太平洋奇跡の作戦 キスカ
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『太平洋奇跡の作戦 キスカ』(たいへいようきせきのさくせん キスカ)は、日本海軍によって行われたキスカ島撤退作戦を題材にした日本の戦争映画である。1965年公開。同時上映は『喜劇 駅前金融』。
概要
出演俳優は東宝男優総出演の趣であり豪華な顔ぶれとなっている。史実を下地にされているため、他の作品に見られるヒロイン役の女優が一切出演していない。
あらすじ
昭和18年(1943年)、アリューシャン列島のアッツ島守備隊が玉砕した。同列島のキスカ島守備隊も、連日砲爆撃による猛攻を受け、間近と予想される敵の上陸により玉砕する日を待つという悲壮な状況となった。海軍軍令部は、北方担当の第五艦隊司令長官川島中将の説得により、キスカ島守備隊五千名の救出を決意する。川島は、作戦実行部隊である第一水雷戦隊司令官に海兵同期の大村少将を指名した。キスカ島守備隊5千余名の運命は、海軍兵学校を「ドンケツ」で出たという[1]出世コースを外れた現場叩き上げの司令官、大村少将の手腕に託されることになる。
スタッフ
- 製作 - 田中友幸、田実泰良
- 監督 - 丸山誠治
- 脚本 - 須崎勝彌
- 原作 - 千早正隆
- 撮影 - 西垣六郎、富岡素敬
- 美術 - 北猛夫、渡辺明
- 編集 - 藤井良平
- 特撮監督 - 円谷英二
- 特技撮影 - 有川貞昌
- 音楽 - 團伊玖磨
出演
エピソード
- 史実の『キスカ島撤退作戦』を映画化した作品であるが、史実の木村昌福少将を大村少将に、第五艦隊司令長官・河瀬四郎中将を川島中将に名前を変更したり、作戦に参加した艦艇が異なるなど、史実と大きく異なる表現や描写が見られるため、『事実を元にしたフィクション映画』の色彩が強い映画である。
- 劇中、阿武隈に三船敏郎が赴任した時、髭の水兵が迎える場面、その水兵が木村昌福に酷似しており、三船に「仇名は?」と聞かれ「司令官であります」と答えるシーンが存在する。この場面で、キスカ島生存者を招いた試写会で喝采が起きた。
- 実際にキスカ島に勤務して撤退作戦に関わった近藤敏直が全面的にアドバイスしている。劇中では寺井参謀の役職であった。近藤敏直の証言はDVDに収録されたインタビューで聞くことが出来る。
- 天野少佐の潜水艦が英軍機に空襲されるカットは、1959年制作の『潜水艦イ-57降伏せず』の使い回しである。
- 濃霧の中をキスカ島を周回して艦隊が進むシーンは、白黒の画面もあって非常にリアルで、テンプレート:要出典範囲。円谷英二率いる特撮班は、オープン撮影では風で霧がコントロールできないため、屋内ステージセットで約2ヶ月に渡りこれを撮影した[2]。艦隊が岩の間をすり抜けるカットは、特撮プールの底にレールを敷き、艦隊のミニチュアにその上を走らせることで、このシーンを実現させた。
注記
- ↑ 劇中の大村の弁による。モデルの木村昌福は、海軍兵学校を118人中107位という下位成績で卒業している。
- ↑ テンプレート:Cite