酒井直樹
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酒井 直樹(さかい なおき、1946年 - )は日本出身の歴史学者。コーネル大学人文学部教授。専門は日本思想史、比較文学。
人物・経歴
神奈川県生まれ。都立日比谷高校を経て、1971年東京大学文学部卒業後、1979年シカゴ大学人文科学部修士課程に入学。1980年同博士課程進学。1983年に博士号取得。
シカゴ大学人文科学部助教授、コーネル大学准教授を経て、現職。
発言
2009年、韓国・東国大学校慶州キャンパスで行われた「トランスナショナル人文学国際学術会議」に出席し、「最近、(“新しい歴史教科書をつくる会”が執筆した)自由社発行の中学校用歴史教科書が文部科学省の検定で合格したことは、ナショナリズムが台頭する日本の現実を物語るものだ。まさか認定されるとは思わなかったため、あきれるばかりだ。極右勢力は着実に目的を達成しているが、日本国民の反発は次第に弱まってきている。北朝鮮がミサイルを発射したことで、一番恩恵にあずかっているのは日本の極右勢力だ」と述べた。また、「日本は植民地支配で行った非人道的な犯罪に対し、責任者を自ら処罰したケースがまったくない」と指摘した。一方で、米国の責任についても言及し「(昭和)天皇の戦争責任を不問にしたのは米国だ。現実的な統治における必要性を重視したため、戦争責任がある天皇を訴追しようとしなかった。日本が米国への依存から抜け出すためには、自らの手で戦犯を処罰しなければならない」と主張した[1]。
著書
単著
- Voices of the Past: the Status of Language in Eighteenth-century Japanese Discourse, (Cornell University Press, 1991).
- 『死産される日本語・日本人 「日本」の歴史-地政的配置』(新曜社, 1996年)
- 『日本思想という問題 翻訳と主体』(岩波書店, 1997年 / 岩波モダンクラシックス, 2007年)
- 『日本/映像/米国 共感の共同体と帝国的国民主義』(青土社, 2007年)
- 『希望と憲法 日本国憲法の発話主体と応答』(以文社, 2008年)
共著
- (西谷修)『「世界史」の解体 翻訳・主体・歴史』(以文社, 1999年)
- (西谷修、遠藤乾、市田良彦、酒井隆史、宇野邦一、尾崎一郎、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート)『非対称化する世界 『〈帝国〉』への射程』(以文社, 2005年)
編著
- 『歴史の描き方(1)ナショナル・ヒストリーを学び捨てる』(東京大学出版会, 2006年)
共編著
- (ブレット・ド・バリー、伊豫谷登士翁)『ナショナリティの脱構築』(柏書房, 1996年)
- (伊豫谷登士翁、テッサ・モリス=スズキ)『グローバリゼーションのなかのアジア カルチュラル・スタディーズの現在』(未來社, 1998年)
- (山之内靖)『総力戦体制からグローバリゼーションへ』(平凡社, 2003年)
- (磯前順一)『「近代の超克」と京都学派 近代性・帝国・普遍性』(以文社, 2010年)