ジェットジャガー
ジェットジャガー (Jet Jaguar) は特撮映画『ゴジラ対メガロ』、特撮テレビ番組『ゴジラアイランド』に登場する架空のロボットである。別名「電子ロボット」。
目次
概要
1970年代前半の変身ブームやロボットアニメの影響により登場した[1][2]。『ゴジラ対メガロ』以外での映像作品での活躍も予定されていた。
デザインは、東宝と円谷プロダクションが西友ストアの協力により開催した企画「ちびっ子怪獣大学」でシンボルキャラクターとして一般公募された怪獣「レッド・アローン」を元にしている[2][3]。その時点ではコウモリのような羽があり、顔もロボット風ではなかった[3]。公開前の劇場用宣伝ポスターには「ジェットアローン」と表記されていた。
登場作品
公開順
『ゴジラ対メガロ』のジェットジャガー
- 全高:1.8m(戦闘時:50m)
- 重量:150kg(戦闘時:2万5千t)
- 飛行速度:マッハ3.5
青年科学者・伊吹吾郎が開発した、カラフルな色彩の等身大ロボット。内部に組み込まれた良心回路により、「人間に会ったらお辞儀をする」「人間の言葉を理解して妥当な反応を示す」などの行動を起こす。普段は研究所の電波操縦器(緊急時は超音波装置)で操作される遠隔操縦タイプだが、良心回路の影響から奇跡的に自我に目覚め、それによる巨大化が可能となる。これは制作者である伊吹自身にも想定外の事態であった。目の前で巨大化されたメガロは、ジェットジャガーから攻撃を受けるまで立ち尽くしていた。
もともと日常生活の補助用として開発されたため、固定武装などはなく、戦闘時は肉弾戦が主となる。飛行能力を有し、巨大化時にはゴジラを抱えて飛行するなどその推力は高い。
シートピア人によって強奪されてメガロの水先案内を行うが、伊吹らがこれを奪回してゴジラを呼びに怪獣島へ向かう。帰還後、自分の意思を持ち巨大化するとゴジラ到着までメガロに優勢に戦うが、そこにガイガンが出現。2対1となって追いつめられるも、ゴジラの加勢を受け、激闘の末にガイガンとメガロを撃退する。その後、本来のサイズに戻ったジェットジャガーからは自我が消え、良心回路も従来の限定的な機能を残すのみとなる。
- スーツアクターは駒田次利、森正親。
- ジェットジャガーが巨大化するという設定は、脚本を書いた監督の福田純のアイディアであるが、特技監督の中野昭慶はこの巨大化の映像化にリアリティをどう出すかで悩み、「一番頭が痛かった部分」としていて、「あまりうまくいかなかった」と振り返っている。
- 造形
- 造形は安丸信行と小林知己。般若の顔面イメージは、翌年のメカゴジラにも生かされる。頭はFRP、胴体はウェットスーツに板状のフォームラバーを貼り合わせて制作されている[2]。眼は自動車のテールランプの流用。
- 3尺サイズの飛び人形が製作されている。この飛び人形は現存しているが表面のFRPが剥がれており、表面にテープを張って新たに型を採ったものが、2012年の「館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」にジェットジャガーのマスクと共に展示されたテンプレート:Sfn。
『ゴジラアイランド』のジェットジャガー
防衛部隊Gガードの所属のロボット兵器。全身銀色となっている。
ザグレスが初めて攻めて来た際に、モゲラ、メカゴジラと出撃するが、ヴァバルーダのビーム砲で撃墜され、以後は登場しない。
- 造形物はバンダイのソフビ
メディカルジェットジャガー
怪獣ドクターであるミサトの乗る機体。全身白く塗装され、胸には赤十字マークが施されている。口から鎮痛スプレーなど怪獣の治療に使う薬品などを発射可能。
怪獣が病気になった際に怪獣病院へ搬送する時などに出動する。また、ミサトが搭乗するなどして操縦することも可能。「スペースゴジラの悪霊編」では司令官が苦肉の策としてバトルモードに改造しようとするが、トレマに却下される。
- 後に雑誌ハイパーホビーの誌上限定版ソフビとして限定発売された。
消防ジェットジャガー
消火活動用の装備をしたもの。全身赤で塗装されている。「火」と書かれた火消しのれんが特徴。口から冷凍ガスを出す。また、巨大なホースなどを装備する事で、直接水での消火も可能。更に目は映像を投影する事もでき、ミサトが超巨大ゴジラを空に投影し、スーパースペシャルスペースゴジラを圧倒する場面ももある。「人口太陽編」で初登場し、山火事の消火に当っていたところを、デストロイアとメガロに襲われる。
- 後に雑誌ハイパーホビーの誌上限定版ソフビとして限定発売された。
脚注
参考文献
関連項目
- 東宝特撮映画の登場兵器
- 新世紀エヴァンゲリオン - 第七話に登場する巨大ロボット「ジェットアローン」 (J.A.) は、ジェットジャガーへのオマージュ。