国鉄タキ7750形貨車
国鉄タキ7750形貨車(こくてつタキ7750がたかしゃ)は、1967年(昭和42年)に登場した日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍したタンク車である。
概要
タキ7750形は、1967年(昭和42年)から1993年(平成5年)にかけて総数289両(タキ7750 - タキ7799、タキ17750 - タキ17799、タキ27750 - タキ27799、タキ37750 - タキ37799、タキ47750 - タキ47799、タキ57750 - タキ57788)が日立製作所、富士重工業、日本車輌製造、川崎車輛、三菱重工業にて製造された、35t積のカセイソーダ液・カセイカリ専用の私有貨車(タンク車)である。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「侵81」(侵食性の物質、腐食性物質、危険性度合2(中))が標記された。
タキ4100形 (初代)[1]・タキ4200形に次ぐ35t積カセイソーダ液・カセイカリ液専用車であり、タキ7750形は軽量化・保安度向上がなされた形式である。
構造
タンク体はドームレスの直円筒型、荷役方式はS字管を用いた圧縮空気による上入れ・上出し式である。内部には純度保持のためゴムライニングが施され、外周には保温のため厚さ50mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製の外板(キセ)が設置されている。
1967年(昭和42年)から1976年(昭和51年)にかけて製作されたタキ7750 - タキ47791は車両により、側梁があるものとないものが存在する。1976年(昭和51年)以降に製作されたタキ47792以降は保安対策車として製作され、タンク空容積が7%以上増加し、大型化したため、タンク長が延長されている。
台車はタキ7750 - タキ37767は当初、平軸受・板バネ式のベッテンドルフ台車TR41Cであったが、後にコイルバネ式のTR41DSに改造されている。タキ37768 - タキ47767は平軸受・コイルバネ式のTR41E、タキ47768 - タキ57772はコロ軸受・コイルバネ式のTR225、タキ57773以降は改良型のTR213Cである。
現況
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化に際しては日本貨物鉄道(JR貨物)に267両が継承され、JR化後も1993年(平成5年)まで製作されたが、老朽化やコンテナ化などによる輸送体系の変化により廃車が進み、2011年(平成23年)時点では24両が在籍する。
脚注
参考文献
- 鉄道公報
- ネコ・パブリッシング「プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑」レイルマガジン 1997年6月号増刊
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
関連項目
- ↑ 後にタキ4200形に改造され、形式消滅。なお、タキ4100形2代目は25t積の液化アンモニア専用車である。