核融合科学研究所
テンプレート:Infobox 研究所 核融合科学研究所(かくゆうごうかがくけんきゅうじょ、 National Institute for Fusion Science)は、大学共同利用機関法人自然科学研究機構を構成する研究所の1つ。核融合科学分野における国立の研究所で、岐阜県土岐市にある。大学共同利用機関として各地の大学から研究施設の共同利用が行われている。総合研究大学院大学をはじめとする様々な大学院の学生に対する教育も実施している。
1989年に、名古屋大学プラズマ研究所を改組、京都大学ヘリオトロン核融合研究センターおよび広島大学核融合理論研究センターの一部を統合することにより設立された。 マスコットはプラズマくん。
沿革
- 1961年 名古屋大学プラズマ研究所設立
- 1989年 名古屋市千種区に文部省核融合科学研究所として再編される
- 1992年 総合研究大学院大学数物科学研究科核融合科学専攻設置
- 1997年 岐阜県土岐市に移転
- 2004年 統合再編及び法人化により自然科学研究機構核融合科学研究所となる。
概要
前身の名古屋大学プラズマ研究所は、超高温プラズマの基礎的研究を行う研究所であり、京都大学ヘリオトロン核融合センターでは、ヘリカル型の核融合実験装置の研究開発が行われていた。広島大学核融合理論研究センターでは、核融合の理論面に注目した研究により、特にD+T反応におけるβ値の研究等で優れた実績を持つ研究が行われていた。これらの研究を移管統合することで、理論精査、実験、精密観測により核融合技術の基礎的な面を確立し、将来、本当に必要となる核融合技術の確立に向けた研究を行うことを目的として、文部省直轄の研究所として核融合科学研究所は設立された。研究対象の核融合研究は、主にヘリカル型が研究されている。 現在、世界各国で研究が進められている実験検証炉は、トカマク型装置が主流であるが、ヘリカル型はその次の核融合炉として期待されている方式である。トカマク型と比べた場合、主なヘリカル型の利点は連続運転が可能なこと、装置負荷が大きいプラズマの崩壊(ディスラプション)が存在しないことである。また、トカマク型はパルス運転をしなければならないため、実用炉としては非効率的である。ヘリカル型の欠点は非常に複雑なコイルが必要とされるため、炉を製造する上では非常に高度な技術が必要とされる点である。
組織
- 総合研究大学院大学の基盤研究所とされており、核融合科学専攻が設置され、高度な専門性を持つ大学院教育が為されている。(総合研究大学院大学参照)。
- 研究部は、大型ヘリカル研究部、理論シミュレーション研究センター、連携研究推進センター、炉工学研究センターからなる。
- 技術部は、各装置群の保守・点検及び実験装置作成などの業務を行う。
- その他、各種委員会を設置して、セクハラ対策、アカハラ対策、不正研究資金獲得防止などを行っている。
施設概要
- 大型実験棟
- 大型ヘリカル型核融合実験装置 - 世界最大級のヘリカル型核融合実験装置
- 中型ヘリカル型核融合実験装置 - 京都大学ヘリオトロン核融合センターから移管された実験装置
- 本部事務棟
- 事務関連の部署
- 研究室
- 大型計算機室 - プラズマシミュレータ(HITACHI製 SR16000)
- 大型計算機室 - LHD数値解析システム(NEC製 SX-8)
施設見学
祝日を除く火曜日~金曜日の午前10時からと午後1時半からの1日2回。 見学時間は、60分間で事前申し込み要。
不祥事
同研究所の男性職員の一人が、市民団体「多治見を放射能から守ろう」が開設したブログに、「よくまあ、これだけ根拠のないデマを集められたものだ」、「核融合研から名誉棄損で訴えられるかもしれない」などの書き込みを匿名で4度に亘り行った。同研究所はこの職員を、パソコンを公務外で使用したとして、訓告処分としたが、被害を受けた団体の代表は、他にも同研究所内に書き込み者がいるのではないかと疑っており、真相究明を求めたいとしている[1]。
脚注
- ↑ 核融合研:職員が市民団体ブログに匿名書き込み→処分 毎日新聞 2013年10月26日
関連項目
設置運営者
主な実験装置
- LHD (プラズマ装置) - 超伝導型のヘリカル型プラズマ実験装置
研究テーマ
設置場所