フェネック
テンプレート:Redirect テンプレート:生物分類表 フェネック (Fennec) は沿岸部を除く北アフリカやアラビア半島で見られる大きな耳介を持った小さなキツネの一種である。フェネックギツネとも呼ばれる。キツネ属(テンプレート:Snamei)に属するとされる。
解説
フェネックはイヌ科最小で1.5kg以下しかない。肩高約20cm、体長36-41 cm。尾は18-30 cm、耳は15cmの長さになる。砂色の体毛が砂漠での保護色となっている。
大きな耳は放熱の役目がある。毛皮は昼間の日光を通さず、夜は熱を保つ。熱い砂を防ぐため足裏は厚い毛で覆われている。
習性
砂漠に巣穴を堀り家族単位の群れで生活をする。 夜行性で、夜の間に齧歯類、昆虫(イナゴなど)、トカゲや鳥や卵を狩る。水分の殆どを食物から摂っていて、しばしば水分補給のために果実や葉を食べる。巣穴は細長く、10m程度まで伸びる。
繁殖
発情期は1 - 2月。交尾時に交尾結合が見られ、交尾時間は1時間に達する。
妊娠期間は49日から63日で平均50日である。メスは出産直前になると穴を掘り、しばらくの間その中で休むという。比較的涼しい3 - 4月に1 - 6子を一度に産む。
繁殖は通常年1回だが、失敗すると2か月半 - 3か月半後にもう1回出産することがあり、その後もう1回同じ年に出産することもある。
子は61 - 70日間受乳する。オスは出産後もメスの許に留まり、食物運びなどを行いながら、子供が生後4か月になるまでは巣穴の周辺を防御する。子は9 - 11か月で成獣と同じ大きさになる。
個体数
フェネックは個体数が少なく、ワシントン条約の付属書IIに掲げられている。
飼育
フェネックはキツネ類のうちペットとしてかなりの数が飼育されており、犬と同じような方法で飼うことができるが、穴掘りを得意とするため、屋外の囲いで飼う場合、逃げ出さぬように、囲いは地下何メートルもの深さがなくてはならない。 フェネックの飼育が違法である国・地域もあるが、日本での飼育に制限は無い。飼育下での寿命は10年程度。
その他
フランスの作家・飛行家サン=テグジュペリが書いた手紙に、1935年にサハラ砂漠に不時着したときフェネックに出会ったことが書かれている。彼の代表作「星の王子様」(Le Petit Prince)の第21章にキツネ(le renard)が登場するが、彼自身のイラストで耳が大きく描かれていることからもわかるように、これは彼が出会ったフェネックから着想を得たものである。