空軍特殊作戦コマンド
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テンプレート:暫定記事名 テンプレート:Infobox Military Unit 空軍特殊作戦コマンド(くうぐんとくしゅさくせん- Air Force Special Operations Command,AFSOC)はアメリカ空軍における主要軍団組織。アメリカ特殊作戦軍の空軍構成部隊でもあり、部隊管理上は空軍参謀本部の指示を受けるが、作戦指揮上は特殊作戦の統合軍である特殊作戦軍の指揮を受ける。
概要
AFSOCは、主に特殊作戦を実施する部隊である。各特殊部隊要員の潜入支援や対テロ作戦、偵察・観察、戦闘捜索救難の実施のほか、ラジオ・テレビなどを用いた心理戦も行なう。司令部はフロリダ州ハルバード・フィールド空軍基地に置き、必要に応じ世界各地へ展開し、作戦を行なう。
前身は1983年に特殊作戦用部隊として設立された第23空軍 (23rd Air Force) である。これを主要軍団に格上げする形で、1990年5月22日に創設された。第23空軍は2008年にAFSOC傘下に再設立されたため、2008年時点の編成では1個航空軍、4個航空団(予備役含む)を主力とし、特殊作戦教育機関も傘下にある。特殊作戦用航空機をはじめとする機材のほか、地上戦闘要員も有している。
最初の実戦投入は湾岸戦争であり、戦闘捜索救難や遠距離偵察、前線航空管制の実施を行なった。その後もソマリア内戦やイラク戦争などへ投入された。
麾下部隊
- 第23空軍(23rd Air Force,23AF):
- 第623航空・宇宙作戦センター(623rd Air and Space Operations Center):現地展開部隊との連絡・調整およびリーチバック(reachback)等による情報支援。
- 第11情報中隊(11th Intelligence Squadron,11IS):情報分析担当。
- 第18航空試験飛行隊(18th Flight Test Squadron,18FTS):特殊部隊用機材の試験・開発。
- 第1特殊作戦航空団(1SOW):戦闘部隊。2006年に第16特殊作戦航空団より改称。人員9千名。
- 第1特殊作戦群(1st Special Operations Group):戦闘部隊。10個飛行隊で編制。
- 第1特殊作戦整備群(1st Special Operations Maintenance Group):機材整備。
- 第1特殊作戦任務支援群(1st Special Operations Mission Support Group):兵站・後方支援。
- 第1特殊作戦医療群(1st Special Operations Medical Group):4個中隊で編制。医療支援
- 第27特殊作戦航空団(27SOW)
- 第352特殊作戦群(352nd Special Operations Group):イギリスミルデンホール空軍基地所在。アメリカ欧州軍指揮下。
- 第353特殊作戦群(353rd Special Operations Group):日本嘉手納空軍基地所在。アメリカ太平洋軍指揮下。
- 第720特殊戦術群(720th Special Tactics Group):地上戦闘要員。人員救出および爆撃誘導任務など。
- アメリカ空軍特殊作戦学校(USAFSOS):特殊部隊員および特殊作戦機乗員の育成・訓練。
- 第919特殊作戦航空団(919th Special Operations Wing):空軍予備役部隊。
- 第193特殊作戦航空団(193rd Special Operations Wing):ペンシルベニア空軍州兵。
- 第123特殊戦術中隊(123rd Special Tactics Squadron):軍事気象偵察。ケンタッキー空軍州兵。
- 第125特殊戦術中隊(125th Special Tactics Squadron):軍事気象偵察。オレゴン空軍州兵。
航空機
AFSOCにおいては、特殊作戦用に航空機材も特別なものを使用しているものもある。
- AC-130U:地上制圧機。地上攻撃。
- MC-130E:特殊任務機。空中回収、低空侵攻による潜入・物資投下支援。
- CV-22:垂直離着陸輸送機。人員・機材輸送。
- EC-130:C-130輸送機を改造し、放送機材を搭載した心理戦用機材。ラジオ・テレビ放送の実施。
- MH-53:大型ヘリコプター。人員・物資の輸送・回収。
- Mi-17:大型ヘリコプター。人員・物資の輸送・回収。