古書店
古書店(こしょてん)は、古書を取り扱う書店。古物商の一形態で、古本屋(ふるほんや)とも呼ばれる。ブックオフ等のような新古書店も古書店の一形態だが、この項目では伝統的な古書店を中心に扱う。
概要
店には、主人の鑑識眼に基づいて、多くは近代文学や漫画、学術書、写真集などある特定のテーマに沿って揃えられている。価格は、主人の美意識や価値観によってつけられ、価値あるものとみなされた場合は定価の何倍にもなる場合もあるが、ブックオフなどに代表されるチェーン店ではマニュアルに従って機械的に価格を付けているところもある。
「古書店」「古本屋」の区別は流動的で厳密な定義は不可能であるが、本の中で、骨董的価値、歴史的希少性があるものを「古書」、新品に比べ格安ものを「古本」と呼ぶ傾向にある。また、古本用語では数十年以上の時を経た古い本や専門書を「黒っぽい本」、最近出た小説や漫画などは「白っぽい本」と呼び、これらを取り扱う古本屋・古書店はいずれかの方向に偏ることが多いテンプレート:要出典。
20世紀末頃からインターネットを通しての古書の売買も活発になってきており、古本屋を通してでなく自分で不用本を売る者も増えてきた。ネットを活用して顧客を集めたりネットオークションにかけたりする古書店もある。近年は、ネット上での古本買取の専門サイトも増加している。
ここ20年ほどで大規模なチェーン店が出現し、それまで古書店が無かった地区にも開店しているが、多くの古書店は零細企業で、家族経営の店も多い。また、従業員は、チェーン店では学生のアルバイトが多いテンプレート:要出典。それに対し、個人経営の古書店では将来経営者となることを目指した弟子的な従業員が多いテンプレート:要出典。
古書店街
テンプレート:Main 都市部には各所に古書店が密集するところがあり、古書店街を形成している。とりわけ、東京都千代田区の神保町(正式の行政地名は神田神保町、最寄り駅は都営地下鉄新宿線・三田線・東京メトロ半蔵門線「神保町駅」)は、歴史的に古書店が並び、世界一の古書店の街である。太平洋戦争時、神保町の古書が焼けることは、文化的歴史的に大きすぎる損失だとして、アメリカ軍が空襲を避けたという俗説があるほどであるテンプレート:要出典。他に東京大学付近の本郷通り沿い(本郷古書店街)、高田馬場から早稲田に至る通り(早稲田古書店街)が、東京では知られた古書店街になる。京都では今出川通周辺に20軒程度、河原町通五条から丸太町にかけて30軒程度の古書店が密集している。また、大阪では梅田の阪急かっぱ横丁と併設の阪急古書のまちが東京ほどの規模ではないものの古書店街を形成している。