ダイハツ・パイザー
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パイザー(PYZAR)は、ダイハツ工業がかつて生産していたトールワゴン型乗用車である。
概要
4代目シャレード(ソシアル)をベースに造られた車である。1996年8月発売とコンパクトトールワゴンとしては早い時期の登場で、ダイハツの自社製小型ワゴンとしては1969年にコンパーノワゴンが生産中止されて以来27年振りである。広大な室内と当時大衆車に設定されることの少なかったフルオートエアコン、木目調パネル、本皮シートなど装備が充実していたということもあり登場からしばらくはそこそこ売れたものの、同年に先行して大ヒットしていたマツダ・デミオを筆頭に多くの類似車が登場してきた事、さらに世間の「ダイハツ=軽自動車」というイメージが強い事もあって次第に販売が低迷。YRV登場後も継続生産されたものの2002年8月に生産中止となった。
- Daihatsu Gran Move rear 20080220.jpg
前期型リア(輸出仕様のグランムーヴ)
- Daihatsu-Pyzar-1st-rear.jpg
後期型リア
性能
- エンジンは1500cc(FF)と1600cc(4WD)のガソリンエンジンの2種類
- トランスミッションは5速フロアMTと4速フロアATの2種類。
- 駆動方式はFFとビスカスLSD付センターデフ方式フルタイム4WDの2種類。
歴史
- 1996年8月 - 新発売。
- 1997年9月 - マイナーチェンジ。内外装変更。4WD車のエンジンを1600ccに変更。十字グリルなどを装備したスポーティグレードのエアロカスタム(1600cc)追加。
- 1998年7月 - マイナーチェンジ。内外装変更。ベースグレードをCLからCLリミテッドに変更。
- 1999年9月 - マイナーチェンジ。エアロカスタムからエアロダウンカスタムに内外装とグレード名を変更。CLエアロバージョン追加。上級グレードのCX廃止。
- 2000年9月 - 一部改良。車体色変更。
- 2002年8月 - 生産中止。旧フォントの「DAIHATSU」の文字ロゴが最期まで採用された車種[1]となった。総販売台数は4万6,447台。
- 2012年5月 - リコール発表。エアバッグ制御装置の防水性が悪く、装置の上にある暖房機器の冷却水が漏れてきた場合、勝手にエアバッグが開いてしまうなどの恐れによる。
販売台数
- 1996年:1万1,243台
- 1997年:1万5,108台
- 1998年:1万1,629台
- 1999年:4,503台
- 2000年:2,427台
- 2001年:1,087台
- 2002年:450台
車名の由来
パイザーの名の由来はモンゴル帝国時代のシルクロードの通行許可証、牌子(Paizah)からとった造語である。海外ではGRAN MOVE(グランムーヴ)の名で売られた。
関連項目
- ダイハツ工業
- ダイハツ・シャレード
- ダイハツ・YRV
- ダイハツ・ブーンルミナス
- ダイハツ・メビウス - パイザー以来10年4か月ぶりのダイハツの乗用ワゴン。トヨタ・プリウスαの5人乗りモデルのOEMで、コンパーノワゴン以来44年振りのステーションワゴン。