いぶき (ストリートファイター)
テンプレート:対戦型格闘ゲームキャラクター いぶき (Ibuki) は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターIII』シリーズなどに登場する架空の人物。
目次
[非表示]キャラクターの概要
漢字表記は「伊吹」テンプレート:要出典または「息吹[1]」。忍者の里で暮らす女子高生。幼き頃より忍術の修行に明け暮れているが、根っからのアイドル好きで、普通の女の子のような生活を夢見ている。学校では陸上部に所属し、スプリンターとして活躍。ペットとして狸のどんを飼っている。戦闘や任務遂行時は布で口元を隠し、袖がなく腰の側面が大きく開いた忍装束を着用。長く伸ばした髪は、きつく一纏めにしてポニーテールにしている。
『ストリートファイターIII』の1作目(以下『1st』)と『2nd IMPACT』ではギルの持つ「Gファイル」の奪取任務を果たすために戦いに挑む。これらの作品のエンディングでは友人の黒澤早雷(くろさわ さらい)を敵と間違えて攻撃して怒られてしまう。
『3rd STRIKE』では一般の大学へ進学するのに必要な単位習得のために、仙人であるオロに勝負を挑む。本人のエンディングでは普通の大学(大学名は私立百日紅大学)へ入学を果たすことができたが、普通の女の子にはなれなかった。また、同作に登場するまこととはライバル関係にあり、対戦前に専用デモが存在する。
『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』)シリーズでは『スーパーストリートファイターIV』(以下『スパIV』)から登場する。『スパIV』では素敵な出会いを求めて、一人旅立つ。同作は『1st』と『2nd IMPACT』から2年ほど前の時代が舞台だが、年齢と学年は公式見解では設定されていない[2]。
『ストリートファイター X 鉄拳』(以下『ストクロ』)では、ロレントの要請でタッグを組み、嫌々ながらも南極へ向かうことになる。
『ストリートファイターIII』(以下『ストIII』)においては、シリーズを通してホームステージは日本の京都である。ただし『3rd STRIKE』の場所は、『2nd IMPACT』以前とは別の場所になっている。
『ポケットファイター』ではストーリーや勝利ポーズなど食べ物がらみのネタが多く、さらには非常食用のガマガエルを常備している。なお、リアクションのポーズもコミカルなものが多い。エンディングではガイに勝負を挑むが、相手にされなかった。
いぶきの身長とスリーサイズについては、『ストIII』のゲーメストムック『ストリートファイターIIIファンブック』のQ&Aコーナーで当時の開発スタッフにより発表されたものと、後に『スパIV』登場の際に正式設定されたものが二種類存在している。これについては、『スパIV』のプロデューサーである小野義徳により「『ストIII』では(『III』のディレクターにも確認した上で)カプコンの公式資料にはいぶきのスリーサイズの公式データは存在せず、以前に発表されたとされる(『III』時点で開発スタッフが回答した)データは非公式なものである」という旨がコメントされている[3]。
『ストIII』の制作に参加していたAKIMANが「女性キャラクターは、忍者にしよう」と提案したのが切っ掛けで生まれたキャラクターであると、『ストIII』のサウンドトラックに記述されている。
ゲーム上の特徴
機敏な忍者らしく歩きが早い・ジャンプが鋭いなど機動力が高い。特殊技や必殺技、ボタン順押しによる連続技であるターゲットコンボの数も登場キャラクター中で最多で、バラエティに富む。この二つの特徴を生かした多彩な攻めで相手を翻弄するのが得意なキャラクターだが、防御力は低い。
技の解説
通常技
操作 | 立ち(近距離) | 立ち(遠距離) | しゃがみ | 垂直ジャンプ | 斜めジャンプ |
---|---|---|---|---|---|
弱パンチ | 肘打ち | 掌底 | 手刀 | 飛び手刀 | 槍拳 |
中パンチ | 巻き掌底 | 膝砕き | 飛び手刀 | 飛び掌打 | |
強パンチ | 兜砕き | 螺旋肘 | 顎割り | 飛び裏拳 | |
弱キック | 突き蹴り | 脛弾き | 飛び前蹴り | 当膝 | |
中キック | 刺し膝 | 砂刈 | 飛び前蹴り | 影矢 | |
強キック | 天破 | 鬼独楽 | 草薙 | 影鉈 |
パーソナルアクション
- 馬跳び
- 前方に飛びかかり、相手にヒットすると馬跳びのように飛び越えていく。
- これにより次の攻撃一発だけ威力を上げることが出来るが、ヒットしなかった場合は追加効果は得られない。
- また、グラップディフェンス(投げ抜け)出来るという特徴がある。
通常投げ
- 闇葛
- 地上投げ。相手の背後へ回り込むように掴み、背負い投げの要領で投げ飛ばす。左右に投げ分け可能。
- 翔び猿
- 空中投げ。
特殊技
- 巻き蹴り(まきげり)
- 『2nd IMPACT』までは遠距離立ち弱キックだった技。『3rd STRIKE』で特殊技に変更された。
- 揚面(あげめん)
- 斜め上に掌底を突き出す技。
- 裏巻き蹴り(うらまきげり)
- 『2nd IMPACT』までは遠距離立ち中キックだった技。『3rd STRIKE』で特殊技に変更された。
- 頭砕き(こうべくだき)
- 少しジャンプして出すカカト落し。中段属性の技。
- 砂斬(さざん)
- いわゆるスライディングキック。
- 梵鐘蹴り(ぼんしょうげり)
- 低い地点で出す横飛び蹴り。
- 追裏拳(ついうらけん)
- 遠距離立ち強パンチ後に出す追加攻撃。
ターゲットコンボ
コマンドは右向き時のもの(左向き時はレバー入力が逆になる)。パンチはP、キックはKと表記する。
- ジャンプ強P・→中K
- 『1st』から使用しているターゲットコンボ。
- 斜めジャンプ弱P・→強P
- 『1st』から使用しているターゲットコンボ。
- 斜めジャンプ弱K・→中K
- 『1st』から使用しているターゲットコンボ。
- 近距離立ち弱P・立ち中P・立ち強P
- 『2nd IMPACT』で追加されたターゲットコンボ。
- 遠距離立ち弱P・立ち中P・→弱K
- 『1st』から使用しているターゲットコンボ。
- 近距離立ち弱P・立ち中P・屈み強K・立ち強K
- 『1st』から使用しているターゲットコンボ。
- ←中K・→中K(『2nd IMPACT』までは遠距離立ち中K・→中K)
- 『1st』から使用しているターゲットコンボ。『3rd STRIKE』でコマンドが変更された。
- 近距離立ち強P・屈み強K・立ち強K
- 『1st』から使用しているターゲットコンボ。
- 立ち弱K・立ち中K・立ち強K
- 『1st』から使用しているターゲットコンボ。
必殺技
- 苦無(くない)
- 空中から地上に向かって苦無を投げる飛び道具(通常は1本、EX版は2本)。『ポケットファイター』ではロレントのコスプレをしながら行う。
- 通常、飛び道具は飛び道具以外の技で相殺することはできないが、この技は例外的にパンチなどの打撃でも弾いて無効化されてしまう欠点がある。
- 雷打(らいだ)[4]
- 密着状態で相手を掴むことに成功すると攻撃が発動するブロッキング不能の打撃投げ(ガードは可能)。相手の懐に潜り込んだ後、自身の拳から青い気を炸裂させ、相手の腹部に衝撃を与えて吹き飛ばす。
- 首折り(くびおり)
- 前方に滑り込んで相手を捕らえると技が発動する下段判定の打撃投げ。両手で相手の頭をつかんで回転させ、首を折る動作でダメージを与える。EX版は移動速度が速くなり、さらに首を折る動作を3回連続で行う。
- 「雷打」同様これも打撃投げだが、リーチが長く立ちガード不可な反面、相手側はブロッキング可能という特徴がある。
- 風斬り(かざきり)
- 飛び上がりつつ足を振り上げ、衝撃波を発生させる対空技。EX版はヒットさせれば、降下中にさらにジャンプ攻撃を出すことができる。
- 旋(つむじ)
- 素早い中段後ろ回し蹴りを連発する。レバーを下に入れると途中から下段への後ろ回し蹴りに変化する。
- 飛燕(ひえん)
- 前方に飛び込んで相手の頭部を2回踏みつけた後、後ろに跳ね返る。跳ね返っている間は「苦無」や「霞朱雀」を出せる。『ポケットファイター』ではペンギンのコスプレをしながら行う。
- 霞駆け(かすみがけ)
- 『3rd STRIKE』から追加された技で、前方へ高速移動する。
- 築地越え(ついじごえ)
- 『3rd STRIKE』から追加された技で、体を捻りながら大きく前方へジャンプする。降下中に「苦無」や「霞朱雀」を出すことができる。
スーパーアーツ / マイティコンボ / スーパーコンボ / ウルトラコンボ
- SA1 - 霞朱雀(かすみすざく)
- ストック数 [1st-2/2nd-3/3rd-3] ゲージの長さ [1st-72/2nd-72/3rd-88](単位:ドット)
- 空中で大量の苦無を回転させて投げる「苦無」の強化版。ボタン連打により投げる苦無の数が増え、相手の体力を大きく削ることが出来る。
- 『ポケットファイター』でも使用しており、その際には苦無以外にも大型の手裏剣やタヌキの置物までも手当たり次第に投げつける。
- ストック数が多いので、EX必殺技との相性がよい。
- 『ストIV』シリーズではスーパーコンボとして実装されている。
- SA2 - 鎧通し(よろいどおし)
- ストック数 [1st-1/2nd-1/3rd-1] ゲージの長さ [1st-96/2nd-112/3rd-120]
- UC1(ストIV)
- 「雷打」の強化版のような技。発動時の相手の間合いで性質が異なり、さらに近距離版に関しては性質が作品ごとに全て異なる。
- 『1st』版
- 「雷打」と同様にブロッキング不能(ガードは可能)の打撃投げとなっており、ガードされた場合は遠距離版に移行する。
- 『2nd IMPACT』版
- ガード・ブロッキング共に可能となっていて、この場合も遠距離版に移行する。
- 『1st』、『2nd』ともに通常技などから連続技に組み込むことができる。
- 『3rd STRIKE』版
- 純粋な投げ技となっており、ガード・ブロッキング共に不能。ただし投げ判定のため連続技に組み込むときは、相手が特殊な状態でなければ成立しない(豪鬼の遠距離立ち強キック→「瞬獄殺」などと同じ条件)。
- 近距離版では「雷打」とほぼ同じモーションだが、相手にぶつける気の塊が大きくなっており、威力も大幅に上昇している。遠距離もしくは相手を掴めなかった場合は、前方に多段ヒットする赤い気の塊を放出するが、威力は近距離版よりも劣る。また、こちらは技の反動で自身が大きく後方へ後ずさることになるが、最後に体勢を整えるモーションが付加されるので若干隙がある。
- ストック数はシリーズ通して1本で、シリーズを追う毎にゲージが長くなっている。
- 『ストIV』シリーズでは「ウルトラコンボ・I」として実装。近距離版は前述したモーションの後に肘打ちを突き込んだ後、もう片方の手に溜めた気を肘打ちの手を通して放ち(ストローの原理)、矢のような気で相手の体を貫く攻撃描写が追加されている。
- SA3 (1st - 2nd) - 破心衝(はしんしょう)
- ストック数 [1st-2/2nd-2] ゲージの長さ [1st-64/2nd-80]
- UC2(ストIV)
- 前進しながらの連続打撃[5]。最後の蹴り上げの後は、さらに追撃可能。『3rd』では以下の「闇時雨」に取って代わられ削除された。
- 『ストIV』シリーズでは「ウルトラコンボ・II」として実装。技のコンビネーションが一部変更されたほか、最後の蹴り上げが「風斬り」に変更され、その後「飛燕」を当て、さらに空中から数多くの苦無を放ち、その直後に相手の首を掴み顔面を地面に叩きつける攻撃と同時に膝を相手の背中に蹴り込んでいる攻撃が追加されている。
- SA3(3rd) - 闇時雨(やみしぐれ)
- ストック数 [3rd-1] ゲージの長さ [3rd-80]
- 3本の苦無を相手の足元目掛けて投げ、ヒットしていたら左右に高速移動しつつ相手を切り刻む。コマンド入力時のボタンにより苦無を投げる位置が変化する。
- 「破心衝」と比べるとゲージの本数など見劣りする部分があるが、中~遠距離への反撃など「破心衝」にはない使い道がある。
- 『ストクロ』ではクロスアーツとして実装されている。
- 児雷也(じらいや)
- 『ポケットファイター』のマイティコンボ。巨大なガマガエルを呼び出し、炎を吐かせて攻撃する。
- 攻撃範囲は広いが、ガマガエルを召還してから火を吹くまでに隙があるため相手にかわされやすい。
- 疾風(はやて)
- 『ポケットファイター』のマイティコンボ。浪人のコスプレをした状態で前方に突進し、居合い斬りで相手を細切れに切り刻む。この技でフィニッシュすると、あけぼのフィニッシュと大波の背景(葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」のパロディ)を組み合わせた、和風のフィニッシュ演出が表示される。
担当声優
- 天野由梨(『ストIII』シリーズ、および『ポケットファイター』)
- 藤村歩(『ストIV』シリーズ、『ストクロ』、『鬼武者Soul』)
- カット・スティール(『スパIV』シリーズおよび『ストクロ』英語ボイス)
主な登場作品
- ストリートファイターIIIシリーズ
- ポケットファイター
- ストリートファイターIVシリーズ(『スーパー』から登場)
- ストリートファイター X 鉄拳
- 鬼武者Soul
他社作品における登場
- SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ全シリーズ(トレーディングカードゲーム版も含む)
- プレイヤーキャラクターカードとして登場している。
脚注
- 元の位置に戻る ↑ 『CAPCOM FIGHTING Jam オフィシャルコンプリートガイド』333ページ。
- 元の位置に戻る ↑ スーパーストリートファイターIV・オフィシャルブログ「質問に答えちゃうシリーズ(11)」より。
- 元の位置に戻る ↑ 電撃オンライン「新キャラってどんなヤツ!? ワロスコンボまだあるの!? 『スパIV』の小野Pを直撃!」より。
- 元の位置に戻る ↑ 開発当初の技名は「虎砲」。
- 元の位置に戻る ↑ 開発段階では麒麟脚(きりんきゃく)という名称で、性能も「破心衝」とは若干違う。