ページワン
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ページワンはトランプで遊ぶゲームのひとつ。ルールはトリックテイキングゲームに似るが、台札と同じスートのカードがないときに山札からカードを引くため、各人の手札の数が一致しなくなる。ゲームの目的はトリックに勝つことでなく、手札を早くなくすることにある。
混同されがちだがアメリカンページワンとは異なるゲームである。アメリカンページワンと区別するために「ヨーロピアンページワン」と呼ぶこともあるが、ヨーロッパのゲームではない。
同じようなルールのゲームに芋掘りゲームがあるので、あわせて説明する。
基本ルール
- 2~8人程度のプレイヤーとジョーカーを含む53枚のトランプを用意する。ジョーカーを含まず52枚の場合もある。
- プレイヤー全員に、同数枚(主に4枚)のカードを配る。残りのカードは山札として場に伏せる。
- ジャンケン等で最初の親や出す順番を決めておく。
- 親は手札から好きなカードを1枚選び、表にして場に出す。このカードを台札とする。
- 他のプレイヤーは順に、台札と同じスートのカードを手札から1枚選び、表にして場に出していく。
- 手札に台札と同じスートのカードがない場合、このスートのカードが出てくるまで山札を引き手札に加えていく。見つかったら同じように場に出す。(台札と同じスートが見つかった後も強いカードが出るまで引き続けてはいけない。)
- 全員が出し終わったら、場に出たカードを比べ、一番強いカードを出したプレイヤーが次の親になれる。
- カードの強さは、ジョーカー>A>K>Q>J>10>...>2となる。ジョーカーはどのスートにも使用できる。親が台札としてジョーカーを出した場合、次のプレーヤーは好きなスートを出すことができる。
- これを繰り返し、手札がなるべく早くなくなるよう競う。
- 山札がなくなった場合、この山札を取ろうとしたプレイヤーは場に出された全てのカードを手札に加える。そして、このプレイヤーが親となり、次のターンを始める。
- 残り2枚目のカードを出すときは「ページワン」、最後のカードを出すときは「ストップ」と宣言しなければならない。忘れた場合、ペナルティとして山札から5枚カードを引き手札に加えなければならない。
- 最後のカードにジョーカーを出すことはできない。(手札にジョーカー1枚しかなければ山札から1枚引き「ページワン」を宣言しながら出す。)
- 誰かの手札がなくなれば、この回のゲームは終了である。勝利したプレイヤーには、残ったプレイヤーの手札から計算された点数が与えられる。
バリエーション
芋掘り
「芋掘り」という名称の由来は、台札と同じスートのカードが出てくるまで山札を引き続ける姿の形容からきている。明治初年の書物に「だしあがり」という名前で記されているゲームとほぼ同じである[1]。
- 「ページワン」「ストップ」の宣言はしなくてよい。
- 1ゲームは最初の上がりで打ちきるのではなく、ビリが決まるまで続ける。
- 山札がなくなった場合、場にあるカードをシャッフルし伏せて山札の補充分とする。
オンリーワン
ページワンのルールを基本に、芋掘りに近いルールで、オンリーワンと呼ばれる。
- 残り2枚目のカードを出すときは「オンリーワン」と宣言する。宣言を忘れたら手札を5枚追加する。
- 「ストップ」の宣言はしなくて良い。
- その他、山札がなくなった場合やゲームの終了方法は、芋掘りと同じである。
掛け声のバリエーション
「ページワン」はおそらく和製英語である。英語圏でも最後の1枚になったことを宣言しなければならないゲームはあるが(クレイジーエイトなど)、そのときは「Last card」などというのが普通である。
東日本(とくに宮城・福島など東北地方)では、最後のカードを出す時に、「ノームサイ(ノーサイ・ノールサイ)」と宣言する。ラグビーの「ノーサイド」が語源であるという説がある。東京など一部地域でも「ノームサイ」を使うという説もある。
脚注
テンプレート:トランプ- ↑ 桜城酔士(1885)『西洋遊戯骨牌使用法(かるたのとりかた)』団々社. p.109 に「消了(だしあがり)」が見える