愛の挨拶
テンプレート:Portal クラシック音楽 『愛の挨拶』(あいのあいさつ、フランス語:Salut d'amour )作品12は、イギリスの作曲家エドワード・エルガーが作曲した楽曲。
概要
1888年にキャロライン・アリス・ロバーツとの婚約記念に贈った曲で、エルガーの作品中では初期のものである。タイトルは当初、ドイツ語を得意としていたアリスのために “Liebesgruss” (意味は同じ)と名付けられたが、出版に際して出版社からフランス語に変更を求められ、“Salut d'amour” としたものである。なお、英語タイトルは "Love's Greeting" という。楽譜の売れ行きは好調だったものの、エルガーには数ポンドの収入しかもたらさなかった。
元々エルガーのピアノの生徒であったアリスは8歳年長(当時39歳)であり、宗教の違い(エルガーはカトリック、アリスはプロテスタント)や、当時はまだ無名の作曲家と陸軍少将の娘という身分格差から、アリスの親族は2人の仲を認めなかったため、反対を押し切っての結婚であった。
エルガーはピアノ独奏用、ピアノとヴァイオリン用、小編成の管弦楽などいくつかの版を残したが、全体的に演奏は平易である。他にも各種の編曲がなされ、エルガーの作品の中では行進曲集『威風堂々』第1番に次いで有名なものに入る。優美な曲想が幅広い支持を集めている。
こんにち、日本人演奏家の間でも、とりわけ女流演奏家のレパートリーとして人気の高い小品の一つである。
ホ長調(ただしチェロ版はニ長調。なお編曲の際にはしばしば移調される)、4分の2拍子のシンコペーションで緩やかに始まり、有名な旋律が現れる。中間部はト長調の簡明な展開。すぐにホ長調主題が再現し、コーダで多少高揚があって終結する。
梁洛施の『先苦後甜』、楊丞琳の『慶祝』はこの曲が元となっている。