斎場御嶽
斎場御嶽(せーふぁうたき/サイハノうたき)は現在の沖縄県南城市(旧知念村)にある史跡。15世紀-16世紀の琉球王国・尚真王時代の御嶽であるとされる。「せーふぁ」は「最高位」を意味し、「斎場御嶽」は「最高の御嶽」ほどの意味となり、これは通称である。正式な神名は「君ガ嶽、主ガ嶽ノイビ」という。
施設と伝承
敷地内には首里城内の施設名と同じ拝所が複数ある。 3つの拝所が集中する最奥部の三庫理(さんぐーい)には「チョウノハナ(京のはな)」という最も格の高い拝所があり、クバの木を伝って琉球の創世神であるアマミクが降臨するとされる。 なお、三庫理からは王国開闢にまつわる最高聖地とされている久高島を遥拝することができるが、これについては史書には記述がない。これは、近世になって三庫理の岩壁の一角が崩れたことによるもので、かつての三庫理は三方を岩壁に囲まれた空間だった。
王国時代の斎場御嶽
文字通り王国最高の御嶽とされ、国家の最高神職である聞得大君が管理した。聞得大君の就任儀式「御新下り(おあらおり)」が行われた御嶽でもある。かつて琉球の御嶽はその全てが男子禁制であり、斎場御嶽では庶民は入口の御門口(うじょーぐち)を越えて進入することは許されず、国王であっても、御門口より先に入るには袂の合わせを女装に改める必要があったという。
文化的価値
2000年11月首里城跡などとともに、琉球王国のグスク及び関連遺産群としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。また、国の史跡、沖縄県指定名勝にも指定されており、御嶽内で出土した陶磁器と勾玉などは国の重要文化財(考古資料)に指定されている。
なお、周囲の森林は沖縄本島南部に於けるもっとも優れた森林の一つである。本島中南部は第二次世界大戦において被害を受け、それ以前の状態を残した場所がほとんどないが、この地域は戦災を免れた。シダ植物やラン科植物などに珍しいものが多い。2000年代以降御嶽周辺が整備され、森林に荒廃の様子が見られる。
観光
2007年7月1日より観覧が有料化された。 緑の館・セーファに入館してから観覧する形になっている。
入館料
- 大人200円(高校生以上)
- 小人100円(小・中学生)
- 団体150円(20名以上)
- 開館時間
9:00~18:00 ※入館は17:30まで
- 定休日
12月29日~1月3日
交通アクセス
- 駐車場
- 無料駐車場有り。
- 路線バス
その他
- 斎場御嶽では、訪れる観光客の大幅増加により、石畳がすり減るようになったり、祈っている地元住民を無断で写真撮影するなどするマナー違反の観光客が増加したりしており、問題となっている。このため地元の南城市では、文化財保護を図るため男子禁制を徹底させることを検討している[1]。
関連項目
脚注
外部リンク
- 南城市 - 公式ホームページ
- 国指定文化財等データベース
- バス時刻表(那覇バスターミナル発) - 38番 志喜屋線