BMG
BMG(ビーエムジー、Bertelsmann Music Group:ベルテルスマン・ミュージック・グループ)は、メディア・コングロマリットのベルテルスマン(ドイツ)傘下にあった音楽・映像グループである。本社の所在地はアメリカ・ニューヨークであった。
概要
アリスタ・レコード(含アリオラ)、J-Records、RCAミュージックグループ(含ウィンダムヒル)、ゾンバ・ミュージック・グループ(含ジャイヴ)等を含む200を超えるレコードレーベル会社を持っており、世界のレコード業界の“ビッグ・ファイヴ”の一角を占めていた。
日本ではRCAレコードの実質的な現地法人として日本ビクターとの合弁によるRVC株式会社が存在した。元々はビクター音楽産業(1993年に合併でビクターエンタテインメントに社名変更したのち、2014年4月にJVCケンウッド・ビクターエンタテインメントに再び社名変更)がRCAレコードの輸入盤発売を担っていたが、同社から部門ごと実質的にスピンアウトした事に伴い、RCAレーベルでJ-POPや歌謡曲も手がけていた。しかし、1986年に親会社RCAが経営不振に陥り、RCAレコードがベルテルスマンに買収され、新たにBMGとその日本法人として日本ビクター・ビクター音楽産業と合弁で「BMGビクター」を発足し、RVCはBMGビクターに資産を継承し解散。同時にBMGが有していたアリスタ・レコードの国内販売元も日本フォノグラムから移管した。1996年に日本ビクター・ビクターエンタテインメントの資本提携を解消し翌年にBMGジャパンに社名変更し1999年に旧東芝EMI系のファンハウスと合併しBMGファンハウスとなった。
2004年8月に、CBS出身のハワード・ストリンガーが代表執行役会長 兼 CEOを務める日本のソニー株式会社がBMGと友好的に経営統合する旨を発表し、ソニー株式会社傘下の米国現地法人Sony Corporation of America子会社のSony Music Entertainment Inc.(SMEI. 旧:米国コロムビアレコード/CBS SONY)と株式移転方式で経営統合し、両社の合弁(ジョイントベンチャー)によるSony BMG Music Entertainment Inc.(米国ソニーBMG)が発足。BMGファンハウスはBMGの株式移転に伴いソニーBMGの日本法人となった。なお、市ヶ谷に本社を置く株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)は2000年の東証上場廃止後はソニー株式会社の100%出資の完全子会社であり、SMEIとは独立した企業経営がなされてきたため、日本においてはこの再編の対象外とされた。後の2005年10月に日本法人もBMGファンハウスからBMG JAPANに変更となった。
その後、2008年にソニー株式会社は米国法人を通じてベルテルスマンが保有するソニーBMGの全株を買収し完全子会社化。Sony Music Entertainment Inc.(SMEI)となり、名実共にソニーグループとなった。同時にBMGの音楽・映像グループは解散した。
この買収を機にBMG JAPANはSMEJの子会社となり、後の2009年10月に同社はSMEJに吸収合併され解散し、制作部門はSMEJ傘下で再編された(現在のアリオラジャパンとRCA/JIVEグループ)。旧BMGの音楽作品はソニー・ミュージックジャパンインターナショナル・RCA/JIVEグループから発売されている。
なお、BMGの音楽出版部門(BMGミュージックパブリッシング)は今後、ビベンティ・ユニバーサル(同業大手・ユニバーサルミュージックの親会社)に売却される方針。
沿革
- 1958年、ベルテルスマンがアリオラ・レコードを設立。
- 1979年、アリスタ・レコードとドイツ国内でアリオラのライバルであったハンザ・レコード(Hansa Records)を買収。
- 1986年、RCAレコードを買収。
- 1987年、音楽部門の統括会社としてBMGを設立。
- 1992年、ウィンダム・ヒル・レコードを買収。
- 2004年、日本のソニー株式会社・ベルテルスマンがそれぞれ傘下に保有するSMEIとBMGを経営統合させる旨を発表。新設会社のSony BMG Music Entertainment Inc.へ株式移転し、ソニーBMGが発足。
- 2008年、ベルテルスマンが保有するソニーBMGの持株全てをソニーの米国法人に売却し、社名をSony Music Entertainment Inc.に変更。BMGグループの再編が行われた。