自然科学研究機構
テンプレート:Infobox 研究所 自然科学研究機構(しぜんかがくけんきゅうきこう、National Institutes of Natural Sciences、略称:NINS)は、国立大学法人法により設立された大学共同利用機関法人。国立天文台、核融合科学研究所、分子科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所から成る。主たる事務所を東京都港区虎ノ門に有する。総合研究大学院大学の大学院生に対する教育も実施している。
研究組織
組織構成から分かるように、自然科学の幅広い領域を研究対象としているとともに、国際的な研究活動が行われている。研究活動は各研究所にて実施。各研究所における実務は、各研究所の名称が示すとおりの研究活動を実施している。
- 国立天文台 (東京都三鷹市)- 天体科学
- 核融合科学研究所 (岐阜県土岐市) - 核融合基礎研究
- 分子科学研究所 (愛知県岡崎市) - 基礎分子科学研究
- 基礎生物学研究所 (愛知県岡崎市) - 基礎生物学研究
- 生理学研究所 (愛知県岡崎市) - 基礎医学研究
- 新分野創成センター (愛知県岡崎市) - 5研究所共同による先端的新分野研究
- 岡崎共通研究施設 (愛知県岡崎市) - 岡崎市にある3研究所の共通利用施設
事務組織
- 本部事務局 (東京都港区)
- 天文台事務部 (東京都三鷹市)
- 核研管理部 (岐阜県土岐市)
- 岡崎統合事務センター (愛知県岡崎市)
本部事務局は、行政機関である文部科学省への報告並びに指示を受ける機関である。 三鷹、土岐、岡崎の各キャンパスにある事務所は、経理などの管理業務を行っている。
沿革
大学の研究者などが共同で研究を進めるための機関として、相次いで設立された研究所が、2004年度の国立大学法人化に合わせ、統合及び法人化されて現在の機構になった。 1988年、総合研究大学院大学の設立に伴い、総合研究大学院大学の基盤機関として、大学院生に対する教育が開始された。
- 1888年 東京帝国大学理学部附属東京天文台設立
- 1961年 名古屋大学プラズマ研究所設立
- 1975年 文部省分子科学研究所設立
- 1977年 生物科学総合研究機構設立(基礎生物学研究所、生理学研究所)
- 1981年 生物科学総合研究機構と文部省分子科学研究所を岡崎国立共同研究機構に改組
- 1988年 東京大学東京天文台を文部省国立天文台に改組
- 1989年 名古屋大学プラズマ研究所など3機関を移管統合し、文部省核融合科学研究所設立
- 2004年 統合再編及び法人化により、大学共同利用機関法人自然科学研究機構設立
- 2010年 新分野創成センター設立
歴代機構長
機構の目的
天体観測や高温プラズマ物理学、生命科学、分子反応科学などの自然科学領域における基礎科学の国立研究機関を横断的に統合再編した法人が自然科学研究機構である。文部科学省の研究機関が、予算及び分野によって再編され成立した大学共同利用機関法人の1つでもある。 独立行政法人との違いとして、独立行政法人が官民共同の利用機関であるのに対して、大学共同利用機関法人は官学共同の利用法人であると説明されることがある。しかしこれは、名称からのものでしかなく、どちらの法人も産官学の連携を重視している点に変わりは無い。独立行政法人は、行政サービスの効率化を目指した運営がなされるものであり、行政の定めた研究目的を目指して研究がなされる。これに対して、大学共同利用機関法人は、学術研究の更なる発展を目指して運営が行われており、単独の大学では整備することが難しい先端研究施設を、大学の学術研究分野で研鑽を行う人々のために、国公私立を問わず提供することを目的とした国家政策に基づく法人である。現在は、産業領域においても複数の大学が連携した理論的かつ実証的研究が重視されており、大学共同利用機関法人の活用が期待されている。具体的には、医薬品や半導体デバイスのような高い水準の製品開発に繋げるために開発された化学物質等の基礎サンプルに関する検証分析や、衛星写真や顕微鏡写真などの映像を出版・放送など文化産業の分野へ提供することなどである。
アクセス
名古屋鉄道本線東岡崎駅が最寄り駅。東海道新幹線豊橋駅、名古屋駅(あるいは金山駅までJR東海道線か中央線で行っても良い)にて名鉄本線へ乗り換えで、いずれも30分程度。中部国際空港からは東岡崎駅へは名鉄が利用できる他、直行バスもある。いずれも1時間程度。駅から南口を出て徒歩5分程度。
脚注