テングタケ
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テンプレート:生物分類表 テングタケ(天狗茸、Amanita pantherina (DC. : Fr.) Krombh.)は、ハラタケ目テングタケ科テングタケ属のキノコである。
解説
テングタケの別名にヒョウタケ(豹茸)、ハエトリタケ(蠅取茸)がある。灰褐色の傘には、広がった際につぼがちぎれてできた白色のイボがある。柄は白色でつばが付いている。針葉樹林のアカマツ林、トウヒ林、広葉樹林のコナラ林、クヌギ林などで夏から秋にふつうに見られる。
本種は有毒で、食べると下痢や嘔吐、幻覚などの症状を引き起こし、最悪の場合、意識不明に至ることもある。毒の成分はイボテン酸で、うまみ成分でもある。また、この成分は殺蝿作用もあり、同じ成分を含むベニテングタケよりも強い毒をもつ。殺蝿作用からハエトリタケの別名が付いた。ヒョウタケは種名pantherina「ヒョウの」に由来するが、「瓢茸」と思っていた人が多く、川村清一は信州で行った講演会で質疑応答の際、「教科書のひょうたけとはどんな毒茸か。ヒョウタンのような形なのか」と問われた思い出を『原色日本菌類図鑑』に記している。
なお、テングタケに酷似し、よりはっきりしたイボ状の膜の破片を持つキノコがあり、イボテングタケという名はあったが同一種とされていた。イボテン酸はこの時代に名づけられた。近年、イボテングタケは独立した別種(A. ibotengutake)となった。
中毒
- 中毒症状 食べてから15分から90分以内に発現し、2〜3時間でピーク。
- 毒成分 イボテン酸(ibotenic acid )、ムッシモール(muscimol )、ムスカリン( musucarine )
- 治療 対症療法で、胃洗浄、活性炭と下剤の投与。このキノコに限らず、一緒に食べた人がいたら無症状でも出来るだけ速やかに胃の内容物を吐かせる。
- 解毒剤 フィゾスチグミン。ムスカリンの拮抗剤であるアトロピンは中毒症状の程度により使用を判定する。
- 後遺症 数日間の頭痛。
関連項目
外部リンク
- めまいや痙攣を引き起こすきのこ(イボテン酸群)財団法人 日本中毒情報センター
- 中毒の原因となる毒キノコ(テングタケ)東京都福祉保健局
- テングタケ Amanita pantherina (DC. : Fr.) Krombh. 社団法人 農林水産技術情報協会
- イボテングタケAmanita ibotengutake