トーマス・シェリング
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トーマス・クロンビー・シェリング(Thomas Crombie Schelling, 1921年4月14日 - )は、アメリカの経済学者、政治学者であり、専門はゲームの理論である。
来歴
- 1921年 カリフォルニア州オークランドで生まれる。
- 1944年 カリフォルニア大学バークレー校を卒業する。
- 1947年 Corinne Tigay Sapossと結婚する(~1991年。男の子4人が生まれる)。
- 1948年~1953年 マーシャルプラン、ホワイトハウス、大統領行政オフィスなどで働く。
- 1951年 ハーバード大学で経済学Ph.D.を取得する。
- 1953年 イェール大学の教員となる。
- 1958年 ハーバード大学の教授となる。
- 1969年 ハーバード大学ケネディスクールの教授となる(The Lucius N. Littauer Professor of Political Economyとなる)。
- 1991年 アメリカ経済学会会長となる。
- 1991年 Alice M. Colemanと再婚する。
- 2005年 ノーベル経済学賞を受ける。
業績
- 戦略研究の権威として著名。
- シェリングの最も有名な著書は、1960年に発表された『紛争の戦略』(The Strategy of Conflict)である。この著書は交渉と戦略的行動に関する先駆的な研究を記述したものであり、1945年以降の西側諸国で最も影響力のある100冊のうちの1冊として賞賛された。
- 1971年、シェリングは論文 "Dynamic Models of Segregation"(住み分けの動学的モデル)を発表し、たとえ白人と黒人が隣同士で暮らすことに抵抗がなくとも、いつの間にか白人が多く居住する地域と黒人が多く居住する地域に分かれてしまう理由をゲーム理論(マルチエージェントシミュレーション,Multi-Agent Simulation,MAS)的に説明した。シェリングはこの住み分け現象を隣人に対する寛容性あるいは我慢の強弱に起因するものであると仮定し、この論文は人種問題を扱う数多くの文献に引用された。
著書
単著
- National Income Behavior: An Introduction to Algebraic Analysis, (McGraw-Hill, 1951).
- International Economics, (Allyn and Bacon, 1958).
- 高中公男訳『国際経済学』(時潮社, 1997年)
- The Strategy of Conflict, (Oxford University Press, 1963).
- Arms and Influence, (Yale University Press, 1966).
- Micromotives and Macrobehavior, (Norton, 1978).
- Choice and Consequence, (Harvard University Press, 1984).
共著
- Strategy and Arms Control, with Morton H. Halperin, (Twentieth Century Fund, 1961).
- 『戦略と軍備管理』(防衛研修所, 1963年)
編著
- Incentives for Environmental Protection, (MIT Press, 1983).