湿布
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湿布(しっぷ)はある程度の水分を含んだ布を意味し、主に物に効果を与えるために貼って用いる。
液体の薬品を布に塗布されている医薬品を指すことが多いが、湿布本来の意味はそれだけではない。濡れたタオルを体に貼ることも湿布であるし、食品に湿度を与えるために貼ることも湿布である。壁紙を剥がす際に糊を溶かすために、薬品を含んだ布を貼ることも湿布である。
医薬品としての湿布
大別すると、温湿布と冷湿布の2種類に分けられる。主に筋肉の緊張を和らげる目的で用いられる他、打ち身・ねんざや皮膚病などの治療のために使用されるものもある。水分が多いため肌への密着度が高く、薬効成分が効率的に浸透する。布の部分はその薬部分を保護して貼ったままでの活動を容易にし、長時間の保持にも役立つ。
古くには、馬肉のスライスが打ち身などに効く湿布として用いられたり、練った生薬を布に塗布して肌に貼ったりしている。現代でもそれは行われているが、市販品としては腰痛や肩こり・筋肉痛の緩和のための湿布薬が普及している。
素材面からみると「パップ剤」と「テープ剤(さらに薄いものをプラスター剤と呼ぶ)」に分けられる。詳細は外用薬#貼付(ちょうふ)剤を参照のこと。
冷湿布と温湿布
- 冷湿布(テンプレート:Lang-en-short):主に炎症・痛みの抑制・治療を狙ったもの。筋肉痛や肩こりなど、急性の痛みの緩和に効果的。冷却成分はカンフルやメントール、ハッカ油など。皮膚の冷感点を刺激する。受容体レベルでは、TRPM(transient receptor potential ion channels(Mはメラスタチン反応性より)受容体が関与しているものと思われる。
- 温湿布(テンプレート:Lang-en-short、テンプレート:Lang-en-short):主に血行の改善を狙ったもの。単純に温度を高くしたものから、トウガラシエキス(カプサイシン)、ノニル酸ワニリルアミドなどを含んだものもある。皮膚の温感点を刺激することから、慢性疾患あるいは腫脹緩解後の炎症性疾患に用いられる。温度もカプサイシンも、TRPV受容体(transient receptor potential protein vanilloid receptor)を刺激し、効果を発揮しているものと思われる。カプサイシンを用いたものによる除痛作用は、受容体への反復刺激によるダウンレギュレーションが関与しているとも言われる。
第二世代の湿布
第二世代の湿布とはイブプロフェン(ブルフェン®、エスタックイブ)、ジクロフェナク(ボルタレン®)、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなど、強力な消炎鎮痛剤(NSAIDs)を配合したもの。炎症の四徴の内、発赤や熱感は、ヒスタミンやセロトニンによって引き起こされるので、NSAIDsは、著効しない。 適切な時に使用すれば、強い鎮痛作用がある。痛みの原因が筋肉疲労でない場合は、原因疾患の治療が必要である。
副作用
- かぶれ(接触性皮膚炎)