イタチ亜科
イタチ亜科(-あか、Mustelinae)は、動物界脊索動物門哺乳綱ネコ目(食肉目)イタチ科に属する亜科。模式属はイタチ属。
分布
北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、アフリカ大陸、ユーラシア大陸、アイルランド、イギリス、インドネシア、日本
形態
最大種はタイラで体長60-110cm。尾長35-45cm。体重4-6kg。体重はクズリが最大で10-30kg。最小種はイイズナで体長15-25cm。体重0.05-0.1kg。イイズナはネコ目中でも最小種。
多くの種では歯列が門歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上下3本、大臼歯が上顎1本、下顎2本の計34本の歯を持つ。
多くの種でメスよりもオスの方が大型になり、オスがメスの2倍もの体重を持つ種もいる。オスが大型化するのは他のオスとの闘争に有利とする説や、メスが小型なのは狭い隙間等に潜りこむことができ天敵に捕食されにくく生存率が高くなるとする説もある。
生態
森林、草原等に生息する。多くの種では単独で生活するが、小規模な群れを形成する種もいる。縄張りを形成して生活し、臭腺を擦りつけたり排泄物によりにおいづけを行い縄張りを主張する。
食性は動物食もしくは雑食で、昆虫類、魚類、両生類、小型爬虫類、鳥類やその卵、哺乳類、動物の死骸等を食べる。オコジョ等は体重が自分の数倍もあるノウサギ類を単独で狩り捕食することもある
繁殖形態は胎生。
分類
タイラ属 Eira
- Galictis cuja ヒメグリソン Lesser grison
- Galictis vittata グリソン Greater grison
クズリ属 Gulo
- Ictonyx libyca サハラゾリラ Striped polecat
- Ictonyx striatus ゾリラ Striped polecat
グリソンモドキ属 Lyncodon
- Lyncodon patagonicus グリソンモドキ Patagonian weasel
- Martes americana アメリカテン American marten
- Martes flavigula キエリテン Yellow-throated marten
- Martes foina ムナジロテン Beech marten
- Martes gwatkinsii ニルギリキエリテン Nilgiri marten
- Martes martes マツテン Pine marten
- Martes melampus テン Japanese marten
- Martes pennanti フィッシャー Fisher
- Martes zibellina クロテン Sable
- Mustela africana アマゾンイタチ Tropical weasel
- Mustela altaica アルタイイタチ Mountain weasel
- Mustela erminea オコジョ Stoat
- Mustela eversmannii ステップケナガイタチ Steppe polecat
- Mustela felipei コロンビアイタチ Colombian Weasel
- Mustela frenata オナガオコジョ Long-tailed weasel
- Mustela kathiah キバライタチ Yellow-bellied Weasel
- Mustela itatsi ニホンイタチ(タイリクイタチの亜種とする説もあり)
- Mustela lutreolina インドネシアヤマイタチ Indonesian mountain weasel
- Mustela lutreola ヨーロッパミンク European mink
- Mustela nigripes クロアシイタチ Black-footed ferret
- Mustela nivalis イイズナ Lesser weasel
- Mustela nudipes ハダシイタチ Malayan weasel
- Mustela putorius ヨーロッパケナガイタチ European polecat
- Mustela sibirica タイリクイタチ Siberian weasel
- Mustela strigidorsa セスジイタチ Black-striped weasel
- Mustela vison ミンク American mink
ゾリラモドキ属 Poecilogale
- Poecilogale albinucha ゾリラモドキ African_striped_weasel
マダライタチ属 Vormela
- Vormela peregusna マダライタチ Marbled polecat
人間との関係
毛皮は革製品に利用される。ミンクからは良質な毛皮が取れるため養殖される。
ヨーロッパケナガイタチ(ステップケナガイタチを原種とする個体もいる可能性あり)は家畜化され愛玩動物のフェレットとして、飼育される。
民家の近くに住みネズミ等を食べることから益獣として扱われることも多い。しかし人間によりネズミ駆除や養殖された個体が脱走等の理由で移入され、移入先の生態系に壊滅的な打撃を与えることもある。
開発による生息地の破壊やそれに伴う獲物の減少、毛皮目的の狩猟に乱獲等により生息数が減少している種もいる。
画像
- Eira barbara.jpg
タイラ
E. barbara - Wolverine on rock.jpg
クズリ
G. gulo - Pine Marten in Kent.jpg
マツテン
M. martes - Whitenapedweasellg2.jpg
ゾリラモドキ
P. albinucha - Marbled polecat.jpg
マダライタチ
V. peregusna
関連項目
参考文献
- 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、70頁。
- 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科1 食肉類』、平凡社、1986年、122-135頁。
- 『小学館の図鑑NEO 動物』、小学館、2002年、56-57頁。テンプレート:Animal-stub