海底軍艦
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『海島冐險奇譚 海底軍艦』(かいとうぼうけんきたん かいていぐんかん)は、日本SFの草分けといわれるSF作家押川春浪が東京専門学校(現早稲田大学)法科部在学中に書いたSF小説。続編として『武侠艦隊』『東洋武侠団』などがある。 青空文庫にてテキストを公開中。
概要
科学者でもあり軍人でもある櫻木大佐の開発した海底軍艦「電光艇」が登場する。詳細は轟天号#海島冒険奇譚 海底軍艦を参照のこと。東宝映画『海底軍艦』は、一応これを原作としているが、内容的にはほとんど別の作品である。
メインキャラの1人として少年が出てくるため、少年小説の先駆けに分類されることがある。但し通常の少年小説と異なり、少年は「ただいるだけ」である。
シリーズ後半のメインキャラ、蛮勇侠客こと段原剣東次をネタにしたパロディを小栗虫太郎が作中で行っている。
海底軍艦シリーズ
- 海島冐險奇譚 海底軍艦(1900年)
- 英雄小説 武侠の日本(1902年)
- 海國冐險奇譚 新造軍艦(1904年)
- 戦時英雄小説 武侠艦隊(1904年)
- 英雄小説 新日本島(1906年)
- 英雄小説 東洋武侠団(1907年)
- この2作はシリーズの外伝的作品で、作中のSFメカは日本における空中戦艦の嚆矢と言われている。空中戦艦という発想を含め、阿武天風といった当時の未来戦記ものにおけるフォロアーを輩出した。
関連作品
- 映画
- アニメ
関連項目
参考文献
- 『海島冐險奇譚 海底軍艦』(名著復刻 日本児童文学館 第一集、ほるぷ出版刊、1978年8月発行)
- 『少年小説大系 第2巻 押川春浪集』(三一書房、1987年10月31日発行) ISBN 4380875474