも賛否両論がある。「東洋医学の全体像を俯瞰させ、自らの意志で専門分野を選び、広い視野と幅広い見識を持った医療人を育成するべき」という意見と、「一つの治療技術(例えば中医学)に深く習熟した東洋医学の専門家を育成すべき」という意見があり、双方に言い分がある。現時点でのカリキュラム作成には前者の考え方が強く反映されていると思われる)。

ゆえに、単一の手法に固執せず、3)臨床で用いる多様な治療手法および理論、について学ぶことになる。

臨床で使用される治療法には「現代医学的鍼灸治療」「現代中医学あるいは古典をベースとした鍼灸治療」の2つが存在する。

「現代医学的鍼灸治療」とは、解剖学・神経生理学・整形外科学などの現代医学的・科学的な知識の上に形成された治療法で、主として筋や神経に起因する症状に対して使用される。全日本鍼灸学会のアンケート調査では、来院する患者の約9割が筋や神経系に起因する症状(腰痛・肩痛・筋筋膜性頭痛など)である。さらに、整形外科疾患を中心に、「根拠に基づいた医療」の土台となる臨床研究で明確な効果が得られたとする結果が多い。このため「現代医学的鍼灸治療」は一般社会の鍼灸治療のニーズに応える確実性の高い手法と言えるが、内科系疾患には適用できないという制限がある。

一方、「現代中医学あるいは古典をベースとした鍼灸治療」は、内科系疾患に対するアプローチも可能であり、一部の疾患では有用性が認められつつあるが、「根拠に基づいた医療」であることを科学的に明示するためには、論理的にハードルが高い。

授業では、それぞれの治療手法の利点と制限が詳しく紹介され、それぞれの治療法の実技指導がなされている。このように、当大学の基本的な鍼灸学教育は、現代医学、古典的あるいは伝統的、中医学的など複数の教育が混在している。言い方を変えれば、それぞれの水準は、大学教育における訓練のみで、直ちに臨床で通用するほど実践的ではないものの、十分に網羅的な教育内容であるといえ、学生自らが研鑽し、専門とする治療法や理論を選択するための土台を提供するものとなっていると言えよう。

学生の自主性や主体性を重んじるスタイルは、国家試験の合格率にも影響を及ぼした。鍼灸の専門学校では、「身につけるまで、教え込む」という強制性を含んだ即戦力教育を特色とする機関が多いのに対して、大学は「情報を全て提供して、自ら将来を選択する視野と与える」という色合いが強い。そのためか、一時は国家試験の合格率が落ち込むという事態となった。ただし近年では、若手教員を中心に国家試験専門のプロジェクトチームが結成され、一部に強制力のある対策を行うことで、一定の成果を上げている。

また、鍼灸学科3学年修了時に鍼灸師(はり師・きゅう師)の国家試験受験資格が与えられ国家試験を受験できるという大きな特徴があり、4学年次は有資格者として授業や実習に臨む。この制度は他の鍼灸大学にはみられないものであり、大学設置者の先進性と意気込みが伺える。

研究領域では、日本の科学的な鍼灸学研究を主導する立場にある。加えて、鍼灸の大学院修了者(修士博士)を輩出する唯一の機関でもあり、日本全国の鍼灸系教育機関において、この大学の卒業生が教員として活躍し、業界をリードし続けている。一方、鍼灸学研究で世界的に通用する英語論文の数は未だ多くない。このため、英語論文数を増やす積極的な取り組みが試みられ、着実に論文数が増加しつつあり、今後の更なる発展が期待される。 最近では、臨床研究の重要性がクローズアップされつつあり、大学院修士課程に臨床専門のコースが開設された。これを2類と称し、併設する附属病院で臨床研修と臨床研究を行う。一方、基礎医学的な研究コースを1類としている。

沿革

学部・学科

大学院

  • 鍼灸学研究科
    • 鍼灸学専攻
      • 東洋医学基礎
      • 鍼灸基礎医学
        • I.形態学系領域
        • II.機能学系領域
        • III.免疫・生化学系領域
      • 鍼灸臨床医学
        • I.臨床鍼灸医学系領域
        • II.健康鍼灸医学系領域
        • III.老年鍼灸医学系領域

附属施設

外部リンク

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