マスターカード
マスターカード(MasterCard Worldwide)は、クレジットカードの国際ブランド、またこれを運営するアメリカ合衆国の企業である。
目次
概要
マスターカードと同様のクレジットカードの国際ブランドであるVISAに比較して、ヨーロッパで強いと言われる。「Maestro PayPass」という非接触型決済方式のPOSオンラインデビットカードがヨーロッパおよび北アメリカ地域で拡大している。
キャッチフレーズとして「Priceless」を掲げており、全世界でこのフレーズを前面に出している。
歴史
- 1966年 - アメリカにてカード発行を行っていた銀行などにより、チェース・マンハッタン銀行を中心に地方銀行協会に属する Interbank Card Association が組織される。後に、独立してマスターチャージへと社名を変更。
- 1970年代 - マスターチャージからマスターカード・インターナショナルへと社名変更。
- 2002年7月2日 - ドイツ・フランクフルトでユーロ・カードと統合。
- 2006年6月28日 - マスターカード・インターナショナルからマスターカード・ワールドワイドへの社名変更を発表。
サービス
マスターカードのサービスは、マスターカードから権利を得た者が自身の会員に提供するものであり、マスターカードが直にサービスの提供を行うわけではない。マスターカードから権利を得た者が MasterCard ブランドのクレジットカードの発行や加盟店に関する業務を行っている。
クレジットカード
次のクレジットカードが発行されている。
- Standard MasterCard
- Gold MasterCard
- Titanium MasterCard
- Platinum MasterCard
- World MasterCard
MasterCard PayPass
テンプレート:Main 非接触決済サービスである。非接触ICカード通信方式である IEEE 14443 を採用している。
MasterCard SecureCode
インターネットによる決済をパスワードを入力する事で安全に行う事が出来るサービスである。
ギフトカード
予め一定の金額(500ドルから2500ドル)をチャージしておけるクレジットカードと同サイズのプラスチックカードで、それを無記名のまま譲渡することができる。譲渡された相手はそのカードでチャージしてある金額までショッピングに使えるもの。商品名は「MasterCard Gift」。
日本におけるマスターカード
沿革
- 1970年 - ダイヤモンドクレジット(DCカード、旧三菱銀行が母体、現在の三菱UFJニコス)が国際ブランドとしてマスターチャージブランドを採用したクレジットカードを発行。
- 1971年 - ミリオンカード・サービス(MCカード、旧東海銀行が母体、現在の三菱UFJニコス)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- 1972年 - ユニオンクレジット(UCカード、旧第一勧業銀行・富士銀行・三井銀行・太陽神戸銀行が母体、現在のユーシーカード)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- 1973年 - 日本信販(NICOS、現在の三菱UFJニコス)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- 1981年 - オリエントファイナンス(OFC、現在のオリエントコーポレーション)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- 1982年 - セントラルファイナンス(CF、現在のセディナ)がMasterCardブランドのカード発行を開始。
- (以後、各社でMasterCardブランドのカード発行が開始される。)
- 1989年 - DC、MC、UCおよびその親会社である第一勧業銀行、富士銀行、三菱銀行、東海銀行の提唱により、マスターカード・ジャパン(現在の日本マスターカード決済機構)が設立される。
- 1998年 - アコムがMasterCardブランドのカード発行を開始、消費者金融初の国際クレジットカード。
マイナーマスター問題
当初、日本で発行されていたクレジットカードに付けられていたMasterCardマークは、日本国外でも利用可能にするためのものであった。国内での使用はクレジットカードを発行した会社が契約している契約店舗で使用する前提であり、国内ではMasterCardとして使用できなかった[1](但し海外で発行されたカードはMasterCardとして使用できるようになっていた。)。一方、VISAは日本への導入が始まった当初から店頭にVISAマークがついている店舗では発行会社を問わず使用ができていた[2]。VISAはマークが掲示してあれば使えるのに対し、MasterCardはマークが掲示してあっても実際に決済できるのはその店と契約しているクレジットカード会社のみ、という状況が次第に混乱をきたし始める。
そこで、DC・MC・UCの各社間で相互に伝票をやり取りすることで決済を行うようになった。その後、この三社に加えて協同クレジットサービス、オムニカード協会、OFC、CF、ジャックス、ライフ、西武クレジット(現在のクレディセゾン)、日本クレジットサービス(現在のイオンクレジットサービス)が参加して、1989年3月にマスターカード・ジャパン(MCJ)を設立、MasterCardを付与したカードの各社間決済が可能となった。ただし、これはあくまでMCJへの加盟が前提となっており、立ち上げに不参加の日本信販、国内信販(現在の楽天カード及びKCカード)、ダイエーファイナンス(現在のセディナ)や、その後MasterCard Worldwide(MCW)へ直接加盟する形でクレジットカード事業へ新規参入した会社については決済が行えない不完全なものであった。例えば日本交通公社は、1989年5月にMCWからライセンスを付与され、JTBマスターカードを発行開始[3]しているが、1990年3月にMCJへ加盟するまで、日本国内での決済は事実上出来なかった[4]。
現在、MasterCardの決済は原則としてMCWのネットワークを通じて行われるようにシステムが切り替えられているため、カード自体の利用停止、あるいは磁気不良等の不具合が無い限り決済不能の事態は発生し得ないはずであるが、更新していない古いクレジットカード端末機やPOSが残っているため、MCJに加盟していなかったカード会社、あるいは稀に最初に相互決済を行った三社以外のMasterCardを認識できず、弾くケースがまだ存在しており、この事象をマイナーマスター問題[5]と呼んでいるテンプレート:誰。古い端末機がなくなっていくことで解消に向かうと考えられているが、端末機は加盟店側で購入しているものが多いため、故障などが発生しない限り、加盟店側による自発的な交換は少なく、今後もわずかながら残っていくと考えられている。
発行
日本国内でMasterCard Worldwideから直接ライセンスの供与を受けてMasterCardカードを発行している会社は、次の通りである[6]。これ以外の会社が発行しているMasterCardカードは、以下のいずれかと提携して、加盟店開放によるライセンスの供与を受けた上で発行している。
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加盟店
日本において MasterCard ブランドの加盟店に関する業務を行う MasterCard アクワイアラーは、次の通りである[7]。
- イオンクレジットサービス株式会社
- 株式会社セディナ
- ライフカード株式会社
- 三菱UFJニコス株式会社
- 株式会社オリエントコーポレーション
- ポケットカード株式会社
- 楽天カード株式会社
- 三井住友カード株式会社
- トヨタファイナンス株式会社
- ユーシーカード株式会社
CM
近年ではCMなどを通じて知名度の向上を積極的に進めている。その結果、日常会話などにおいて、そのCMの決まり文句が引用されることがある。
- 「お金で買えない価値がある、買えるものはマスターカードで。」
- アメリカで使われた広告文 "There are some things money can't buy. For everything else, there's MasterCard." を翻訳したものである。MasterCardのウェブサイト(外部リンクを参照)では、この広告文を英語以外の言語に翻訳したものが次々と表示される。
- 「○○、30ドル、××、プライスレス」
MasterCard PayPass
日本では、PayPass を搭載したクレジットカードが発行されている。また、携帯電話を利用したフィールド実証実験が2008年に行われている[8]。
MasterCard SecureCode
次の各社が対応している。
- イオンクレジットサービス株式会社
- 株式会社セディナ
- 株式会社クレディセゾン
- 日立キャピタル株式会社
- 株式会社ジャックス
- 株式会社ライフ
- 三菱UFJニコス株式会社
- 株式会社オリエントコーポレーション
- ポケットカード株式会社
- 楽天KC株式会社
- SBIカード株式会社
- 三井住友カード株式会社
- トヨタファイナンス株式会社
- 株式会社UCS
- 株式会社アプラス
- NTTファイナンス株式会社
- ユーシーカード株式会社
- UCカード発行自体はクレディセゾンへ統合されたためマスターカードのサイトではセゾン配下で紹介されているためこの項での扱いが少々複雑である。
ギフトカード
ライフが発行予定であったが、発行延期のアナウンスが[9]されてから発行予定がない。なお、日本円で10万円相当額を超える場合は法律により発行が不可能である。
関連項目
- Cirrus - マスターカードファミリーブランドの中心となり190ヶ国世界一の銀行のオンラインシステム
- Maestro - マスターカードファミリーブランドによる暗証番号入力方式のPOSオンラインデビットカードサービス
脚注
外部リンク
テンプレート:Asbox- ↑ 協同カードはUC・DC・MCの各加盟店での利用が可能であったが、これは各社と個別に加盟店開放契約を締結していたからであり、MasterCardとして扱われていたわけではなかった。また、MCJ発足以前にはオリエントファイナンス、オムニカード協会、日本クレジットサービスもUCと契約の上、MasterCardにUCマークを付加して発行していた時期がある。
- ↑ ただし、これは銀行系発行会社の集合体であるVISAジャパン協会(現在のVJA)内での話であり、それに属さない日本信販、西武クレジット、ダイエーファイナンスのノンバンク三社がVISAに直接加盟して発行開始した当初は、VJ協から加盟店開放の合意が得られず海外専用扱いとなっていた時期があった。しかし後にVISA本部の勧告により問題は解消している。
- ↑ 後にクレジットカード事業をセントラルファイナンスへ譲渡して自社発行を中止し、現在は同社の流れを汲むセディナ(MasterCard及びVISAブランド)、及びジェーシービー(JCBブランド)との提携カードを取り扱っている。その後、MoneyTという商品名で海外送金カードの発行をはじめている。
- ↑ 一方、MCJ発足以前から既存の発行会社からのライセンス供与、及び国内ブランドロゴの使用許可を受けてMasterCardを発行しており、結果としてMCJへの加入を要さずに決済を可能としていた東急カード(DC)や出光クレジット(DC及びMC、現在はセゾンへ変更)のような例もあった。
- ↑ 実際にはメジャーな発行会社のカードであっても使えない場合も有り得るのだが、VISAに比べてMasterCardは直接加盟要件のハードルが低く、中・小規模のカード事業者の新規参入が比較的容易であったという背景があり、それがこの呼び方に繋がっている。
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- ↑ ライフMasterCardギフトカード発行延期のお詫び