香港ドル
テンプレート:Infobox Currency 香港ドル(ホンコンドル、テンプレート:Lang-en-short、テンプレート:Lang-zh-short)は、香港の通貨。ISO 4217でのコードはHKD。広東語で俗に港紙ともいう。
補助通貨単位はセント(Cent・略符号は¢)で、1ドル=100セントである。
日常の表記では、金額の前に$記号を付して「$3(3ドル)」、「$3.50(3ドル50セント)」、「$3:50(3ドル50セント)」などのように表記される。他国の通貨と特に区別する必要があるときは「HK$3:50」のように表記される。銀行や両替商の店頭などを除き、ISOで規定されている「HKD」の表記は通常ではあまり使われない。
現地での漢字表記は、ドルが「圓」、セントは10セントを「毫」と表記する。ただし、ドルは書面語では「元」と記す。また、広東語では「man1 マン」と呼んで漢字で「蚊」または「鈫」と表記するが、これは「文」に由来する。かつて10セント以下の単位で取引が行われていたときは、セントを音訳して「仙」または「先」と表記した。
香港ドルは香港の法定通貨であるが、中国大陸特に広東省の一部(主に深圳市、珠海市など)においてもしばしば通用する。さらにマカオでは、法定通貨であるマカオ・パタカの流通量を超え、香港ドルによる通貨代替が著しい。
紙幣
香港金融管理局の監督の下、額面20ドル以上の紙幣が香港上海銀行、スタンダードチャータード銀行、中国銀行 (香港)の3行により発行されている(かつては有利銀行も100ドル紙幣を発行していた)。発行元の銀行によって図柄はまったく異なるが、額面により印刷色が統一されている。それぞれの額面貨幣価値はもちろん同じであり、使用および流通において使い分ける必要はない。
また10ドル紙幣は以前は他紙幣と同様に上記の銀行によって発行がなされていたが、現在では香港特別行政区政府による法定紙幣のみ発行されている。この10ドルの政府紙幣は当初は紙であったが、2007年にポリマー紙幣に変更された。
現在発行されている紙幣は、10ドル(紫)、20ドル(青)、50ドル(緑)、100ドル(赤)、500ドル(茶)、1,000ドル(黄)の6種類である。英領当時の10ドル紙幣(緑)、20ドル紙幣(茶)も法的には有効である。
なお、スタンダード・チャータード銀行発行の紙幣は、低額紙幣の色の変更に伴い図案も変更され、従来の鯉の10ドルの図案が20ドルに、20ドルの亀の図案が50ドルに採用されているので注意を要する。
1983年以降、アメリカ合衆国ドル(米ドル)に対するペッグ制(1US$対7.8HK$)を施行しており、発券銀行が香港ドルを発券する際には相応の額の米ドルを預託する必要がある。
また現在もペッグ制ではあるものの、2005年5月18日から目標相場圏制度が導入されたことにより、1US$=7.75〜7.85HK$間での変動を認めた。
硬貨
テンプレート:Vertical images list 硬貨は、10セント、20セント、50セント、1ドル、2ドル、5ドル、10ドルの7種類が流通している。この他、現在は鋳造が行われていない5セント硬貨も法的には有効である。
香港の中国への返還に伴い、それに先立つ1993年に、硬貨表面の図柄がそれまでのエリザベス2世の肖像から、香港のシンボルであるバウヒニア(zh:洋紫荊)に変更された。同時に従来中国語と英文のみだった額面表示が大きなアラビア数字でも記されるようになった。現在は、図柄変更後に発行が開始された10ドル硬貨を除いて両方の図柄の硬貨が混在して流通している。
2ドルと20セントは波形の縁という珍しい形状を用いる。
過去の硬貨
中国返還前の香港ドル硬貨には、エリザベス2世の肖像が使用されていた。当時のエリザベス2世の図柄には2種類あり、古いものは頭上がティアラ、新しいものは王冠になっているのが特徴である。
- ティアラ (Girls of Great Britain and Ireland Tiara [1])をかぶった女王。アーノルド・マチン (Arnold Machin) 作。このティアラは結婚祝いに祖母であるメアリー王妃(ジョージ5世の妃)にもらったもの。
- ジョージ4世の王冠 (George IV State Diadem [2])をかぶった女王。ラファエル・マクルーフ (Raphael Maklouf) 作。この王冠はイギリス議会開会の際に使われるもの。
為替レート
対ドル 対ドルレート
関連項目
外部リンク
- 銀行&通貨- Hong Kong Tourism Board - 香港政府観光局による香港ドルの紹介
- 香港印鈔有限公司(香港繁体字、英語)
- 2010系列香港鈔票 - 香港金融管理局サイト(香港繁体字、英語)