ラリーX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ラリーX 』(ラリーエックス、RALLY X)とは、ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)のアクションゲーム1980年11月アーケードゲームとして発売され、翌年には難易度を調整した『ニューラリーX』が発売された。

青い車(マイカー)を操作し、追ってくる赤い車(レッドカー)やランダムに置かれた岩を避けながら、迷路状のステージ上にある旗(フラッグ)で示された10箇所のチェックポイントを通過するのが目的のアクションゲーム。 テンプレート:Infobox

ラリーX

基本ルール

  • 操作は4方向レバー+1ボタン。
  • 長方形の四方を壁に囲まれた迷路状(袋小路などもある)のステージに、10箇所のチェックポイントがランダムに配置されている。プレイヤーはマイカーを操作し、レッドカーや岩にぶつからないようにチェックポイントを通過する。10箇所全て通過するとそのラウンドはクリアとなって次のラウンドに進む。
  • ノーミスで連続してチェックポイントを通過するごとに100、200…と100点ずつ得点が上昇していく。また「スペシャルチェックポイント」(黄旗に赤字でS表記)が各面1箇所存在し、取るとこれ以降のチェックポイント通過得点が2倍になる。
  • 途中でミスしてしまうと倍率も元に戻り、点数も100点からに戻る。
  • ラウンドクリアをすると、その時点での燃料残量がボーナス得点となって加算される。
  • 画面左側には、マイカーやコースが表示されたゲーム画面、画面右には、マイカーの位置、フラッグの位置、レッドカーの位置のみが表示されたレーダーマップという2画面構成になっている。
  • マイカーは、基本的に攻撃方法は無く、レッドカーから逃げるしかないが、ボタンで煙幕(スモークスクリーン)を発生させ、レッドカーを一定時間足止めすることができる。ただし足止めされたレッドカーにも当たり判定は残っているため、使い方を誤ると逆に追い込まれることもある。
  • マイカーには燃料計があり時間経過とともに減少する。煙幕を発生させるとその分だけさらに減少する。燃料切れになってもミスにはならないが、スピードが劇的に落ちるので、レッドカーに追いつかれることが必至の状況に陥る。ラリーXでは自車がかなり高燃費であり、特にチャレンジングステージでは最速ルートでフラッグを取らないと途中で燃料が切れる可能性が極めて高い。
  • レッドカーは1面では3台、以降ラウンドが進むごとに1台ずつ最大8台まで増えていき(6台以上の場合は画面上部からも登場)、段々難易度が上がっていく。
  • コースは4種類あり、4、8、12面にコースが入れ替わる(以降16面から繰り返し)。
  • 4n-1面(これ以降のnは全て1以上の整数)はチャレンジステージになり、燃料切れになるまでレッドカーは動かないが、その代わりに岩の数が通常より多くなっている。
  • 得点が20000点に達すると、マイカーが1台追加される(初期設定)。

なお、「スペシャルチェックポイント」は後に「スペシャルフラッグ」として、ゼビウスをはじめ様々なゲームに登場。ナムコ作のゲームにおける隠れキャラの代表格となった。ただし、スペシャルフラッグはほとんどが「取るとプレイヤーキャラクターが1増える」という効果であり、本作のスペシャルチェックポイントの効果とは違っている。

スモークスクリーンも後に、『イシターの復活』に主人公カイの魔法として登場。一部の敵に対して、方向感覚を失わせて右往左往させる効果がある。

余談

  • 実際の自動車ラリーとの共通点は自動車を用いることと、チェックポイントを通過することのみである。マイカーはフォーミュラカーのような形状をしているが、一般的な自動車ラリーではフォーミュラカーは規定上使用不可である。
  • 迷路の角に擦りつけるようにゴリゴリと動かしていると、時折、外周に入っていってしまう事があり、そのまま走り続けていると、スコアが下の方から徐々におかしくなっていくこともある(ニューラリーXでも同様)。
  • アメリカでは『ギャラクシアン』に続き、ミッドウェイ(今のミッドウェイゲームズ)がライセンス生産を受けた。当初は、同時にライセンスを受けた『パックマン』より本作の方が売れると思われていた。
  • ボスコニアンとともにファミコン版で発売する予定だったが、ボスコニアンと同じ理由で分割スクロールを実現するのに手間取り、実現可能になった頃には販売時機を逸してしまったためお蔵入りとなった。
  • ファミリースタジアムに登場するナムコスターズの選手「らりいX」はこのゲーム名から使われている(このチームの選手は全てナムコのゲームキャラクターから使われている)。

移植版

ニューラリーX

『ラリーX』の難易度を調節した新しいバージョンとして、1981年昭和56年)に登場した。知名度も初代よりもこちらの方が高く、単に「ラリーX」といった場合は、たいていこの「ニューラリーX」を指すことが多いほどである。

ラリーXからの主な変更点

  • マイカー(自車)、レッドカー(敵車)のデザインが変更された。
  • BGMが変更され、非常に軽快な音楽となっている。またチャレンジングステージには、通常のステージと若干異なる専用の曲が用意された。
  • 一部の迷路の袋小路に抜け道を追加するなどをして脱出しやすくした。
  • レッドカーの数を減らし難易度低下
    • ラウンド1 - 1台
    • ラウンド2 - 2台
    • ラウンド4、5 - 3台
    • ラウンド6、8 - 4台
    • ラウンド9、10 - 5台 
    • ラウンド12以降の通常ラウンド(ラウンド14+4n除く) - 6台
    • ラウンド(14+4n)およびチャレンジング・ステージ(4n-1ラウンド) - 7台
  • ラッキーチェックポイント(黄旗に赤字でLの表記)の追加。自車が取るとその時点での燃料残量が得点に加算される。ただしラウンドの最後にこれを取っても2回得点加算されることはない。効果を得るには、燃料が残っていて1本以上他のチェックポイントが残っている状態で通過する必要がある。
  • スペシャルチェックポイントの位置がレーダー上で点滅する。
  • エクステンドが20000点と100000点の2回に(初期設定)。なお、これがアーケードゲーム初のダブルエクステンド制となる。
  • チャレンジング・ステージ開始前に岩、レッドカーの数が表示される。
  • 前作では劣悪だった(特にチャレンジングステージ)燃費が良くなっている。
  • 岩にコケが生えている。

移植版

関連作品

ラリーX・アレンジメント

1996年に同社より発売されたアーケードゲームナムコクラシックコレクションVol.2』内に収録。ニューラリーXをベースにグラフィックの向上など、さまざまな要素が追加された。ラリーX、ニューラリーXが2人プレイが交互なのに対し、本作は完全1人プレイであった。詳細はナムコクラシックコレクション#ラリーX・アレンジメントを参照。

リッジレーサーズ/レーサーズ2版

リッジレーサーズ/レーサーズ2に起動時のミニゲームとして登場。ルール等はニューラリーXと変わらないが、以下の変更点がある。

  • BGM、SEの音質変化。
  • レーダー表示方法の変更。
    • 自車が黄点滅になった。消灯時黒にしてスペシャルと区別。
  • 起動時にニューラリーXを始めるように設定して、起動時にミニゲームを始めると、ラウンド1のフラッグ配置パターンがいつも同じ。オプションから始めるとこれは起こらない。
  • かなり難しいデビルカーモードを追加。同時にデビルカーモード用の新コース追加。
    • デビルカーモードでは、敵車が黒い13thRacingを模したものになり、速度が速い。同時に、ラウンド10~13はかなり難しいコースを新コースとして使用。10・11Rは骨格をモチーフとしており、顔面に当たる部分には眼球が入る穴をモチーフとした進入不可能な正方形のエリアが2ヶ所あり、そこに各1台敵車が閉じこめられている。
  • ラウンド数の変更。
    • 通常モード - 全31ラウンド。デビルカーモードのラウンド数の1の位と10の位を逆転したもの。
    • デビルカーモード - 全13ラウンド。不吉な13の数字を使用。
小ネタ
  • 通常モード/デビルカーモード切り替え方法-↑(レーサーズ2は↓)+L+Rキー。
  • ラウンド選択方法-R、△、L、L、○、×の順に押す。(レーサーズ2はL+R+○+×+△+□キー。)キャスト画面で操作する。←→でラウンド選択可。

ラリーX REMIX

2007年12月6日発売のWii用ソフト『みんなで遊ぼう!ナムコカーニバル』に収録されたアレンジバージョン。見下ろしの横画面構成になっており、右下に透過式のレーダーが表示される。

  • 一定時間燃料が減らなくなる「FUELバースト」、一定時間レッドカーから見えなくなる「カメレオンペイント」といったアイテムが追加。
  • シングルプレイのマイカーにはパックマンが乗車。
  • マルチプレイでは画面が分割され(レーダーは非表示)、Miiが乗車する。

画面について

当時のブラウン管は、テレビ放映やパーソナルコンピュータでは横画面が使われていたが、アーケードテレビゲームはヒット作『ブロックくずし』『スペースインベーダー』でゲームの重要な要素を上下に配置した事から、ブラウン管を縦に使用、この影響で他のゲームも縦画面がほとんどだった。横画面のゲームには『ヘッドオン』などが存在したが、『ラリーX』も横画面の左にゲームフィールド、右にスコアやレーダーを配置したので、筐体は他のゲームと互換性がやや欠けていた。

そうした中で、当時珍しくなかったコピーゲームが『ラリーX』でも出回ると、他の汎用きょう体用の横画面にあわせ、縦画面の上にゲームフィールド、下にスコアやレーダーを配置したコピーゲームが登場した。文字表示は『ラリーX』のオリジナルに限らず、当時のほとんどのテレビゲームでは英数字の横書きだったが、この縦画面版は英数字を縦書きしている。文字をつなぐ記号のハイフン(-)も縦(|)になっているが、イコール(=)は横のままだった。その後縦画面版はMAMEでリリースされ、エミュレーター基板でも『GAME NEVER OVER』『HAPPY HOURS』などに収録され、現在でもその存在を確認することができる。

関連項目

外部リンク

テンプレート:ナムコット

テンプレート:Asbox