かみのけ座
テンプレート:Infobox Constellation かみのけ座(髪の毛座、Comae Berenices)は星座の1つ。
主な天体
恒星
- α星:ディアデム(Diadem、王冠)と呼ばれる。これは、王妃ベレニケの王冠の中にある宝石を表す。β星よりわずかに暗く、2番目の明るさである。
- β星:かみのけ座で最も明るい恒星。絶対等級が太陽とほぼ同じ(太陽よりわずかに明るい)恒星である。この星は地球から27光年の場所にある。よってこの場所から太陽を見ると、地球から見たβ星と同じくらいに輝いているはずである。
星団・星雲・銀河
かみのけ座には銀河北極(銀緯+90°の点)があり、星間物質の量が最も少ない方向なのでたくさんの銀河が見える。この領域にはかみのけ座銀河団と呼ばれる銀河団が存在する。反面銀河面から最も離れているため、大きな散開星団Mel111を例外として散開星団や散光星雲、惑星状星雲はほとんど見られない。
その他
由来と歴史
ギリシャ時代から、しし座とうしかい座の間にぼんやりとした星の集まりがあることは知られていたが、トレミーの48星座には含まれなかったため、16世紀に入るまで1つの星座として認められていなかった[1]。
かみのけ座を1つの星座として独立させたのは、1536年にドイツの地図製作者カスパル・ヴォペルが自作の地球儀に描いたのが最初である[1]。その後メルカトルの地図や、ティコ・ブラーエの星図で用いられてから一般に認知されるようになった[1]。
神話
古代エジプト、プトレマイオス朝の王プトレマイオス3世と、その妻で王妃のベレニケ2世にまつわる話が知られている[1]。
プトレマイオス3世は自分の姉妹を殺したセレウコス朝シリアを紀元前243年ごろ攻めた。ベレニケは、夫が無事に戻ったならば、美しく、かつ美しいゆえに有名であった自分の髪を女神アプロディーテーに捧げると誓った。夫が戻ると、王妃は髪を切り、女神の神殿に供えたところ、翌朝までに髪の毛は消えていた。王と王妃は大変に怒り、神官たちは死刑を覚悟した。このとき、宮廷天文学者サモスのコノンは、神は王妃の行いが大変に気に入り、かつ髪が美しいので大変に喜び、空に上げて星座にした、と王と王妃に告げ、しし座の尾の部分を指し示した。そしてその場所はこれ以後ベレニケのかみのけ座と呼ばれることになった。コノンのこのとっさの知恵により、神官たちの命は救われた[1]。