ミジンコ
ミジンコ(微塵子、水蚤)は、水中でプランクトンとして生活する、微小な甲殻類である。以下の様なものがミジンコと呼ばれている。
この項では、4.について扱う。ミジンコ類全般についてはミジンコ目を参照のこと。なお、上記1.から3.の見分け方は以下の通り。
- ミジンコ:丸っこい体・両腕を広げている・卵を担いでいる・バタフライで泳ぐ(左右の腕を同時に振っている)
- ケンミジンコ:細長い体・長い触角・卵のうをぶら下げている・犬かきで泳ぐ(腹面に細かい脚)
- カイミジンコ:二枚貝の外見・はい回れる脚・自由形で泳ぐ(両腕を交互に掻いている)
ミジンコ(狭義)
ミジンコは、鰓脚(さいきゃく)綱 双殻目 枝角亜目 異脚下目 ミジンコ科 ミジンコ属に属する甲殻類である。
特徴
中型種で体長1.5-3.5mm。体は頭部を除き二枚貝のような背甲に覆われ、横から見るとひよこのような形をしている。背甲の下に卵を抱えて孵化まで保育する。
頭部にははっきりした吻があり、その下にある第1触角は吻端に達しない。体を覆う甲は広卵形で、後方の縁には細かな棘が並ぶ。後端にある棘状突起は甲羅の長さの4分の1以下、時にはないこともある。
ミジンコ目全体の特徴でもあるが、ミジンコに見られる大きな眼は、横から見ると左右あるように思えるが、実際は一つ目である。正面から見ると一つ目のお化けのように見える。
生息環境
世界的に分布する。日本でも全土に分布、浅い池沼に生息する。
生態
ミジンコには、自分とおなじクローンしか産まない単為生殖期と、交配して子孫を残す有性生殖期がある。一般的に、通常(環境の良いとき)はメスを産み、生存危機が迫ったときにだけオスを産んで交配するといわれている。また、エサや水温、日照時間の変化により、休眠卵とよばれる卵を作り、有性生殖期には雌雄による受精卵を作ることもある。
利用
魚類飼育の際にえさとして用いられる。観賞用に飼育することもある。また化学物質の生態毒性の試験のために用いられる。
ミジンコはDNAのサイズは約2億塩基対と小さいのに、たんぱく質を作る遺伝子は少なくとも約3万900個と、これまでゲノムが解読された動物の中で最も多いことが判明している。東京薬科大学やアメリカインディアナ州立大学などの研究によれば、ミジンコの遺伝子は3万1000個以上にのぼり、ヒトよりも8000個も多い[1]。
脚注
参考文献
- 水野壽彦、『日本淡水プランクトン図鑑』 保育社、1964年。
- 岡田要他 『新日本動物図鑑』 北隆館、1976年。p.449
関連項目
外部リンク
テンプレート:Animal-stub- ↑ 2011年2月15日の朝日新聞朝刊23面