修了検定
修了検定(しゅうりょうけんてい)は、日本では、指定自動車教習所で仮運転免許を取得する際に、本来運転免許試験場で行われる仮運転免許技能試験を免除の扱いとするために、指定自動車教習所内で行われる運転技能についての検定のことである。運転免許を取得しようとする多くの人が、指定自動車教習所内で受験している。「修検」とも呼ばれる。この試験と仮免許学科試験にも合格すると、仮運転免許証が交付され、路上での運転練習ができる。自動二輪車、大型特殊自動車、けん引は修了検定は行われず、卒業検定まで場内で教習が行われる。2段階に進む際は1段階の見極めがその役割を兼ねている。
概要
採点方法は、以下のような減点方式となっている。
- 最初は100点満点を持っている
- 決められたいくつかの課題からなるコースを実際に走行することで試験する
- 試験中に減点対象となる問題があれば、その都度減点していく(ただし、1回だけの失敗は減点されない項目や1回で試験中止になる項目もある)
- 試験終了時に点数が70点(大型自動車・中型自動車は60点)以上残っていれば合格となる
どの問題が何点の減点対象になるか予め定められており、同じ問題は全ての試験官(検定員)が同じ点数だけ減点を行う。したがって、受験者が「問題があったのに減点されなかった」と感じる場合は、原因として以下のことが考えられる。
- 実際はその問題点でも減点されているが、他に教習上重大な問題点があり、そちらについて注意を与えられた場合
- 受験者は問題点と感じたが、試験官(検定員)の目では問題点と判断されなかった場合
- 試験官(検定員)も問題点には気づいていたが、減点までには当たらないとして採点しなかった場合(見逃してくれた場合)
試験中にコースを間違えた場合、それ自体は問題ないが、正規のコースに戻るまでも採点対象となる。また、受験生自身がそのことを気にすることがミスの誘因となることがある。公正を期すため、試験中には検定員以外の者が同乗する規定がある。多くの場合、他の受験者を同乗させる。このため、今受験している人の次が同乗している人の受験の番であれば、コースを覚えることが可能となる。運転免許試験場で行われる技能試験も、ほぼ同じ方法で採点される。修了検定で検定される課題は坂道発進、クランク、S字、踏切などがある。コースは教習所で異なるが、上記の課題を織り交ぜた数パターンが予め用意され、どのコースを走るかは試験前に試験官より発表される。なお、オートマチック限定の限定解除の校内審査もほぼ同じコースを走る。ただし、こちらは卒業検定で行われる縦列駐車と方向変換もコースに含んでいる。
減点対象
一部、1回で検定中止・不合格となるものもある。度合いにより大中小と区分されて減点数が異なるものや、規定回数までは不問となるものもある。
1回で中止となるもの
- 信号無視(赤色等)
- 指定場所一時不停止(一瞬停止も一時不停止とみなされる)
- 右側通行(意味もなくセンターラインはみ出し)
- 歩行者等保護違反(直接歩行者等を傷付ける場合の他、渡ろうとしている人がいる横断歩道で一時停止しない場合も含む)
- 検定員補助発生(検定員が助手席側補助ブレーキを踏む事や助手席からハンドル操作をされるなど)
- (坂道発進時の)後退(一定の距離を越えた場合。それ以外は減点)
- 走行不能(発進不能、通過不能)
- 脱輪(正しく脱輪から脱出すれば減点のみ)
- 路肩停車などで縁石を擦る
減点の対象
- 切り返し過多(1回目は減点されず、2回目以降は1回目と合わせて減点される。また、同一場所で4回切り返しをすると試験中止になる)
- 逆走(前輪、または後輪が中央線をまたいで走行する状態も含む)
- 走行帯違反(1回で不合格となる場合がある)
- 速度超過
- 速度不足
- 踏切停止時の窓開け忘れ
- 踏切通過中の変速操作(MT車)
- 接触
- 幅寄せ不充分
- 急制動
- 急ハンドル
- 急発進
- 方向指示器指示不良
- 各種確認不足
- 発進手間どり
- 左折(右折)が大きすぎる場合
- エンスト(MTのみ。1回目は減点なし、2回目からは1回目の分も合わせて減点、また同一場所で4回、あるいは踏切でエンストした場合は試験中止)
- その他危険行為
その他
修了検定の日程も普通は平日(午前に試験の説明、実施、合格発表)が一般的であるが、教習所によっては午後に検定を行うところもあったり、土日祝日に行っていたりするところもある。