カラスバト
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カラスバト(烏鳩、Columba janthina)は、動物界脊索動物門鳥綱ハト目ハト科カワラバト属に分類される鳥類。
分布
- C. j. janthina カラスバト
中華人民共和国(山東省)、大韓民国、日本(本州中部以南、四国、九州、伊豆諸島、隠岐、沖縄諸島、五島列島、薩南諸島)
- C. j. nitens アカガシラカラスバト
- C. j. stejnegeri ヨナクニカラスバト
日本(先島諸島)固有亜種
形態
全長40cm。頭部は小型。尾羽はやや長い。全身は光沢のある黒い羽毛で被われる。
上嘴を覆う肉質(蝋膜)は小型。嘴の先端は淡黄色。後肢の色彩は赤い。
- C. j. janthina カラスバト
頭部は黒い羽毛で被われる。嘴の色彩は淡青色や暗青色。
- C. j. nitens アカガシラカラスバト
頭部は赤紫色の羽毛で被われる。嘴の色彩は黒い。
分類
- Columba janthina janthina Temminck, 1830 カラスバト
- Columba janthina nitens アカガシラカラスバト
- Columba janthina stejnegeri ヨナクニカラスバト
生態
海岸や島嶼にある常緑広葉樹林に生息する。ゆっくりとした飛翔と滑空を繰り返しながら飛翔する。
食性は植物食傾向の強い雑食で、果実(クロガネモチ、ツバキなど)、花、ミミズなどを食べる。地表でも樹上でも採食を行う。
繁殖形態は卵生。樹上や岩の上、樹洞などに木の枝を組み合わせた巣を作り、2-9月に1回に1個の卵を産む。
人間との関係
開発や人為的に移入されたヤギによる生息地の破壊、人為的に移入されたネコ、ネズミなどによる捕食などにより生息数は減少している。1969年に亜種アカガシラカラスバトが、1971年に種として国の天然記念物、1993年に種の保存法施行に伴い亜種アカガシラカラスバトと亜種ヨナクニカラスバトが国内希少野生動植物種に指定されている。
C. j. nitens アカガシラカラスバト
絶滅危惧IA類(CR)(環境省レッドリスト)C. j. stejnegeri ヨナクニカラスバト
絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)C. j. janthina カラスバト
準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)関連項目
参考文献
- 安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、山と渓谷社、2008年、108頁。
- 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版、2004年、72頁。
- 環境庁 『日本産鳥類の繁殖分布』、大蔵省印刷局、1981年。
- 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科8 鳥類II』、平凡社、1986年、159頁。
- 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会、2007年、198-199頁。
- 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、68、184頁。
- 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、349頁。
- 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、70頁。
外部リンク
- The IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2008. Columba janthina. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2009.2.
- 文化庁
- 環境省
- 環境省 自然環境局 生物多様性センター