白夜
白夜(びゃくや、はくや)は、真夜中になっても薄明になっているか、または太陽が沈まない現象のこと。南極や北極に近い地方で夏に起こる。北半球では北欧諸国、グリーンランド、ロシア北部、カナダ北部、アメリカ合衆国アラスカ州、南半球では南極大陸の大部分で体験できる。深夜でも街中を散策する人々が見られる。対義語は極夜。
詳細
地球の公転面の垂線に対して地軸が約23.4度傾いているため、夏に一日中太陽のほうを向くことになる地域がある。そういった地域の夏は、夜になっても太陽がほとんど沈まない。
白夜が起きるのは概ね緯度が66.6度(90度-23.4度)以上の地方であり、北緯66.6度以北の地方を北極圏、南緯66.6度以南の地方を南極圏という。ただしそれより低緯度の60度34分以上の地域でも太陽は完全に沈むものの、真っ暗にならない薄明のまま朝になることがあるのでこれも白夜ということがある。
白夜が起きる時期は、北極圏では夏至の前後、南極圏では冬至の前後(現地における夏)である。また、白夜が起きる期間の長さは緯度により異なり、高緯度になるにつれてその期間は長くなる。例えば、北極線上(北緯66.6度)で白夜が起きる期間は6月12日ごろから7月1日ごろまでであるのに対し、スヴァールバル諸島(北緯78度)では4月20日ごろから8月22日ごろまでとなる。
NHK放送文化研究所によれば、本来の読みは「はくや」だったが、1970年(昭和45年)[1]に加藤登紀子がリリースした「知床旅情」(作詞・作曲 森繁久彌)のヒットが「びゃくや」の読みを広めるきっかけになったとみる向きが多いらしく、現在ではNHKでも「びゃくや」を標準読みとしている[2]。なお、知床半島は北緯約44度であり、東経約144度に位置している関係上、夏至の日前後には午前3時頃に日の出を迎えるが白夜になることはない。