葛城ミサト
テンプレート:Pathnav テンプレート:物語世界内の観点 テンプレート:出典の明記 テンプレート:統合文字 葛城 ミサト(かつらぎ ミサト)は、『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する架空の人物。声優は三石琴乃。英語版吹き替えはアリソン・キースが担当している。
目次
プロフィール
人物
特務機関NERV(ネルフ)戦術作戦部作戦局第一課所属で階級は一尉。第拾弐話で三佐に昇進[2]。役職は、物語前半で作戦部長と、物語後半は作戦課長と呼称される。碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーの保護者兼上司で、エヴァンゲリオン(EVA)の戦闘指揮官。ペットは温泉ペンギンのペンペン。愛車はアルピーヌ・A310を右ハンドル・電動機駆動に改造したもの。オリジナルのガソリンエンジン・左ハンドルのA310にも乗っている。フェラーリ・328でシンジの学校に乗り付けるシーンもある。
経歴
15年前、当時14歳だった彼女は、父親が隊長を務める葛城調査隊と南極まで同行した際、セカンドインパクトに遭遇。南極に残っていた者の中でただ1人の生存者にして、セカンドインパクトを最も近くで目撃した人間である。その精神的外傷から一時心を閉ざし、長く失語症の時期があった。その際に負った傷痕が彼女の胸部から腹部にかけ残っている。研究に没頭するあまり家族を蔑ろにしがちであった父親が、セカンドインパクトの際に自分の命と引換えに彼女を救ったことから、使徒に対して強い憎悪・復讐心を抱き、シンジ達EVAパイロットに苛酷な作戦を課すこともしばしばであった。失声症から立ち直った後は第二東京大学に入学し、そこでリツコや加持リョウジと知り合い、加持とは恋人関係に。後に、加持を死んだ父と重ね合わせていたことに気づき、ゲヒルンがNERVに移行する直前に一度別れる。
NERV設立の真の理由を知らず、5年ぶりに帰国した加持の示唆もあって、次第にNERV司令のゲンドウや同僚のリツコの行動に対し疑念を抱く。加持とは徐々にヨリを戻していったが、彼は何者かによって抹殺されてしまう。加持の遺した最期の電話メッセージに号泣するが、後に立ち直り、セカンドインパクトや人類補完計画の“真実”に迫ろうとする。
性格
「ちょっち(ね)」が口癖。一人称は基本的に「あたし」。EVAのことを「エヴァー」と言う。他人のいる場所では常に明るく振る舞い、よく喋るが、その裏ではセカンドインパクトの体験が性格に深く影を落としている。
私生活においては、非常にがさつかつ、ずぼらでだらしない面が多い。シンジ・アスカと同居するも、彼らの身の回りの世話は全くしておらず、むしろシンジに家事を任せきりにしていた。そのため、シンジに私生活のだらしなさを指摘された。シンジが来る前は、家の中がゴミで埋まっていた。寝床も万年床となっていたり、机のまわりがゴミで埋もれていたり、ゴミ捨てをシンジに任せる、時計のアラームを足で止めたり、朝からビールを食卓に持ち出し一気飲みする、酒瓶[3]を片手に大の字で大いびきをかきながら寝る(新劇場版より)など、自宅でのだらしない行動は枚挙に暇がない。
料理もからっきしであり、彼女の手にかかるとレトルト食品すら食べられなくなるほど不味くなってしまう[4]。第伍話「レイ、心のむこうに」ではレトルトを素材にカレーを作ったが、シンジ、リツコが悶絶し、ペンペンが気絶する描写がある。特にビールが大好きで、ヱビスビールを愛飲しており、冷蔵庫はほぼこれだけで満杯にされている。
このように私生活では非常にだらしなさが目立つものの、EVAの戦闘指揮官としては優秀である。指揮官として一見無茶とも思える作戦も度々提唱するが、そのほとんどを結果的に成功に導く強運の持ち主だが、作中での碇シンジの発言によると「ミサトさんのくじは当たったことが無い」。彼女自身の戦闘力も高く、旧劇場版でH&K G11アサルトライフルを装備した戦略自衛隊員3人を、45口径弾×12発のH&K USP自動拳銃だけで射殺している。ドライビングテクニックにも優れ、シンジを乗せて走っている最中に上から巨大な落下物が降ってきても鮮やかに避けている。カンの鋭い面もあり、NERVやゼーレの裏の目的についても早くから疑念を抱いていた。
シンジとの関係
シンジと同居を始めたのは、孤独な彼に同情した全くの独断行為であった。公式の場では「シンジ君」と呼ぶが、プライベートでは「シンちゃん」となる。年齢的に姉と母の中間になるが、レイとの関係を冷やかしたり、年上の友達としてくだけた付き合い方もしている。アルミサエル戦で二人目のレイが自爆死した時は、傷心のシンジをセックスで慰めようとしたとも解し得るような身体的接触を試みるが、結局シンジに拒否された[5]。旧劇場版でも、死の直前に恋人のような会話を交わす。このようにシンジとの関係は、親・姉・友・恋人と多面的な側面を持っている。シンジを家族のように大切に思っている[6]。
その他の細かい情報
- テレビ版では第伍話ではYEBISUであったが、第七話からは「YEBICHU」となっている。これは伊藤理佐の漫画作品『おるちゅばんエビちゅ』のパロディであり、ビールの缶にもエビちゅの絵が描いてある。
- 旧劇場版ではネルフ作戦部長として、戦略自衛隊の攻撃を耐え抜こうとするものの、最終的にはシンジを助ける際に銃撃を浴び、それが致命傷となり死亡してしまう。
- いつも身に着けているクロスペンダントは、セカンドインパクトから逃れる際、父から受け取った形見である。また、上記の場面でシンジの手に渡る。
- いわゆる「学園エヴァ」ではシンジたちのクラスを担任する教師として登場しており、クロスペンダントは同形状のピアスに変更している。
- 23話でのミサトの机の前のポルシェ928のスケッチ風額入りポスターが、24話ではルノーアルピーヌA110の直貼り実写ポスターに変わっている。
漫画版
テンプレート:節スタブ ゼルエル戦後に初号機に取り込まれたシンジを救うためサルベージを決行した。戦略自衛隊のNERV侵攻の際、再びふさぎ込んでいたシンジを叱咤激励した上でアニメ版同様の別れを告げ、激戦の最中にて手榴弾で一部の自衛隊員を道連れに散った。
パラレル作品
テンプレート:節スタブ 『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画』でのミサトは、「セカンドインパクト」の設定自体がないため、「体に傷がある」という設定がなくなっている。
豪快かつ適当でずぼら、酒好きで料理がまったくできない、部屋が散らかっているなど、「傷」以外は本編に準じた人物設定になっている。 物語の初めのほうでは、シンジが両親と暮らしていたために同居はしていなかったが、両親が研究所詰めになって以降はシンジと同居している。その後、同じく母親が研究所詰めであるアスカも同居することとなった。一方、父親の設定については、「何年も前に行方をくらませた」ということが本人の口から語られている。
新劇場版
新劇場版:序
階級は二佐。旧世紀版ではリリスの安置された部屋の扉を開ける権限は持っていなかったが、新劇場版ではNERV職員にリリスの存在が認知されているので扉を開ける権限を持っており、レベルEEEフロアのリリスをシンジに見せている。
旧世紀版と比べると、シンジに対する言葉にも変化がみられる。例として、ミサトがシンジに「エヴァに乗る気はあるの?」という問いかけへのシンジの返答に対して旧世紀版では「嫌ならここから出ていきなさい!」という厳しい口調だったが、新劇場版では「嫌ならここから出て行ってもいい。すべてあなたの自由よ」とセリフが変わっている。これより少し前の第5の使徒戦で命令を無視したシンジを咎めた時に彼の態度に腹を立てて殴ろうとするが、シンジが去った直後に指導力の低さを後悔する描写がある。第6の使徒戦ではシンジを更迭しようとしたゲンドウを制止し、「自分の息子を信じて下さい」と説得している。
新劇場版:破
階級は一佐に昇進。
愛車のA310(『序』よりナンバープレートが「東2 ネ 33-10」と設定される。「33-10」は「3(ミ)」「3(サ)」「10(ト)」の語呂合わせ)は第7使徒戦で2号機の着陸に巻き込まれ大破。以降はマツダ・コスモスポーツに乗る。携帯電話の着信音に科学特捜隊作戦室の電話の音を使用している。
新劇場版:Q
前作から14年後、ゲンドウと冬月以外の旧NERV職員を中心に結成された反NERV組織「Will-E(ヴィレ)」の中心人物となっている。階級は前作までの自衛隊式呼称ではなく、大佐(一佐と同等)。「希望の船」「神殺しの力」の異名を持つ空中戦艦「AAAヴンダー」の艦長を務めている。年齢は43歳。
前作までの私服の上にNERVのスタッフジャンパーを羽織っただけのようなラフなスタイルではなく、セミロングヘアの一部を後ろで束ね、サングラスを着けて制服をしっかり着用している。旧NERV時代の豪胆さも併せ持っており、「ネーメジスシリーズ」の奇襲に際して一度も試したことのない空中浮上と空中戦の指揮を執り、勝利してみせた。
ニアサードインパクトを起こした危険分子であるシンジへの態度は、非常によそよそしくなっている。彼に話しかけられても基本的に無視を貫いたうえ、初号機の覚醒を防止するために爆弾付きの首輪「DSSチョーカー」を付けさせるなど、ほとんど「検体」としてしか扱わなかった。その挙句「もう何もしないように」と突き放したために、シンジがアヤナミレイ(仮称)に言われるままヴンダーから去る最悪の事態を招いてしまう。その反面14年前の真相を知っている為か、アヤナミレイ(仮称)に連れ去られたシンジを殺害する決断を下せない、その際の「(シンジの知っている)レイはいないのよ」といった引き止めるような焦った口調の発言、終盤発生したフォースインパクト阻止の際に心配そうに名前を呼ぶなど、わずかながらかつての保護者としての一面も垣間見せている。
ゲーム版
『新世紀エヴァンゲリオン2』では、条件を満たしていると戦略自衛隊の攻撃で死亡しない。その場合は戦略自衛隊の兵士を予め通路に仕掛けておいた爆薬で爆殺し、チルドレンを無事にEVAの元に送り届け、発令所に戻って量産機戦の指揮を執るといったストーリー展開になる。
『名探偵エヴァンゲリオン』では、特務機関NERV戦術作戦部作戦局第一課所属一尉であると同時に、シンジたちが通う学校の教師も兼任している。また、本作では唯一シンジたちの敵になるというエピソードがある。
プレイステーション3にて、ニュース読み上げサービスソフト『葛城ミサト報道計画』が2009年6月6日より配信されていた(2010年6月5日サービス終了)。ミサトがニュースキャスターに就任し、インターネット経由で配信されるニュースを読み上げるという設定である。演じる三石琴乃の声をサンプリングした合成音声による読み上げのため、通常のニュース原稿読み上げとはアクセントやイントネーションに違いが出る。
「スーパーロボット大戦シリーズ」に『エヴァ』が登場する際にはミサトも登場しているが、そのうちの1つ『スーパーロボット大戦Scramble Commander』では実質的な主人公として登場する[7]。
名前の由来
「葛城」は旧日本軍の艦船、「ミサト」は成田美名子の漫画の主人公から[8]。
その他
キャラクターデザインの貞本義行によると、前髪のデザインはアニメ『美少女戦士セーラームーン』の月野うさぎから拝借したものだが、その後担当声優が同じ人に決まって苦笑したとのこと。庵野秀明は、「何かの宴会で三石の姿を見て、葛城ミサトのキャラクターイメージを得た」と語っている。また設定資料集には、杉本彩みたいなルックアイとの記述がある[9]。
なお、TV版および新劇場版の次回予告は三石琴乃が担当している。予告や宣伝での「サービス、サービスぅ」の台詞は本編で使われたことはない。
2012年10月、動画共有サービス「ニコニコ動画」とヱヴァンゲリヲン新劇場版のコラボレーションが実現し、動画閲覧ページと生放送ページが「ニコニコ動画:Q」「ニコニコ生放送:Q」にバージョンチェンジした。その中で、閲覧しようとした動画が削除されていた場合、その旨を案内するナレーターを務めている。