NHK浜松支局
NHK浜松支局(エヌエイチケイはままつしきょく)は静岡県浜松市中区にある、NHK静岡放送局の支局である。同県西部(遠州)を管轄している。
施設は「日本放送協会(NHK)浜松放送会館」に入居している。
概要
1933年に「NHK浜松放送局」として開局。スタジオなど独立した放送機能も持っていたが、1988年に実施された放送局統廃合により静岡放送局の下部組織となった。
支局化により発生した空き部屋などを利用したNHKアーカイブスの分室(浜松音楽ライブラリー)が局舎内に設置されている(後述)。
現在は以下の組織が存在する。
- 放送部浜松報道室 : 遠州の報道取材拠点
- 営業部浜松分室 : 遠州の受信料事務拠点
- 技術部浜松分室 : 遠州各地への「放送分配機能」、局内に設置するテレビ・FM中継局の維持・管理業務を担う拠点
- NHKアーカイブス 浜松音楽ライブラリー : NHKが保有するアナログ音源の保管拠点
- 企画総務分室 : 支局に関係する事務のみ担当
浜松音楽ライブラリー
会館内にある「浜松音楽ライブラリー」では、NHKアーカイブス(埼玉県川口市)や東京の放送センター(東京都渋谷区)に収蔵しきれないテープ・ディスク類などの一部を保管している。特に、SP・LP・EP盤のアナログレコードは合わせて約34万枚も所蔵[1]されており、これは日本の放送局の所有枚数では最多とされる[2]ほか、国立国会図書館(東京都千代田区)と並んで日本最大規模とも言われている。
ライブラリーには、かつて放送用素材として収集された、1985年ごろまでの音楽や演芸などに関するものがジャンルおよび国・地域を問わず保管されているほか、放送マスターとして作成されたSP盤も保管されている。自身が出演する番組の企画のためライブラリーを訪問した亀淵昭信(オールナイトニッポンDJ、ニッポン放送社長などを歴任)は、諸外国にはこれに比する規模の施設が無いことや、特に日本の音楽ライブラリーとして随一のものであると評している。[1]
このライブラリーの様子は、前述の亀淵がDJを務めたラジオ番組『亀渕昭信のいくつになってもロケンロール!』(2009年5月6日放送、「今日は一日ラジオデー 広げようラジオの魅力」に内包)や、特別番組「今日は一日○○三昧」(『今日は一日“浜松アーカイブス”三昧』、2010年10月10日-11日放送)で大々的に取り上げられたほか、テレビ番組『三つのたまご』(総合テレビ・2009年5月17日放送)や、同『今夜も生でさだまさし 〜静岡・浜松・茶だま茶し〜』(同・2013年5月26日放送)など、折に触れて採りあげられている。
沿革
- 1926年12月25日 : 高柳健次郎が、浜松高等工業学校(現 静岡大学工学部)で日本初のテレビジョン実験に成功する。
- 1933年7月20日 : 社団法人日本放送協会浜松放送局が開局し放送を開始する(呼出符号 : JODG)。
- 1948年12月2日 : ラジオ第2放送の放送を開始する(呼出符号 : JODC)。
- 1959年11月20日 : アナログ総合テレビの放送を開始する(呼出符号 : JODG-TV)。
- 1960年9月1日 : アナログ教育テレビの放送を開始する(呼出符号 : JODC-TV)。当初は名古屋局から受けており、放送開始は静岡局よりも早かった。
- 1962年1月8日 : 静岡局でアナログ教育テレビの放送を開始したことに伴い、浜松局管内の同放送を静岡局受けに変更する。
- 1988年7月22日 : NHKの組織統廃合に伴い、放送局から静岡放送局の支局に降格する。
- 2000年頃 : NHKが所有するSP・LP・EPのアナログ盤のほとんど全てといわれる約34万枚が浜松支局内に移転され所蔵される。
- 2000年3月16日 : ラジオ第1放送の周波数を、999KHzから576KHzに変更する。
- 2005年6月1日 : 11時00分 (JST) より、静岡局とともに地上デジタル放送を開始する。
- 2006年4月 : デジタル総合テレビのレギュラー編成としては全国初のマルチ編成を開始する(『ゆうどきネットワーク』(011)と『ゆうどきネットワーク東海・北陸』(012))。翌年3月9日まで放送)。
- 2009年9月21日・22日 : 所蔵されている約34万枚のアナログ盤ライブラリーを生かした生放送企画、「今日は一日『浜松アーカイブス』三昧」を同支局から各日12:15-22:45にNHK-FMで放送(途中中断あり)した。放送内容は、21日がクラシック編、22日が軽音楽編としていたほか、番組内で使用する音源はすべてアナログ盤のみが使用され、CDは使用されなかった。
- 2010年10月10日・11日 : 『今日は一日“浜松アーカイブス”三昧』をNHK-FMで全国放送(途中中断あり)。10日12:15-23:00がクラシック編、11日12:15-22:45が軽音楽編。[3][4][5]
- 2011年7月24日 : アナログテレビの放送を終了し、同日をもってアナログ総合・Eテレのコールサインが廃止される。
- 2013年5月26日 : 0時05分 (JST) から90分にわたり『今夜も生でさだまさし 〜静岡・浜松・茶だま茶し〜』を、当局より総合テレビで全国放送する[6]。冒頭、さだと放送作家の井上知幸が音楽ライブラリー内を“掘り歩く”様子が放送されたほか、支局長の清水信介(当時)も出演した。なお、アナウンサーは静岡局の瀬田宙大が担当した。
チャンネル・周波数
- 総合テレビ - 20ch(リモコンキーIDは1。静岡親局と同じ)
- Eテレ - 13ch(リモコンキーIDは2。静岡親局と同じ)
- ラジオ第1放送(JODG) - 576kHz[7]
- ラジオ第2放送(JODC) - 1521kHz
- 以上、出力はいずれも1kW。
- FM放送 - 82.1MHz 250W
特記事項
- AMラジオ放送には、NHKの支局としては唯一、2014年現在でもコールサインが割り当てられている。なお、総合テレビ・Eテレ・FM放送はいずれも静岡局の中継局扱いで、コールサインが割り当てられていない。
- テレビ放送とFM放送は、敷地内の鉄塔から送信している。なお、この鉄塔には在静民放各社もデジタルテレビの送信アンテナを取り付けている。[8]
- 遠州地域のテレビ・ラジオ中継局については、当該項を参照の事。
その他
- 浜松支局からのリポートが行われる際のクレジットは原則として「浜松報道室」を使用するが、「浜松支局」の呼称を用いた事例もある[9]。
- 他の支局に比べ独自放送送出機能の縮減は緩やかに進められており、2013年の段階でも本格的なスタジオを残している。
脚注
関連項目
外部リンク
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テンプレート:Coord- ↑ 1.0 1.1 浜松ライブラリーは激しく熱くロケンロールで燃えたのだ(連載コラム「お宝発見ニュース」第3回) - NHKアーカイブス(日本放送協会、2013年6月30日閲覧)
- ↑ 放送局で浜松ライブラリーに次ぐものは、約22万枚を所有する民放AMラジオ局のニッポン放送(ただしCD・アナログテープ等も含む)とされる。
- ↑ 放送当日は、番組ホームページで動画も! 10/10(日)、10/11(月・祝)『今日は一日"浜松アーカイブス"三昧』 - NHK-FMブログ(日本放送協会、2010年10月8日付)
- ↑ 今日は一日“浜松アーカイブス”三昧 ‐クラシック編‐(今後の放送予定) - 今日は一日 ○○三昧(日本放送協会)
- ↑ 今日は一日“浜松アーカイブス”三昧 ‐軽音楽編‐(今後の放送予定) - 今日は一日 ○○三昧(日本放送協会)
- ↑ 今夜も生でさだまさし「静岡・浜松・茶だま茶し」 - NHKネットクラブ(日本放送協会、2013年6月30日閲覧)
- ↑ 以前は、999kHz。(外国波との混信対策により周波数が変更された)
- ↑ 2000年9月1日~2010年9月30日までは愛知国際放送(RADIO-i)の送信アンテナが取り付けられていた。
- ↑ 『今日は一日“浜松アーカイブス”三昧』(NHK-FM、2009年9月21日・22日放送)